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風 葉 箱

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2006年10月04日
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プレゼント プレゼント ノート プレゼント ノート プレゼント プレゼント

「 黄 色 い 本 」 
    高 野 文 子 著
      講談社 発行 


漫画を読むヒトなら、一度は手にしたことがあるであろう、名匠、高野文子さん
実は私、優等生っぼいあっさりした絵柄が物足りなくて、読まず嫌いだったのです。

それが今では、定期的に読み返すほどの心酔っぷり。

で、今回「黄色い本」に取り掛かる前に、
私にとっての“ハジメの一冊”からご紹介します。
実は 読み返し率は こちらの方が高かったりします。
本題については、今しばらく、お待ちくださいまし☆

コーヒーコーヒーコーヒー

それは、ふと気が向いて古本屋で求めた

 棒がいっぽん (マガジンハウス 発行)

から始まる ものがたり…ノート

一話目の「美しき町」は、昭和20年代後半頃が舞台。
新婚夫婦が工場近くの団地で暮らしている日常が、静かに描かれます。

過不足のない描線で、情景や心理がさりげなく綴られてゆくのです。
まるで小津安二郎の映画のように淡々と…。

心に沁みました。

若き日の両親を見ているようで、どこか懐かしく、
過ぎ去った時間を眺める 甘やかさと哀しさ…

どんなに良い作品でも、出会うべき時期があるようで
私にとって、高野作品を堪能できる年齢は、なんと40代!本当に、がさつな人間です~☆

鍵
第二話「病気になったトモコさん」では病床のゆるゆるとした時間の流れが。
鍵
第三話「バスで四時に」では、どきどきする「初訪問」の長い道中が。
鍵
第四話「私の知ってるあの子のこと」では、子供ゴコロのひそかな葛藤について。

…それぞれ、丁寧に 絶妙のアングルで 描いてます。

そして…!どきどきハートどきどきハートどきどきハート
鍵
五番目が、「東京コロボックル」!!!!!

これは、ホントに傑作です。
これぞ、おとなによる おとなのための おとなのおとぎばなしハート(手書き)ハート(手書き)
映画以上に、映画的。
かつ、漫画でしか醸しだせない大吟醸のあじわい きらきら日本酒

コロボックルといえば児童文学の名作、佐藤さとるのコロボックル物語」
こちらも大好き☆
また、イギリスの作家メアリー・ノートンによる床下の小人たちも、素晴しい☆
 
―――で☆

「東京コロボックル」は「床下~」のOL版といえるかもしれない
…けれど、決定的に違うのは 描き手の目線です。

「床下~」がどちらかというと小人たちを冷静に 厳しい現実に即して見ているのに対し、高野作品は 存在を慈しんでいるカンジがするのです。
多分、書き手が ずぼらなところも勤勉なところも ひっくるめて「人間」を、
また、この世界を 愛しく思っているのでしょう。

高野作品の一番の魅力は、やはりそこに凝縮される気がします。
読後、なんだか、ヒトが愛しくなるんですよ~ピンクハート

人間不信になるニュース・出版物・映像が横行している昨今、
高野ワールドは貴重な、ヒトを信じるツールになっているのかもしれません。

小人だけでなく、普通サイズの人間も、モノでさえも
山上の空気のような清々しさに包まれてるのが、高野ワールド月月月
雑然とした現実からの避暑地、なのかな。

「棒がいっぽん」の最終話は…

「奥村さんのお茄子」

星新一を思わせる洒落たSF風味のストーリーに、昭和の日めくりが風にぱらぱらとめくられて…☆

ううっ、一から十まで語りたくなるけれど、鉄の意思?で
筆を止めましょう。
???と思いながらページをめくってゆくスリリングな時間を
プレゼントしたいから…花

上質の映画を観たような、余韻の残る読後感を保障いたします。
できるだけ ゆっくりと読み進めてくださいまし。
できれば 静かな場所で たっぷりとカフェオレなど用意して☆

ケーキコーヒー音符

というわけで、本題の黄色い本については

    「アシタのココロだっ!!!」四つ葉





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Last updated  2006年10月23日 11時53分54秒
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