母の帯朝、Mちゃんが帯を取りに来ました。彼女とは、二十歳過ぎで『装○きもの学院』に通っていた頃からの友達。 いつも着付けの相方でモデルを挟んで二人で着付けしました。 一緒に振袖のコンテストにも出たり(^^) 2才年上のおねえちゃんみたいな存在。 そのMちゃんが呉服屋さんの展示会のお手伝いに行くことになり 長らく着物から遠ざかっていたので私のポリのワンセットを貸すことにしました。 ところが帯が今ひとつなので秘蔵の塩瀬をあわせることに。 薄い卵色のその帯は、母が最後に買ってくれたもの。 …実は、母の保険金で払ったのです(ちょっと怪しい事情?) 入院中に家に帰りたがる母を毎日なだめすかしていた頃 真剣な顔をした母が 「今から、先生に内緒で連れて帰って!あんたに着物買ってあげるから」 とっさにどう答えたものか困って 「着物だけじゃダメよ、帯も買ってくれる?」 連れて帰れないことをどう誤魔化したか憶えていないのだけど それからまもなく昏睡になり会話もなくなりました。 母が亡くなったあと、挨拶に行った呉服屋さんでこの会話を思い出して買った帯です。 その頃は子供たちも小学生で 私も着物は着ていなかったのに 薬で朦朧としていたはずの母が必死の買収作戦で 何故「着物を買ってあげるから」と言ったのでしょう? 「帯も買って」と言い返した私も必死でした。 母を看取った自分にねぎらいのプレゼント。 地味に思っていたこの帯が今は大活躍。 残念なことに写真がありません。戻ってきたら載せますね。 その呉服屋さんは、若い頃Mちゃんと二人で店番のパートをしてたお店。 帯と母とMちゃんとお店、着物でつながる尻取りみたい。 ジャンル別一覧
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