「基本設計」 と 「実施設計」 について
基本設計とは、プランを表現した設計。実施設計とは、基本設計を元に、施工を行うための設計。基本設計は、建物に喩えれば、基礎である。実施設計は、基本設計という基礎の上に積み重なる建屋のようなもの。基本設計がしっかりできていないと、実施設計は砂の上の城、うまく建てることはできない。当事務所の業務に沿ってみれば、基本設計は、実施設計より、設計期間・図面枚数も少ないためか、お客様によって、重視されたり、軽視されたりさまざまである。時に現地調査なしで、既設建築図から、基本設計を起こさなければならないこともあるが、原則、現地調査を行えない状況での基本設計は、手がけないようにしている。当事務所は、あえて、どちらかと言うならば、基本設計は、実施設計より重視している。しかも、基本設計は、実施設計よりはるかに難しい。しかし、実施設計より、簡単に見えてしまうのが、皮肉なものだが。間に合わせで、形だけ揃えた図面でも、承認されてしまうのが、基本設計。だからこそ、しっかり作成しなければならない。基本設計がしっかり描けていれば、実施設計は、滞ることなく、スムーズに進むものである。その逆も、言えるわけで。基本・実施の一貫の受注も多いが、基本設計のみ、実施設計のみの仕事もある。基本設計のみの仕事では、次工程はお客様であることを心がけて描くようにしなければならないし、実施設計のみの仕事では、提示された基本設計次第で、毎度、当たりくじ・外れくじを引くような気分である。