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シェフの落書きノート

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2007.09.05
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カテゴリ:ひとり言…
このコース料理の内容でやっていけるの?
安すぎる!

「取引先の努力と協力があるから…」
お客様には、よくそうお答えします。

では、アラカルトは?
他のお店より少し安いくらいかな…。

コース料理が際立ってリーズナブルな印象になるのは、原価率に秘密がある。

うちのお店の『本日のコース』は、¥3500(内税)で提供しています。
175円が消費税だから、それを引くと3325円が実際のコース料理の値段。

一般的な飲食店の原価率 30%を当てはめると…
原価=材料費は、997円となる。

『本日のコース』の材料費は、約1000円までかけることが出来ることになる。
実際には、35%までは、OKなので1163円までかけられる。

『シェフのおまかせコース 7000円』は、最大限に原価をかけて40%をマックスとしているので、高級食材に手が届くようになっている。
売価が大きくなって、原価率の設定が上がれば、その材料費は自ずと大きくなる。


『本日のコース』の内容は…

前菜の盛り合わせ、パスタ、魚料理又は、肉料理、パン、デザート盛り合わせ、コーヒー又は、紅茶

大体、こんな流れになっている。
これに温野菜を別皿に盛ると全7皿

コースは、ここがポイント。
この全7皿のすべての材料費を1163円で組み立てれば良いのである。

前菜の盛り合わせにコストをかけるとする。
でも、パスタやパン、コーヒーなどには、大きくコストはかからない。
その配分を上手にやりくりして、取引先の協力をえれば実現可能となる。

だから、アウラのコースは、群を抜いてリーズナブルになる。


対して、アラカルトの原価は、平均値で30%の設定としている。
単品に対しての30%。

同じように取引先の協力をえて、材料を仕入れても…
コースのように総合で相殺する部分はないので…
パスタが1150円、パンが250円、コーヒーが400円と加算するとそれなりの金額にどうしてもなってしまう。

そして、単純に相場も影響するので相場の平均値を予測して売価を決める。
…従って、コース料理ほどの割安感がでないかわりに…好きなものを注文できる。


「この中から選んでください」
…というプリフィクスのスタイルのコースが流行っているが…

それにすると、調理時間がどうしても余計にかかり、それを解消するには人件費もかかり、余分な材料の確保と余分な仕込みも必要となる。
それ相応の回転と効率が絶対的に必要になるので、今のアウラのような店には不向きだと思っている。

結局、その『余分』という二文字は、お客様が負担することになる。
「選べて楽しいが負担も大きい」…そんな裏コンセプトはどうしても好きにはなれない…。


お客様にとって、色々と選べるのは良いことで楽しいことかもしれないが…
材料の鮮度まで選べるわけではない。

良い材料を出来るだけ安く仕入れて、効率よく早くまわす。
うちのコース料理の『半お任せスタイル』にしたほうが…
アウラでは絶対的に有利だと思うので、僕はそうしている。

そういう理由で…
僕は、コース料理をお奨めしています。










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Last updated  2023.10.15 23:36:24
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