図書館で借りた本を読みました。最後。

見る・知る・読む源氏物語 フルカラー [ 中野幸一 ]
江戸時代は「源氏物語」とつけば
庶民はこぞって手にとったらしく、
舞台を室町時代に移してそっくり真似たものも
人気を博したようです(《偐紫田舎源氏》偐にせ)。
その錦絵も多数載っていました。
光源氏は人相見をされたときに、
帝王になれる相があるが国が乱れるかもしれない。
と言われていたのもあって臣下に下りました。
また、宿曜の占いでは、子供は3人で
1人は天皇、1人は中宮、真ん中の劣った者も
太政大臣になると言われていたのですが
前回読んだ本には触れられていなくて
そんなに重視されていない記述だったかな?と
思っていたので、こちらでは触れられていて安心。
(薫は託卵、秋好中宮と玉鬘は養女なので
子供は6人とも言えますね)
玉鬘と冷泉帝について…
異母姉や光源氏が後見している秋好中宮が
すでに入内しているのもあってためらいましたが
そもそも冷泉帝は光源氏の子なので
光源氏に対し複雑な気持ちを持っていれば
彼に似た帝に淡い想いを抱くのもありえるかと。
…だから…似ているからと言って惚れるのはやめて…
(独自の解釈)
冷泉帝には息子がいたのに、なぜ
天皇にならなかったのか、
自分が不義の子だからその血脈を
継がせるわけにはいかないから? などと
いろいろと考えましたが
(源氏自体が皇子なので天皇家の血筋ではある)
在位中に生まれなかったからだそうで。
秋好中宮、弘徽殿の女御の他に4人も
妃がいても、子供ができない人はできないのは
昔から変わらないんですね…
となると不妊の原因が男性側にもある可能性に
もう少し早く気づいてもよいのでは…
図書館まで片道約3km歩くのを考えると(約40分)
じっくり読む余裕もなくて駆け足で読みました。
印象深かったのは、「源氏物語は貴族文学だから
下々のものには理解できない」と
とある立派な血筋の方に筆者が言われた話です。
それが当然と思われている場合には
その詳細の記述は省かれてしまうので
想像したりこれまでの解釈を鵜呑みにするしか
我々にはできない、ということ。
たまたま先日読みかけてやめた小説が、
VRやらネットゲームの説明がくどかったのですが
わかっている私にとっては不要な記述に思えても
そちらの世界に疎い方が読むには必要なのでしょう。
別の作品で、東欧辺りを舞台のモデルにしていて
サモワールやブリヌイなどが出てきますが
サラッと説明されているんですね。
詳細を知らなくてもなんとなく想像がつくので
読み進めることは可能ですが、気になって
Wikipediaを読み込んで新しい知識を得ています。
なかなか難しいところですね…
ちゃんと前提をわかってほしいなら
書くべきかもしれませんが、
それがくどく感じて読まれないこともある…
まず書かないことには話が始まりませんが。
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