中国の精進料理中華街もすかっり観光化された町になっているが、中国料理は、ものすごく奥が深い。中国でも上海、北京、香港、台湾、大連、それぞれ味が違う。気候、風土がぜんぜん違うのだから、いっしょにすることが、所詮、無理なのだ。沖縄と青森の料理を、日本料理として、いっしょに語ることより、もっと、無理がある感じだ。 チャイナタウンは世界中にある。アメリカでも、ニューヨーク、サンフランシスコ、ボストン等々、あらゆる、都市にある。ボストンのチャイナタウンは、レンガ造りの街の中にある。 中国料理にも、精進料理がある。 香港には、専門の菜館がある。ヨコハマでは四五六菜館で、昔、食えたような気がするが、今は、あの店も大きくなってメニューにはないと思う。 日本の精進料理は私の家の近くの鎌倉円覚寺のまえのもあるが、けしてうまいとは思えない。 精進料理の基本は、肉を断った坊主が、考え出したモドキ料理だ。菜食主義者の擬似料理ともいえる。 しかし、中国のモドキ料理は何百種とある。牛、豚、魚、鴨、鶏を、大豆や芋、葉っぱで作りだしてしまう。 これが、おそろしいほどに酷似している。 歯ざわりも、食感も、すべてほんものという感じだ。 あの、食に対するチャイナの情熱はすごい。 あれなら、ヴィトンのコピーなど、らくらく作ってしまうよ。という感じだ。 中国では、食事中、黙って食っていると、怒られるらしい。 |