養護学校の先生になろう 1
今から4年前、Sが3歳になったばかりの頃、やたらとうんちをさわる時期があった。紙おむつの中にして、それを教えることなく、手を入れてさわったり、部屋の壁になすりつけたり…と困り切っていた。 ある日の朝、夫婦で出勤準備をしている所にSが起きてきて、部屋の入り口に立って顔だけ出してこちらをじっと見つめていた。「Sおはよう、こっちおいで」とか言っても入ってこない。不審に思って迎えに廊下に出ると…本人はフリチンで、手とおしりが茶色い。そして寝室に入ると…床が茶色い下痢便の海! 本人の手を取ったまま、「大変だぁ」と叫び、Sを妻がシャワーに連れて行った。その間、私は寝室の床の茶色い海と格闘。ティッシュで拭いてバケツの中に入れても入れても終わらない。そのうちSが妻ともどってきて、夫婦で拭いている所をじっと観察。二人がこらえきれず泣きながら、床やその他の所についたうんちを拭いている姿を見て、自分もさめざめと泣き出した…。 そのうち何とかなるかな…と思っていたが何ともならず、「自分が何かしないといけない」と考え始める出来事となった。 ちなみにうんちいじり&なすりつけはその後ぴたりとやんだ。もしかしたら初めて「悲しみ」を共有できた日だったのかもしれない。 あっしかし、4年後の今でも、うんちはいつもおむつでしかしないし、たまーに、手にとって、においをかいだりすることがあったか…。