父の着物父の着物この写真を撮ったとき 洗い張りに出す前の写真を残さなかったことを 後悔した。まるで海苔の束みたい(笑 ![]() これを縫ったのは、和裁学校の1年の時、男物の袷長着と羽織を仕立てたとき。 当時まだ我が家は、経済的に大変だったはずなのに 課題に間に合うように買ってくれていた。もう20年以上前のこと。 その後お直しに返ってきて 直さないまま父が亡くなり手元に残った。 母は、亡くなった父の洋服を何故か思い切り捨てた。 その時は、母の気持ちがわからなくて驚き 晩年愛用のツイードのジャケットとコートをもらって帰った。 でも開けてみても悲しいばかりで ずっと押入れの奥にある。 母が亡くなったとき 私も母の洋服は自分に使えないから 伯母たちに着てもらった。 自分が似合うのなら使ったかもしれないけど 姉妹で洋服の貸し借りをしてた伯母たちに使ってもらえてよかった。 母は言わなかったけど「着る人のいない物を眺めていても仕方ない」と 言いたかったのだろうか、余りにサバサバと捨てるので 私は、ジャケットとコートを救ったような気持ちでいた。 でも 開けてみるわけでもなく箱の中。 捨てるに捨てられず…困ったなぁ。 私が死んだら捨ててね と書き残そう。 話は、父に着物に戻って 私は、これを自分のアンサンブルに仕立て直そうと思って洗い張りに出した。 父の物を改めて身に着けることが出来るなんてすごいと思う。とても素敵なこと。 でもやはり 解く前に写真を撮ればよかった。 |