1174133 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

シェフの落書きノート

シェフの落書きノート

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Category

2006.02.28
XML
カテゴリ:心の中の記憶
オイラの爺ちゃん…。
オイラが中学2年生の時、他界したのですが…。

今では、余り見かけない郵便局のゴツイ自転車にのって仕事にいってました。

そう…郵便配達をしてたんです。

オイラが生まれた所は…
港の見える丘公園、外人墓地、フェリス女学院、ユーミンが結婚式を挙げた教会…

横浜 山手の尾根伝い…根岸の競馬場から近く…
外人ハウスと呼ばれる米軍住宅地のすぐ近く。

その坂は、すごく急な上り坂…
その急な坂をエッチラ…オッチラ…と
爺ちゃんは…
あのゴツイ自転車を押して帰ってきてました。

雨の日も風の日も…

今でも思い出すのは…
よく祖母がお正月になると言ってました。

「正月くらい休んだらどうなの?」

「俺が手紙を届けなくては、誰が届けるんだ…」
そう言うと爺ちゃんは、自転車で出かけていきました。

郵便配達だもん…
お正月に休めるわけもありませんよね。

仕事一筋…
真面目で超頑固!

オイラには、爺ちゃんのイメージは優しい爺ちゃんとしか残っていなかったのですが…

いとこ達のイメージは、怖い…
ってものだったらしいのです。

相当にオイラは可愛がられていたのです。

爺ちゃんが郵便を配達する所は…
まだ南京町と呼ばれていました。
そう今の一般的な呼び名は横浜中華街

中国人の姓名を間違えて配達することが多かったらしく…
「南京町は、俺が配達するんだ」…と
よく言っていたようです。

時々…
小さかったオイラを自転車の後ろにのせて…
中華街にご飯を食べに連れて行ってくれました。

ある日、注文したオイラの五目ラーメンの中に虫が入っていました。
その時の爺ちゃんの怒った顔は、今でも忘れません…。

毎年5月3日に行われる『横浜港祭り』…
中華街から伊勢崎町まで華麗なパレードが練り歩きます。

今では、娯楽も沢山ありますが…
その頃は、まだまだ娯楽の少ない時代…

例年、見物の人達は、パレードが通る道の歩道を埋め尽くします。

「今日は特等席で見ような…」
そう言うと…その頃は、横浜関内にあった横浜中央郵便局へとオイラを連れていきました。
中央郵便局の横をパレードが通るのです。

警備の人が爺ちゃんだとわかると丁重に鍵を開けて中に入れてくれました。

休日で休みの郵便局…
館内に人影はなく、ひっそりとしていました…。

「ここが爺ちゃんの部屋だぞ~!ここからだと良く見えるだろ~!」
そこは、2階か3階の通りに面した部屋。

部屋は広くて大きな机…
警備の人の…あの丁重な対応…。

ただただ…不思議でした…。

「郵便配達の爺ちゃん…どうなっちゃってるの?」
子供心にそう思いました。

やがて爺ちゃんは定年を迎え引退…
身体を壊した爺ちゃんは62歳で亡くなりました。

あれだけ喧嘩ばかりしていた祖母も本当に悲しそうでした。

お葬式には、沢山の人達が参列してくれました。

そして爺ちゃんが死んでから少し時が経った時。
国から勲章が届きました。

「死んでから勲章を頂いても仕方がないでしょ…」
祖母は静かに呟きました。

爺ちゃんが亡くなった時。
オイラは中学2年生…。

それから、しばらくして知りました。
ひょんなキッカケでそれを知ったのですが…。

オイラの爺ちゃん…
実は、横浜中央郵便局の局長さんだったんだと…。

それを知った時…
オイラの中にあったすべての謎がとけました。

郵便局の広い部屋と…大きな机…
警備員さんの丁重さと笑顔…。

他にも色々…。

不思議…だと思っていた事の謎はそういうことだったのです。

普通…郵便局長が郵便配達なんてしないですよね。

爺ちゃんは、いくつになっても…
立場がどうあっても…
現場、至上主義というか…
現場を本当に愛していたのかと…。

正月に祖母が言っていたのも頷けます。

頑固すぎるくらいに頑固…

それは、爺ちゃんの長男である父にも遺伝し…
そしてある意味オイラにも遺伝しているようです。

オイラは、本当に小さい頃から…
「爺ちゃんや父親みたいに生きたくないな…」
…と思っていました。

オイラの父親も頑固で真面目で…
仕事、そして会社ひと筋のサラリーマンでした。

ふたりとも『巨人の星』の星一徹ばりの頑固親父。

ふたりとも…
ちゃぶ台をひっくり返すの見たことありますから…笑。

このふたりをある意味、オイラは尊敬もしています。

自由に生きてみたい…
自分のやりたい事をやって…
人が評価してどうの…というより…
自分が納得いく道を進みたい…。

そう思い…そうする事を自分に誓ったのです。

でもね…。
今振り返ると…結局…
オイラも仕事…仕事…。
そんな日々を自分で気がつかないうちに過ごしていました。

そして爺ちゃんと同じように現場を離れない…オイラ。

メニュー開発や企画等の仕事が入っても…
いつの間にか、お客様と接して良いメニューが出来ると現場にもどる。

「あー …。DNAなのか…?」
「オイラの細胞の中には…仕事中毒遺伝子が組み込まれているのか?」

………?

本人の意思がそうならないように…
と思う反面。

意識と別に…
本能とも言うべき何かが働いている気がします。

なんと恐るべし…DNA…。





↓下のほうでウロウロと…捜すの大変かも…笑。
 
人気blogランキング



HOME
シェフの落書きノート 日記、記事の目次








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.02.28 03:43:17
コメント(23) | コメントを書く
[心の中の記憶] カテゴリの最新記事


Calendar

Recent Posts

Archives

・2024.04
・2024.03
・2024.02
・2024.01
・2023.12
・2023.11
2023.10
2023.09
・2023.08
・2023.07

© Rakuten Group, Inc.