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2005.03.17
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テーマ:不健康日記(41)
何度かご紹介した、新潟大学大学院医学部教授 安保徹先生の著書
『医療が病をつくる』のはじめにから抜粋。

今日、患者からの医療不信が言われている。
長い時間待たされての3分間診察、医者の専門バカ、医療ミス、偏差値教育を受けてつくられる医者など、問題点が指摘されている。

しかし、私が大学で会う医者の卵たちは少なくとも80%以上は、将来の希望に胸をふくらませていて、心身両面から患者を救いたいという夢をいだいている。

ではなぜ、現役地活躍中の医者たちがこうした医療不信に巻き込まれてゆくのであろうか。初心を忘れ、現実の医療体制に負けてしまったせいであろうか。

そうではないように思う。

私は、これまで取り上げられてこなかった大きな問題点があると思う。それは治療の中にいくつかの根本的な間違いがあって、熱心に治療をするほど病気を悪くしている現実があるからではないか。

これでは、せっかく医者が良心的に活動しても、結果は裏目に出てしまうことになる。
医学は進歩し続けているが、未熟な点もかなりある。そしていくつかのこれらの問題点には科学的に解決可能なものがある。
本書はこの可能な点を明らかにしてゆくものである。

(中略)

具体的な例を一つ述べる。
激しい肩こりや腰痛の患者に消炎鎮痛剤を処方した場合である。

仕事のしすぎ、筋肉の相対的低下、眼精疲労などや、交感神経緊張をもたらす薬(睡眠薬など)の使用によって、交感神経緊張状態になると、血流障害や、白血球の一つである顆粒球をさらに増加させ、多臓器不全や癌を引き起こす危険性も潜んでいる。

人の心と体とは白血球の自律神経支配を某介として、密接に繋がっていることを明らかにすることにより、患者だけでなく医師をも救うことになると期待している。

碁の上手の藤沢秀行や、将棋の上手の米長邦雄は、全知全能の髪が100とすると、自分たちの碁や将棋はたかだか6か7の力で勝負しているといっていた。
現代医学の力も100のうち、せいぜい5か6の力で患者に対応しているような気がする。
しかし幸い、生物には自然治癒力があるので、本人が適切な生活を取り戻したり、医者が補助的役割をうまく果たすと、私たちの知識を超えて病気は治りだすことが多いのである。

医療が病いをつくる 免疫からの警鐘 ( 著者: 安保徹 | 出版社: 岩波書店 )「医療が病いをつくる 免疫からの警鐘」
腰痛、アトピー性皮膚炎から胃潰瘍、糖尿病、癌にいたるまで、なぜ病いは治りにくいのだろうか。また今なぜ難病指定の病気が増え続けるのか。著者は、人体の秘密ともいうべき自律神経系‐内分泌系‐免疫系の相互連関のメカニズムを解明。さまざまなストレスや、免疫の働きを理解しない誤った治療、薬の処方が多くの場合、病気の原因であり病状を悪化させていること、さらには結果として医療費高騰を招いている現実を指摘する。病気の成り立ちや薬の作用を免疫学の立場から説き明かし、病気にかからないためには、またかかったらどうしたらよいのかをアドバイスする。数々の発見で世界的に活躍する免疫学者による現代医療批判。





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最終更新日  2005.04.11 11:14:09
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