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2011.07.28
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カテゴリ:ニセモノを斬る

 

 

それから…

これも本当によく耳にするが、

「テンションンが上がる」、または「ハイテンション」といった表現。

 

まあ…「気分が高揚する」、「血気盛ん」、「やる気になる」、「興奮する」

というような意味あいで言っているのだろうが、

私はこの表現にも強い嫌悪感を抱く。

 

誰かが感覚的に言い始めて、

それがファッションのように独り歩きをして

今に至ったと推測するが、私には実に不快に響く。

 

語源を知らずして軽はずみに口走るのは、浅はかというもの…

「テンション」とは、「緊張」・「張り」・「不安」・「不安定」

などの意味を表す言葉。

 

音楽用語としても用いられる。

「テンション・ノート」=「緊張した音」

つまり、その音は不安定でとても張りつめた状態にあり、

安定した音に帰着しようとする性質を持つ。

 

あるいは、ギターの弦の張り具合にもこの言葉を引用する。

「テンションがきつい」というのは、弦の張りが強いということだ。

いずれの場合も、「緊張」という意味の本線から外れてはいない。

 

話を戻す。

 

「テンション」の本来の意味は、「緊張」である。

…緊張が上がってどうするんだ?

蚊取り線香の煙じゃあるまいし…

 

例えば、仮にこれが「エネルギー」というような意味だったら、

前後のつじつまが合って言いたいことに通じるが、

「緊張が上がる」なんて日本語はおかしい。

それでは「ファイト一発!リポビタンD」にならないじゃないか。

 

人間の精神状態でいうところの「緊張」とは、

オロオロして舞い上がるという意味ではない。

あくまでも、張りつめて引き締まった心理状態のことだ。

この点も、多くの日本人がその意味をはき違えている。

 

この不快な言葉…

今では辞書にも載っているが、

それは現代人から産まれた程度の低い造語だ。

そんなものを正式な言葉として記載する辞書もどうかと思う。

辞書たるもの、もっと厳格であってほしい。

 

とはいえ、言葉もいきもの…

それは時代と共に変わっていくとしても、

もっと美しく進化していくべきだ。

 

これは私の主観と偏見によるもの。

異論があるなら、いつでもどうぞ。

 






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Last updated  2011.08.05 19:47:08
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