2024/05/13(月)09:52
リストラと能力主義/森永卓郎
リストラと能力主義 (講談社現代新書)
リストラと能力主義
著者:森永卓郎
価格:714円(税込、送料込)
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第1章 日本型リストラの4つの誤り
1) 「デフレ下のリストラ」という誤り
2) リストラのスピードが速すぎる
・ 生産性上昇のテンポがリストラのスピードに追い付かない
・リストラされた労働者を吸収する側もスピードが追い付けない
3) リストラの方向性を間違っている
4)能力主義を誤解している
・アメリカ型雇用管理は、「能力主義かつ個人主義」の雇用管理
□ 「不自由と会社責任」の日本型雇用責任もまた、合理性を持っている
□ 個人優先主義などを取り入れたら、これまで日本企業の支配者として君臨し続けてきた「人事部」の存在意義がなくなってしまうからである。
第2章 日本的雇用システムの正体
□ 日本的雇用慣行の特徴は、一般に終身雇用、年功序列処遇、企業別労働組合
□ 日本型過当競争の仕掛け
1)年功序列による「小さな格差」である
2)身近なライバルの設定
3)賃金とポストと面白い仕事のセット販売
□ 知的創造社会では、一人の有能な創造者が周りのスタッフを支えなければならないのだ。
□ 単に中間管理職がコストが高いからだけではない。ネットワーク化の進展によって中間管理職への需要が構造的に減少してきたことがその背景にある。
第3章 「人事部」は何をしようとしているのか
□ 評価は市場で決まる
□ 需給関係で決まるべき労働の価格を、不完全な内部労働市場のなかで決めなければならないからである。
□ 能力主義評価はまやかしである。
□ 評価の短期化
□ 品質が付加価値に結び付かない
□ 市場原理というのはこの上なく不合理で、不透明な存在なのである。
第4章 「個人優先」の人事制度
□ 整理解雇4ヵ条
1) 人員削減がどうしても必要という客観的な理由が存在する。
2) 配置転換の実施など整理解雇を回避すべく最大限の努力を尽くしていること
3) 解雇される従業員の人選が妥当かつ公平な基準で行われていること
4)労働者や労働組合へ事前に説明し、協議が尽くされていること。
□ 共通の目的になるのが「企業理念」である。
□ 人間は、他人を支配したいという欲求と同時に、権威に支配されたいという欲求をもっている。
□ みんないろいろだけど、一人じゃ何もできませんね。だから力をあわせましょうよ
□ カリスマ的リーダーシップはいらない。
□ 日本の企業が手本にしなければならないのは、時代の荒波を乗り越えて生き続けてきた、本当のビジョナリーカンパニーの方である。
□ 権限移譲
1) 技術の短命化
2) 技術の高度化
3) 技術の成功率の低下
第5章 「自由と自己責任」の人事制度
□ 「本業特化」への経営シフト
□ 知的生産性を維持するためには、収入に比例するように自己啓発のためのコストがかかるからである。
第6章 反リストラの経営学
□ 「リストラなき経営改革」5つのポイント
1) 従業員の雇用を最優先で守ることを内外に宣言する
2) 本当の意味での能力主義型報酬体系を導入すること
3) 思い切った権限移譲を行う
4) 明確な企業理念を持つ
5) 新しい技術や分野への挑戦を促す仕組みづくり
□ 長期的には従業員を大切にする企業の方が成長性は高くなる
□ 副業はタブーではない
□ サラリーマンにいちばん必要なことは、自分が何のために生きているのか、一度しかない人生をどのように生きるのか真剣に問い直し、自分自身の判断で自分の人生を再構築、すなわちリストラすることなのではないだろうか。
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