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カテゴリ:その他
9月6日(水) さて、ここは何処でしょうか。 空は青く澄み渡り、爽やかな風が吹いているようです。 ワイキキ最大のショッピングモール、アラモアナセンターか、 メキシコはカンクンの、ラ・イスラ ショッピングビレッジか なんてわけないでしょ。 彼方に外国では見られない大仏様が写っています。 牛久大仏です。 ここは、茨城県は阿見町のアウトレットモールですよ。 長男のパートナーとお孫二人の誕生日プレゼントを探しに、奥様と訪れました。 で、主題はここのお話ではないのですが・・・。 モールをてれてれ歩いていると、 奥様が「キャー」と叫びます。 久し振りに聞きました悲鳴ですね。 「どうしたよ」と聞いてみますと、上の看板を指さします。 よく上見て歩いていたねぇ。 何だ何だと見てみますと、おお、大きな蛾が止まっているではないですか。 このような蛾が、此方を目指して飛んできますと、 確かに誰でもビビりますよね 実際には飛んでませんけど じっとしています。 翅の端から端までゆうに10cm以上はありそうです。 でも、よ~く見ますと、なかなか美しい翅をしています。 4枚の翅全てに、丸い目玉の模様が付いています。 前翅の模様が、左右で異なります。 これは珍しいですね これはヤママユという種類の蛾ですね。 久しぶりにお会いしました。 キャンプ場の街灯の下では、たまに見かける蛾です。 ガタイが大きい、見た目が不気味(綺麗だけど)ということで、 たいへん損をしているキャラですね。 お可哀そうに・・・。 お顔もけっこう愛くるしいのですよ 触覚がレーダーのアンテナのようです。 決して強面ではありません。 毒蛾ではないかと疑う人もいるそうですが・・・。 大丈夫、毒など持っていません。 これは写真を撮っておこうと、スマホで試みますがなかなかピントが合いません。 車まで戻って、デジタルカメラを取ってきました。 この子、ひょっとしたらまだ羽化した直後でしょうか。 翅がすっきりと伸びていません。 しわしわですね。 愛くるしいお顔は良く見えません。 触覚の大きさで♂か♀か分かるのですが・・・。 ♂の触角は、♀のフェロモンをキャッチするために、大きく広がっています。 3mほど上方の看板に留まっていますので、これ以上の観察はできませんでした。 このお店の店員さんが出てきて、いろいろと話しかけてきました。 何でも、今朝の出勤時には、 既にこの看板に留まっていて、そのまま動かないそうです。 まぁ、ヤママユそのものは、 日本全国雑木林のある田舎なら、たぶんどこにでも生息している蛾で、 それほど珍しくはない()と思うのですが、 久しぶりにある記憶が甦って、ちょっと書いてみる気になりました。 第二次世界大戦前の話でありますが、 世の中にナイロンなる人工の繊維が出てくるまでは、 釣り糸と言えば天蚕糸であったそうですよ。 今でも釣り糸全体をテグスといいますが、漢字を当てると天蚕糸です。 しかし、テグスに使うのは、 ヤママユではなく、同じヤママユガ科の近縁種のクスサンの幼虫であったかもしれません。 大昔、親爺の親爺の蔵書の中に、 全国のあらゆる釣法を網羅したすごい本が有りました。 本の表題は忘れてしまいました。 天蚕糸のことは、その本の中で読んだ記憶がございます。 この本は実に面白かったですね。 幼いころの親爺も、夢中になって読んだものです。 といいましても、既に時代はナイロン糸全盛となっています。 東レの銀鱗なるブランドは懐かしい思い出です。 従って、釣糸の天蚕糸なるものを使ったことは勿論のこと、 見たり触ったりしたこともございませんですよ。 ハイ。 少し混乱しますが、天蚕糸とよばれる糸は、 ヤママユの繭からとった絹糸のことでもあります。 従って、ヤママユのことを天蚕ともよんでいます。 一般的ないわゆる絹糸(きぬいと)は、家蚕・おかいこから採れますね。 安曇野天蚕振興会の website より ヤママユは、お蚕ほど飼育が容易ではなく、 また、一つの繭から採れる糸の長さは半分程度ということで、 お蚕ほど飼われることは無かったようです。 それでも、江戸時代から明治時代後期にかけては、 長野県安曇野市穂高有明を中心に、かなり飼育されていたようです。 今でも、織物の繊維としては使用されているようですね。 しかしながら、たいへん貴重で高価です。 強い光沢があって染色されにくい特徴があるそうですよ。 第二次世界大戦後、生産は全く途絶えてしまったそうですが、 昭和50年前後から、安曇野市では復活に向けた活動を継続しています。 現在では安曇野市天蚕振興会が設立され、 昭和53年に建てられた天蚕センターを中心に、 天蚕飼育の復活及び飼育、繰糸、機織り技術を後継者へ伝承しているそうです。 バナーをクリックすると、 安曇野天蚕振興会の website が開きます この website では、ヤママユや天蚕糸のことが、いろいろと紹介されていますよ。 ヤママユ(山繭・学名 Antheraea yamamai・英: Japanese Oak Silkmoth)は、 チョウ目・ヤママユガ科に分類されています。 日本在来の代表的な野蚕で、 北海道から九州にかけて分布し、全国の落葉性雑木林に生息しています。 だからキャンプ場では、見かける機会もあるかと思います。 でも、個体数は少ないようです。 クスサンの方が身近なようですね。 繭の色は水浅葱色。 従って天蚕糸の色もきれいな水浅葱色です。 ヤママユガの仲間には、 “モスラ”のモデルになったといわれている、 世界最大級のヨナグニサンという巨大なガもいます。 アヤミハビル館の友の会の website より 石垣島や与那国島に生息していますが、 準絶滅危惧種に指定されています。 何となく翅の柄はエスニック風。 ヤママユの方が和風に見えるのは贔屓目でしょうか。 ヨナグニサンは、本当にバサバサ音をたてて飛んでいくそうですよ。 一度お目にかかりたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.11.02 18:35:22
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