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カテゴリ:地球科学
アマゾンへ行く 第8章 人間と自然を調和させる--森、流域、田園 森とは何か □ 森は地球の皮膚 □ 湿地帯は「自然の浄化槽」なのだ □ 地球を私たちの身体に例えれば、森は循環器系であり腎臓、肝臓の役割を果たす生命維持システムと言える。 森と水を考えるための視点 □ 疎空間においても森林と土地という「地球の表皮」は、表面が固く覆われ、本来の生態系機能を失いつつある。 □ 天然林に近い状態を実現できれば、現在の林業経営で最も負担となっている下刈りなどの保有作業費用を大幅に削減できる。 □ 今の獣害は、野生動物が「悪化した森の状態に適応した結果として、人里に新たな食料源を見出した「合理的な行動」と言える。 谷が目指す森のあり方 □ 森と里をつなぐバッファーゾーン 1「民居の一集団」=集落=定住地としての領域=ムラ 2「耕作する田畑」=耕地=生産地としての領域=ノラ 3「利用する山林原野」=採取地としての領域=ヤマ 谷の森を作る実践 □ トレイル・ウオークは以下のような多面的な効果を持つ 1 心身の健康増進 2 自然と深いつながり 3 個人の成長 4 文化的・社会的な価値 □ 立派な森もわずか100年でできる □ 森は風の谷の礎だと言える 第9章 空間構造の基礎:インフラ--道、水、ごみ 風の谷の解剖学 □ 基盤的なインフラ 1 動脈系:生命維持に必要な資源を運ぶ 2 静脈系:廃棄物を処理する 3 骨格系:空間を支え、形を作る 4 移動系:物と人の流れを作る □ 地産地消の考え方は災害時などの危険な状況下での自己修復・回復力を重視する「地産治療」と言える概念だ。 □ 自然の地形を無視して強引に引かれた土木インフラは、景観に著しいダメージを与えるだけでなく、谷の生命線とも言える水の自然な流れも破壊することになる 道:文明の歴史は轍との戦い □ つなぐ道とつながる道 □ 地形に寄り添った道づくりの持続可能性を如実に示している □ 風の谷を目指す土地では、インフラも建物もリノベを前提とし、万一作り直すときには、少なくともサンクスコスト的に発生したCO2などの環境負荷をすべて可視化し、新しい環境負荷も全員が背負う負担としてオープンに可視化するべきだ。 水:人の営みの基本 □ 生活用水の供給は単に直接消費するユーティリティの問題というより、人が健康で文化的な生活を営むための尊厳問題だ □ 世界の水資源取得の3分の2以上、水消費の9割は農業セクターが占めると推定されている。 ごみ:モノの静脈系 インフラ課題の全体構造 □ 「つくる」から「続ける」へ発想を転換することだ 第10章 人間の活動を支えるエネルギー エネルギーという命綱 □ 風の谷の構想においては、「電力中心主義」から離れ、より実際の用途と必要量に即したエネルギー理解が出発点となる。 谷におけるエネルギー需要 □ 谷におけるエネルギー問題の中心は運輸なのだ おいしいエネルギー □ 「おいしいエネルギー」の実現を左右する2つの大きな課題 1つは環境との調和 もう一つは災害時におけるレジリエンスだ 温暖化抑制の5つの方向 □ 人類のエネルギー消費量や活動が出す排熱そのものではなく、「太陽エネルギーがうまく宇宙に逃げていかなくなっている」というバランスの崩れなのだ。 □ 人間活動によるCO2排出の約10倍ものCO2が、実は土壌から放出されているという事実だ。 災害に対するエネルギー安定供給 □ 基本的な考え方は「復旧(もとに戻す)ではなく、再構築」だ。 電光迷彩棚田:エネルギーと景観の融合 □ 棚田の本来持っている「時を重ねる価値」を損なうことなく、むしろ増幅させる試みとなる 未来への希望 □ 4つのエネルギー源 ・地熱 ・潮汐力 ・超小型モジュール炉 ・風力 エネルギー課題の全体構造 □ エネルギーの地図を描く 第11章 ヘルスケア--肉体的・精神的・社会的健康 健康とは何か □ 風の谷においては、身体、心、そして社会的な健康を統合的に実現することを目指す。 ヘルスケアシステムとは何か? □ 人類の最大の敵はもう数十年以上も戦争ではなく病と不健康 ヘルスケアに関する基礎的な事実 □ 本来は高齢者医療や介護の枠組みで対応すべき認知症患者の多くが、精神病棟での長期入院という形で収容されている状況にあると言える。 □ 精神病棟が高齢者ケアを担っている事実。 疎空間のヘルスケア課題の特徴 風の谷のヘルスケアが目指すべき2つの要素 □ 仮に65歳以上の世帯の9割(91%)で1人は働くことができるようになれば、社会保険料収入は4%増加する。 □ シニア世代の就労促進は、社会保険料収入の増加を通じて、疎空間のエコノミクスに大きく貢献することが期待できる。 □ 日本国の最頻死亡年齢は除籍92歳、男性88歳であり、平均寿命より遥かに高い □ 世帯主の年齢が85歳以上でも要介護者、寝たきり者の割合は21%、8%程度に過ぎない PPK実現のための3つのヘソ □ 歯と足を守る □ 農村部の高齢者は都市部と比較して残存歯数が少ない傾向にあり、その背景に医療アクセス問題があることだ、 □ 歯の健康は全身の健康状態と密接に関連している □ 孤独は死亡率に影響を与える最も大きな因子の一つであり、その影響は喫煙や肥満よりも大きいことが示されている。 □ 口腔衛生、足腰の健康、孤独の回避 医療を超えた包括的なアプローチ:ヘルスケアは空間に宿る □ 健康文化を育める人材の育成こそが、風の谷の未来を確かなものにしていく鍵となる 第12章 谷をつくる人をつくる 教育は何のためにあるのか □ 教育はヒトを人にし、生きていく自信とエネルギーを与える行為だ。 教育が解決している3つの社会課題 1 社会の安定と持続的な発展の土台づくり 2 格差の是正と機会の平等の提供 3 イノベーションの源泉の創出 教育と学び/成長に関する基礎視点 □ 経験には大きく知識経験、人的経験、試作経験の3つがある □ 人は頭だけで理解した気になりがちだが、ナマの経験が比較にならないほど大切なのだ。 谷づくりはどのような姿を目指すべきか □ 都市型の教育が追求する「均質性」は未来に希望と人を残す視点から見ればリスクが高い。子供も大人も数がいないからこそ、それぞれの強み、こだわり、結果としての多様性を徹底的に追求してこそ風の谷と言える。 谷ビトに求められるスキル □ 教員は「教える人」から「気づきを支える人」へ □ 教育は、子供たち1人ひとりの可能性を信じ、未来に向かって共に進化し続けようとする姿勢ではないだろうか。 教育課題の全体像 □ 1人ひとりが違いを持ち寄りながら、ともに育ち合い、試し合い、未来をつくる、その学びこそが、谷の未来を形づくる土壌となる。 第13章 食と農--育てる、加工する、食べる 食とは何か? □ 風の谷の求心力の象徴がまさに食であるということだ。 農とは何か? □ 農とは、Nature(その土地固有の風土)の特性を深く理解し活かしながら、そ子に人類にとって有用な植物や動物を導入し、Nurture(耕し)を通じて育んでいく営みだ 人類の生存基盤としての食と農 □ 人類の生存にとってもっとも価値の高い文化財は主たる農作物と家畜だ。 脳と漁の生態系負荷 □ アメリカ合衆国森林局は2.5センチの表土を生成するのに500年かかると試算している。 社会システムとしての食と農 □ 疎空間での経済合理性は「広く薄く」という粗放的な土地利用と、それに適した生産形態(この場合は放牧)の組み合わせによって実現される。 □ 3つのポイントの実現 ・少ない人手による効率的な生産体制の確立 ・森や海との持続可能な共存関係の構築 ・気候変動や天災に対する強靭なレジリエンス ⭐️ こちらもどうぞ 「風の谷」という希望/安宅和人(第1部 風の谷とは何か) 「風の谷」という希望/安宅和人(第2部 解くべき4つの課題) 「風の谷」という希望/安宅和人(第3部 谷をつくる6つの領域) 「風の谷」という希望/安宅和人(第4部 実現に向けて) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2026/03/03 10:57:46 AM
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