トレードオフ/ケビン・メイニー
トレードオフ―上質をとるか、手軽をとるかトレード...著者:ケヴィン・メーニ楽天ブックスで詳細を見る序文 □ 成長や目先の成功をむやみに追い求めたりはしない。風見鶏のようにころころと方針を変えるのではなく、核となる信念を執拗なまでに貫き通す。何をすべきかだけでなく、何をすべきでないかにも、最新の注意を払う。 □ 心を鬼にして上質さと手軽さのどちらかひとつに賭けようとする者は、煮え切らないものよりも大きな成果を手にする。 □ 採用候補者のリストに載せてもらうのでけではなく、それ以上の存在になるための方法を見つけ出さなければならない。 □ 1)情熱 2)資質 3)価値ある貢献第2章 取捨選択 □ 上質さという切り口で見た場合、仮想の書棚は現実の書棚に遠く及ばないのだ。 □ 手軽=入手しやすさ+安さ □ 上質さと手軽さの追及に終わりはない。 □ 愛されるか、必要とされるか。このどちらかの基準を満たさない限りビジネスは反映しない。第3章 不毛地帯と幻影 □ 手軽さが増すにつれて、つまり、入手や購入が容易になるにつれて、オーラは損なわれていく。第4章 カメラ付携帯の衝撃 □ モバイルで大切なのは上質ではなく、つながりを生む力なのです。 □ 社交面の価値を持つ商品やサービスにお金が流れる傾向は、加速していきます。 第5章 上質の頂点 □ 大切なのはカジノではなくそれ以外です。スロットマシンになびく人はいません。余暇ができたら異郷の地を訪れていつもの心はずむ豊かな経験ができる。おそらくは甘美な、あるいは楽し経験ができる-そんな思いによって人々は行動するのです。第6章 手軽の頂点 □ 手軽さで勝負するには、長い期間にわたって骨を折る覚悟をした方が良い。 第7章 奈落 □ 元々の発案者は最後まで実益をもたらさない場合もある。 □ ジョブズは商品企画やマーケティングにかけても超一流である。上質への回帰を果たしたことこそが、アップルへの最大の貢献だろう。第8章 最悪の選択 □ 上質さを強みとする事業を担う経営者は、「成長率をアップさせなくては」という焦りから。手軽になろうとする。第9章 イノベーション □ 上質と手軽を天秤にかける際に、イノベーションの役割をどう評価するか □ ビジネスの世界では以前から、「ドリルを買う人は、ドリルそのものを求めているのではなく、穴を開ける必要に迫られているのだ」という金言が伝わっている。第10章 破局 □ 「上質と手軽」の選択を見誤らないための5カ条 1)テクノロジーの進歩を見落としてはならない 2)商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽さのさじ加減で決まる。 3)上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる。 4)商品やサービスを小さく生むと、小回りが利くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい。 5)新しいテクノロジーは必ずと言ってよいほど不毛地帯で産声をあげる。 □ たとえ大失敗しても挽回は可能であるし、逆に、船出が順調だったとしてもいつまでも順風満帆とは限らないのだ。第11章 光明 □ 上質あるいは手軽のどちらか一方だけが重視され、その反対の位置がぽっかり空いている状況は、おそらく数多くの市場で見られるはずである。つまり大きなチャンスが転がっているわけだ。 第12章 あなた自身の強み □ 依存の領域で一番になれないのなら、絶対に他人に負けない自分の強みを考えて、それにふさわしい領域を切り開けばよい。 □ 上質と手軽の天秤は個人にも当てはまる。 □ 上質あるいは手軽のどちらかひとつを目指すのが、最も望ましい戦略なのである。 □ 輝かしい成功を収める人というのは、たいてい、何かの分野を極めている。 □ ほかの人々にはない自分ならではの持ち味や強みをはっきり自覚したなら、静かな絶望は消えていくはずだ。解説 □ 上質と手軽はセグメントごとに考えなくてはならない。 □ 同じモノやサービスに接しても、それを上質と感じ取る人もいれば、手軽と感じる人もいる。どちらのセグメントの人々を相手にするのか。あくまでの消費者起点で考えなければ判断を誤ります。