2019.11.19 キリンチャレンジカップ2019 森保JAPAN サッカー 日本代表VSベネズエラ代表 4ー1
「またここに来て、いろんな選手とプレーできるように」
日本代表は11月19日、キリンチャレンジカップでベネズエラ代表と対戦。1-4と結果は惨敗だったが、この日代表デビューを飾った古橋亨梧にとっては、貴重な経験の場となった。
後半の頭からピッチに立った古橋は、試合終了の笛が鳴るまで果敢にゴールを狙った。
「ゴール前で何本かボールを引き出せた。通らなかったものもありましたけど、通ったものもありましたし、そこは良かったかなと思う」
ボールを受けられない時間帯もあったが、それでも、持ち前の鋭い抜け出しを国際舞台で示した。
48分にピッチ中央でボールを受けるとゴール前までドリブルで運び、早速チャンスを演出。さらに56分には左足のボレーシュートでゴールを狙い、88分には中島翔哉のクロスにヘディングで合わせて、決定機を作った。
ノーゴールに終わったものの、得られた手応えは小さくない。「まだまだ課題はありますけど、デビュー戦にしては、チャンスは引き出せたと思うし、流れも変えられたと思うので、ポジティブに考えていいかなと思います」と、前向きに捉えている。
神戸のチームメイトでもある山口蛍はいう。
「みんなが期待しているとおり、それだけの能力がある選手だと思う。これからも神戸でそういうプレーを見せてくれれば、ずっと代表に呼ばれる選手になれるはず。初出場でも、そんなに気負いし過ぎることなく、堂々としていたんじゃないかなと思います」
そんな“先輩”のコメントからも、好感触だったことがうかがえる。
同僚も称賛するデビュー戦を終えて、古橋が強く感じているのは、向上心だ。
「またここに来て、いろんな選手とプレーできるように、チームに帰って頑張りたいです」
このデビュー戦は、ゴールではなくスタートだ。大きな一歩を踏み出した24歳のアタッカーは、再び代表のピッチに立つために、さらなる進化へ邁進する決意だ。
MF古橋亨梧が代表初出場 意気消沈した観客沸かす
<キリンチャレンジ杯:日本1-4ベネズエラ>◇19日◇パナスタ
日本代表のMF古橋亨梧は代表初出場でゴールを脅かした。後半から出場し、豊富な運動量で相手ディフェンスを翻弄(ほんろう)。11分にはペナルティーエリア手前、正面から直接左足で狙った。
重く響く原口元気の言葉。「こんな試合をしてちゃいけない」
ホームでベネズエラに完敗。ショッキングだったからだろうか、原口元気は試合後のミックスゾーンで「ピッチで失点とかをどう感じていたか」という最初の質問に対して数秒間沈黙した。彼が募らせていたのはおそらく危機感だ。
「今までアジアの戦いでギリギリのところで防げていて(ワールドカップアジア2次予選では)無失点が続いていたけど、自分たちより能力の高い選手と対面した時にアバウトな守備をしているとやられる。今日は前半だけでそういうシーンが4回あった」
「4回あった」とはもちろん、失点シーンのすべてを指す。8分にソテルドのクロスからロンドンにヘッドで合わせられた背景には、確かに「アバウトな守備」があった。相手のレベルが上がると対応できない脆さを、この日の日本は改めて露呈した。
「あまりやられそうな感じがしないなかで前に出ていく時に横パスをかっさらわれるシーンが多すぎた。ただ、代表経験が少ない選手もいたなかで、自分たちの想像を超えていくような強さやスピードに対して後手に回ってしまった」
0-1となってからチームはパニックに陥ったような状態だった。攻撃にリズムを生み出せないまま、30分、33分、38分に失点……。原口が果敢なプレスで敵を潰そうとしても、味方がついてこない。前半の日本は明らかに連動性を欠いていた。
「(プレスについては他の選手が)ちょっと怖がっているというか。でも、ボールを取らないと始まらない。サッカーは11人が連動しないとボールを奪えないスポーツ。誰かひとりが下がったら剥がされるし、やはり全員で行くという意識を持たないとボールを取れない。それが前半はできていなかった」
実際、後半はアグレッシブな守備が増えてショートカウンターを仕掛ける場面もあった。「全員でボールを奪う」重要性を痛感したゲームでもあっただろう。ただ、もちろん満足などしていない。原口が発するのは、おおむね反省の言葉だった。そこには、ワールドカップを経験している自分のような選手が、こういう試合でこそ引っ張っていかないといけないという想いがあったからだろう。
「日本代表なんで、こんな試合をしていちゃいけない。ホームですし、申し訳ないというか、みっともない試合をしてしまった。挽回しようとしましたけど、正直、自分としては情けないと思うし、責任を感じる。下を向いている選手がいるなかで引っ張ろうとしましたけど、自分にも力が足りなくてそれもできなかった」
ベネズエラ戦のような屈辱は二度と味わいたくない。「僕を含めて全員が危機感を持たないといけない」という言葉からは、そんな気持ちが感じ取れた。
「これを良い経験にしないといけない」
原口がここからどんな決意を示すのか。ピッチでその答を出すしかない。
“燃費の悪いドリブル”になぜこだわる? 中島翔哉に捧げたい「久保建英の言葉」
この日、4-4-2システムの左サイドハーフに入った中島がセンターサークル付近で何度もドリブルを仕掛ける。その度に思ってしまう。そこで果敢に突破を試みる必要があるのか、と。
中島のドリブルが全くダメと言っているわけではない。むしろ、使い方によっては強力な武器になるだろう。ただ、センターサークル付近でベネズエラの選手たちに何度も倒されるシーンを見ると、非効率的なドリブルというふうに映った。
中島がセンターサークル付近でドリブルを仕掛けても、このレベルの相手の脅威にはなりにくい。それは今年6月にブラジルで戦ったコパ・アメリカでも感じたことだ。
中途半端な位置で仕掛けてボールを取られればカウンターを食らう可能性は高くなるし、その意味で中島のドリブルは“諸刃の剣”と言えるかもしれない。ツボにハマった時は得点につながるが、ベネズエラのようなインテンシティの高い相手とやると攻撃をスローダウンさせる原因になる。
実際、この日の前半、中島が相手に倒されるたびにプレーがストップ。そこで攻撃のリズムは止まってしまった。
相手もボールも動かす効率的なサッカーを展開したのは、ベネズエラだった。後方からビルドアップし、アタッキングサードに入ったあたりから両サイドのマチス、ソテルドがゴールに向かってドリブルで突進する。中島のドリブル以上の怖さと迫力が、彼らのそれにはあった。“燃費の悪いドリブル”は、やはり使いどころが大事なのである。
勝手ながら、中島に捧げたいのは「久保の言葉」だ。今季のJ1リーグ前半戦、FC東京に在籍していた久保は「なぜあそこでパスを出したか」というニュアンスの質問に対して、何回か「ドリブルよりもパスのほうが早いので」と答えていた。
ドリブルで一生懸命ボールを運ぶよりもパスでシンプルに崩したほうがいい局面は多い。実際、ベネズエラ戦の前半でもそういうシーンは多々あった印象だ。いずれにしても、ベネズエラの選手たちに何度も止められた事実から判断するかぎり、中島はこの日ドリブルにこだわるべきではなかった。
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