エンベデッド・ファイナンスの衝撃: すべての企業は金融サービス企業になる/城田真琴
エンベデッド・ファイナンスの衝撃 すべての企業は金融サービス企業になる [ 城田 真琴 ]価格:1,980円(税込、送料無料) (2023/11/19時点)楽天で購入アマゾンへ行くはじめに□ 全ての企業は金融サービス企業になる□ 単に金融サービス会社を紹介したり、子会社を通じて金融サービスを提供するだけでは、エンベデッド・ファイナスとは呼ばない。□ 創業間もないフィンテック企業が以前から存在する大手金融機関に代わって顧客の信頼を得るのは一朝一夕では難しい□ 1920年代と現在の違いは何か1)自動車業界だけではなく、さまざまな業界で適用される2)オフラインだけでなく、ECやオンライン取引でも実装3)金融サービスの種類がローン(融資)だけではなく、決済や保険などに広がっている第1章 エンべデッド・ファイナンス(組み込み金融)とは何か?□ 金融以外の事業を展開する非金融企業が、既存サービスに金融サービスを組み込んで提供する□ エンべデッド・ファイナンスにおける非金融企業はイネーブラーやライセンスホルダーと協業して。面倒な規制や技術的な障壁を取り除くことで、迅速に提供できるようになる。□ エンべデッド・ファイナンスはフィンテックの第3波□ 最初の波はフィンテック企業の登場とそれによる金融機能のアンバンドル化である。□ 第2の波は、オープンAPIによる銀行とフィンテック企業との協業の実現□ 金融機関と新たな収益源を求める非金融企業の思惑が一致□ 金融機関単独では若年層のニーズを掴むことがで難しいことを示していると言えるだろう。第2章 欧米のエンべデッド・ファイナンス□ エンべデッド・ファイナンスの5領域・エンベデッド・ペイメント(決済)・エンベデッド・レンディング(貸付)・エンベデッド・インシュランス(保険)・エンベデッド・インベストメント(投資)・エンベデッド・バンキング(銀行)□ 今後も拡大していくと予想されているのが、エンベデッド・ペイメント(組み込み決済)である□ インスタグラム内でショッピングが完結する「チェックアウト」機能エンベデッド・インシュランス(保険)□ 自動車保険会社は、ドライバーの運転お仕方によって料金が変動する「運転行動連動型」のテレマティクス保険を提供している。□ 保険はマイクロソフトのオフィス製品にも組み込まれるエンベデッド・インベストメント□ 投資を目的としない買物などの行動の動線に埋め込まれたエンベデッド・バンキング(銀行)□ 従来の金融機関に代わり、非金融企業が当座預金口座や普通預金口座を提供したり、クレジットカードやデビッドカード、リワードカードなどを発行するサービスである。□ ショッピファイとゴールドマンサックスのエンベデッド・ファイナンス戦略□ ショッピファイ・ペイメント 外部サービスアカウントなしでオンライン決済を可能にする□ ショップペイ・インストールメント 分割払いサービス□ ショップファイ・キャピタル 同社の顧客である小規模事業者を対象とした事業資金の融資□ ショップファイ・バランス 銀行口座をショッピファイ上に直接開設できる□ ゴールドマン・サックスは株取引の自動化によって、2000年時点では同社のニューヨーク本社に在籍していた600人のトレーダーが、2017年にはわずか2人しか残っていないこと、そして全従業員の3分の1に当たる9000人がITエンジニアである。第3章 ビッグテックも参入□ フィンテック企業買収で国内市場に本格参入するグーグル□ 「AIスコア」などの、いわゆる「信用スコア」を用いた融資に近付いてくる。□ 「アップルカード」で参入するアップル□ アップルの真の狙いは決済エコシステムの構築□ アップルカードの発行によって、やや伸び悩んでいたApple Payの利用を促進すると同時に、デイリーキャッシュがアップル・カードに貯まるため、アップル・キャッシュの利用が拡大する。アップルかーどによる決済では、アップル製品の購入時にキャッシュバック率がアップするため、アップル製品の販促につながる。□ アマゾンは銀行にはならないが、金融ビジネスには参入する第4章 動き出した国内企業□ 「シナリオ金融」構想を掲げるZホールディングス 消費者の生活シーンで起こるさまざまな行動するをトリガーとしてクロスセル的に金融商品を提案しようとするもの□ 「循環型金融」を促進するメルペイ□ 決済サービス「メルペイ」□ 後払いサービス「メルペイスマート払い」 与信は「メルカリ」における利用実績等を元にした与信で決まる□ 資産運用サービス「ふえるお財布」 メルペイ残高を利用して資産運用ができるサービス□ 店舗を持たないネット銀行がエンべデッド・ファイナンスの主役に□ 住信SBI銀行が強力に推進するNEOBANK・JALとの協業・CCCとの協業・ヤマダホールディングスとの協業□ クロコに徹しつつも実をとる、BaaSお威力と言えるだろう□ 土管化を厭わないGMOあおぞら銀行□ 従業員の40%がエンジニア□ パートナーも参加可能なプラットフォームを指向□ BBKITサービスの特徴1)口座開設が不要2)パートナー企業も機能追加が可能□ インフォキュリオンの積極的な動き□ 2016年に自動貯金アプリをリリース□ 2018年にBaaS提供□ 日本国内ではデジタル化のノウハウがなく、なるべく基幹系システムに手を入れずにデジタル化を目指したい既存金融機関と、優れたUXを持つデジタルサービスを保有しているものの、マーケティングに多額のコストをかけられず、集客力の弱いフィンテック企業との間でウィンウィンの関係が成立□ ふくおかフィナンシャルグループ 国内の銀行としては初めてが勘定系システムにパブリッククラウド(グーグル・クラウド)を採用□ 金融機関はどう動くか1)ホワイトレーベル型 消費者からは金融機関名がほとんど見えない2)共同ブランディング型 金融機関事業会社ともに自社名を出す セブンイレブンアプリ3)フルブランディング型 金融サービスの名前が全面に出るタイプ第5章 エンべデッド・ファイナンスの将来□ スーパーアプリはスマホ時代のポータルサイトおわりに□ 圧倒的な技術力、ブランド力を背景に世界を席巻するグーグルであっても、新たな分野への参入にあたっては、既存のビジネスパートナーへの配慮から撤退を余儀なくされる☆彡 城田真琴さんの本はこちらです。クラウドの衝撃/城田真琴今さら聞けないクラウドの常識・非常識/城田真琴ビッグデータの衝撃/城田真琴パーソナルデータの衝撃/城田真琴Fin Techの衝撃/城田真琴大予測 次に来るキーテクノロジー2018-2019/城田真琴デス・バイ・アマゾン テクノロジーが変える流通の未来/城田真琴