「オペラ座の怪人」観て来ました。ジョエル・シュマッカー監督。原作のミュージカルを描いたアンドリュー・ロイド=ウェバーが全面的にプロデュースを行っており、クオリティの高い作品になってます。
序盤は、もう閉鎖してしまったオペラ座でのオークションの場面からはじまりますが、ある猿のオルゴールがオークションにかけられるシーンで目を合わせる老婦人と老紳士が映され、続いて床に伏せているシャンデリアがオークションにかけられるところで、「皆さんはこのシャンデリアにまつわる事件を覚えていますか・・・」と、シャンデリアにかけられていた覆いが外されていくと、有名な、あのテーマソングが鳴り響き、それに合わせてシャンデリアには順番に火がともり、埃をかぶっていたオペラ座はかつての輝きを取り戻していく。そこでかつての栄華を誇っていたころの時代へと場面は移り、賑やかな劇場の周り、慌しい楽屋の様子などが順番に映されていく。そして歌姫のアリアが始まる。このあたりの迫力は素晴らしかったです。まさに映画館で映画を観る楽しみを満喫させてくれる演出でした。
台詞は、ミュージカルらしく歌にのせて語られることが多いですが、特に、クリスティーンを演じたエミー・ロッサムの演技と歌が素晴らしかったです。若干17歳というのには驚きました。原作でも16歳という設定なのですが、その年齢では声が成熟していないため公演を歌いきることができず、実際はもっと年齢の高い女優さんが演じることが多いそうですが、今回は映画だからこそ出来たキャスティングということです。
ただ1つ残念なのが、一番重要な役であったはずのオペラ座の怪人ファントム役のジェラード・バトラーの歌声。主要キャスト3人の中で唯一ミュージカルの経験がなかったということですが、明らかに格下なのが分かりました。声の出し方が普通のポップス的であり、ミュージカルの歌い方では無い。どうも、昔ロックバンドを組んでいたそうだから、その歌い方なのかなと思いました。他の役者さんの歌声が素晴らしいだけに、非常に残念でした。監督はあえて未経験をかって起用したそうですが、ファントムは音楽の「狂人と化すほどの天才」という設定なのだから、本当に実力のある俳優さんをもってくるべきだったと思います。
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