組織を活性化する技術/名倉広明(1)
組織を活性化する技術組織を活性化する技術はじめに □ 物事はまずやってみることが大切だ。やってみなければ、できるかどうかなんてわからない。 □ ビジネスリーダーの育成には次の3つの条件が不可欠である。 1)自分から主体的にイノベーションをリードしようとするマインドの醸成 2)ゼロからシナリオを構想できる思考技術の鍛練 3)自分のことばで語り、周りを動かすことのできる人間力 □ モチベーションは社員自身が高めていくしかない。 第1章 「いきいき」組織がイノベーションを創発する □ イノベーションとは、「既存の知識・能力の新結合のプロセスである」 □ 組織の持続的なパフォーマンスを左右する点に眼力がある。 1)世の中の流れに先行して次の一手を編み出そうとする自発的意思があるか? 2)社員が会社の理念や価値観を尊重し、仕事にロマンを感じさせる工夫があるか? 3)対立した考え方や意見を認め、本音を言い合える雰囲気はあるか? 4)変化を奨励する上司のリーダーシップは十分に発揮され支持されているか? 5)仕事を通じて社員一人ひとりが成長し、お互いが認め合う風土があるか? □ 「戦略活性度」とは、企業の業績との関連性が強い指標で、環境対応意欲や目的達成意欲といった環境対応度のことである。 □ 「組織活性度」とは、社員の自立性、組織の風通しのよさなどを規定する指標で、社員の会社や仕事に対する満足度を表している。 □ 風土戦略は4つのタイプに分けられる。 1)いきいきタイプ:イノベーティブ組織 2)金太郎アメタイプ:成果主導のトップダウン型組織 3)仲良しクラブタイプ:個人主導型のサークル組織 4)大企業病タイプ:完了志向に陥っている組織 □ いきいきタイプの4つの特徴 1)理念・規律の浸透 2)変革・創造行動が多くみられることである 3)支援による壁の突破である。 4)信頼経営に必要となるリソースの獲得である。 □ 思い切った権限移譲第2章 戦略活性度を高め、組織のベクトルを合わせる □ 戦略思考とは、論理的思考に基づく常識的な考え(ビジネスリテラシー)のことである。 □ パフォーマンスが低い組織は、戦略さえ持たず、あるいは戦略を行動レベルまで落とし込んでいないため、全体でみたとき、組織の行動にぶれが生じる。 □ 戦略思考は、個々の社員が経済合理的に考える癖や、一人ひとりがあたかも会社をマネジメントしているかのような意識を持つオーナーシップから生まれる。 □ 組織的な戦略思考の高め方 1)組織の未来予想図を作る 2)組織の未来予想図をベースに議論し、戦略マップに落とし込む 3)戦略マップをベースにPDSを回す □ 大事なことは、仮説と現実のギャップに気づくことである。 □ 価値共有の指標は、「その組織の夢、理念、行動規範がきちんと根づいてるかどうか」 □ 価値共有の実現法 1)部下が葛藤している場面を使って何が大事かを考えさせる 2)組織で行動を共有化する 3)固有の行動規範を見える化する □ ナレッジの収集→加工→利用の各プロセス □ 情報共有の引き出し方 1)情報の共有化・表出化 2)情報の連結化 3)情報の内面化 □ 神は細部に宿る □ 俊敏志向の磨き方 1)タスクフォースの結成とテーマの決定 2)ギャップを導き出し、行動計画を作る 3)行動計画への社員のコミットメントと行動のケア □ 組織が真空地帯に落ちてくる球を無視して拾おうとしなければ成長はおぼつかない。 □ 責任遂行の引き出し方 ・個々の社員の自負心を高めつつ、仕事にオーナーシップを持たせる。 □ わかりやすさ、透明性が活力を高める □ 「コミットメント」は達成すべき目標であり、未達の場合は具体的な形で責任を取る。 □ 「ターゲット」はコミットするよりさらに高い目標を指す。 □ トヨタはマネジメント職評価とスタッフ評価はまったく別のものとして運用している。 □ アクションラーニングは、日々の体験を通じて学習することの大切さを気づかせるプロセスである。