2006/04/22(土)22:30
■働きアリの真実■
生物の本を読んで、おもしろいと思うときというのは、
つい、人間の世界にあてはめてかえてしまうからではないだろうか。
オシドリは、じつはオシドリ夫婦ではなく、毎年、パートナーを変えるとか、
カマキリのオスは交尾をしたあと、メスに食べられてしまうとか、
オットセイは、一夫多妻でハーレムを作って生きているとか、
そんな生き物の生き方は
裏に、生物世界の厳しい現実があるのだろうが、つい、笑ってしまうものも多い。
おもしろいなあと思ったものの中に、アリの話がある。
これから、夏にかけてアリが一生懸命に働く姿を見かける。
働きアリはえらい。
酷暑の中も、もくもくと働く。
ふと、足もとに視線を落とすと、蝉の死骸などを、アリたちが集まって、せっせと共同で運んでいる姿を見ると、
君達、よく、がんばっているなあと、声をかけたくもなる。
よく、観察すると、よく働き、手際のいいものと、なんだか、さぼっているような輩も存在しているのもいい。
アリの生態の本を読んで驚いたのだが、地上で働いているアリは、
すべてがメスで、かつ、高齢のおばあさんのアリだそうだ。
これに対して、若いアリは巣の中のみで生活して、幼虫やサナギの世話をしている。
羽のはえたオスは女王蜂と交尾するために生まれ、交尾を済ませると、死んでしまうそうだ。
アリは、一妻多夫の世界で、それはそれで厳しい現実世界が存在している。
しかし、巣の外で一生懸命、炎天下、がんばって働いているのは、みな、おばあさんのアリだったとは・・。
しかし、日本中でも、どこへ行っても、元気がいいのは、おばさんやおばあさんたちだものなあ、
まったく、同じだなあ、
男は、どこかで、くたびれているものなあ。
つい、
不謹慎にも、人間におきかえ、連想してしまうのだった。