「プランB」の教科書/尾崎 弘之
「プランB」の教科書 [ 尾崎 弘之 ]価格:1,056円(税込、送料無料) (2023/7/27時点)楽天で購入アマゾンへ行くはじめに□ 本書で扱っている「プランB」は、既成の日本語表現から強いて探すならば、「次の手」が最も相応しい□ トップの「独断」では組織は本当の意味で動かず、現場メンバーがトップに「共感」しなければならない。第一章 すべての「プラン」はなぜうまく行かないのか□ 人類は自分の「実体験」や「目の前の」情報は理解できても、なぜ今の状態になったか、その「全体験」を捉えきれない。まさに「自分がやっている仕事の意味が分からない」状況である。□ 思い込みをするため、客観的な判断ができない□ 世の中、会議の無駄を指摘する人が多いが、会議のプロセスが「プランB」への転換を阻む高い壁になっている。第二章 あらゆる計画は修正を迫られる□ プランAが行き詰まる時1. 市場が求める「技術レベル」が変わる2. 「コスト構造」が変わる3. 「顧客ニーズ」が変わる4. 「顧客の顔ぶれ」が変わる5. 「規制」が変わる ウーバー対タクシー論争は利用者や運転手の利益と関係ないところで起こっている6. 「世間の気分」が変わる第三章 「プランB」はなぜ発動できないのか□ 独裁者は業績を他人から評価されることを嫌う□ カリスマもたくさんの失敗をしているがそのことが表に出て来ないのは隠 しているのではなくて、そういうふうに神話は作られるからである。第四章 「悪魔の代弁者」の助けを借りる□ 悪魔の代弁者が機能する2つの条件・内部のしがらみに惑わされないこと・内部情報をよく知っていること□ 自分で自分を評価するのは不可能である・組織に縛られて周囲に迎合する組織バイアス・一度インプットされた情報に縛られる認知バイアス・自分たちの常識と世間の常識との違いに気がつかない集団的保守主義・実際にはほとんど起こらない可能性を過大評価する可能性の効果・十分な検証をせず、思い出しやすい情報のみに頼って意思決定する利用可能ヒューリスティック□ 「レッドチーム」を機能させるための「六つの鉄則」1. チームを経営トップの直属にする2. 外側から客観的に評価し、内側から気遣いを持って実行すること3. 健全で大胆な猜疑心を持つこと4. 意外性の高い活動をすること5. 問題を棚ざらしにしないこと6. 頻度にこだわること第五章 アイディア集約と実行のための仕組みを作る□ プランB発動には、OIの仕組みかと通じるところがある。トップがすごいアイディアを思いついても、それが経営戦略、事業戦略、組織戦略と連動しなければ機能しないのはOIと同じ□ 「5つのハードル」を排除する1. 外部へオープンして良い情報かどうか基準が明確で無いこと ・情報をオープンにしてよいかどうかの解釈の幅が大きいと、とりあえず「何も喋らない方が安全だ」が当たり前になってしまう。2. 自社の事業ニーズをオープンにする影響が整理されていないこと3. 「ライバル企業は敵」という思い込みがあること4. オープンな人材が不足していること5. 社員のマインドセットが変わらないこと□ アイディアは自由、事業化は管理□ つねに製品改良の感度を磨かないと、例え良いパートナー企業を見つけても生き残れない第六章 AIにできない課題発見をヒトが行う□ 課題は、つねに人間が考えるしかない。□ 「スマートコントラクション」それまで人の関与が必要だった作業の自動化が進められた。□ 近くを研ぎ澄ます「四つの手法」・観察・分析・伝達・応用□ 企業がリベラルアーツを重視する目的・意思決定における自分の軸を作る・多様なものの見方をできるようにする・自分なりの実践的理論を形成する第七章 人を説得する能力が集団思考を打破する□ 説得の三原則1)エトス(信頼)2)パトス(感情)3)ロゴス(論理)□ 孔子は「本当に知っているということは、知っていることを知っていると知り、知らないことを知らないと知流ことだ」と語った□ 信頼されるリーダーの条件1)返報性 人は過去に、自分に恩恵を与えてくれた人を信頼する2)権威3)社会的証明4)一貫性5)好意 人は好意を持つ相手を信頼する傾向があり、これを「ハロー効果」と呼ぶ6)希少性 手に入れることが困難なものに対して、人は魅力を感じる□ トップのポジショニング1)明確な戦略意思を持つ2)保護と支援を保証する3)組織の外に「出島」を作る□ 相手の身になる1)相手の立場での分析を行う2)省くべきでない情報を省かない3)自分が当たり前と考えていることを再認識する□ 本物の専門家になるのは10年かかる□ 自分の専門知識は他の世界では通用しないという謙虚な姿勢を身につけるのにはそのくらいの時間がかかる。