ビジネスの未来/山口周
ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す [ 山口周 ]楽天で購入アマゾンへ行くはじめに□ ビジネスは、その歴史的使命を既に終えているのではないか?□ メッセージサマリー1.私たちの社会は、明るく開けた「高原社会」へと軟着陸しつつある2高原社会での課題は「エコノミーにヒューマニティーを回復させる」こと3実現のカギとなるのが「人間性に根ざした衝動」に基づいた労働と消費4実現のためには、教育・福祉・税制等の社会基盤のアップデートが求められる第一章 私たちはどこにいるのか?□ ここ30年で、私たちの社会は「高い満足度を感じる人を大きく増やす」ことには成功したものの「低い満足度を感じる人を大きく減らすこと」には失敗してきた□「経済」と「幸福」にもはや大きな関連性は無い□ 私たち人間は「意味」をエネルギーにして生きていますから、意味も意義も感じられない営みに携わって生きることはできません。□ 私たちが何かを測ろうとするとき、そこには必ず「図る目的」が存在します。□ そもそも「問題」とは「ありたい姿」と「現状の姿」とのギャップとして定義されるものです。□ 心は、正しい目標を描くと、偽りの目標にはけ口を受ける□ アメリカに通底する「他国が得意な競技では、決して戦わない」と言う強い選択的意図が読み取れます。□ 科学的にあり得ないことを信じることを「信仰」と言います。つまり、「成長・成長」と叫ぶ人たちというのは、これを一種の宗教と信じている。□ 社会システムやプラットフォームは「成長が当然の前提」となっている1960年代にかけて形成されたものだからです。□ 利子とは「資本の価格」なのです。遅まり利子が「ほぼゼロ」になりつつあるということは、「資本に価値がなくなった」ということを意味しているわけです・。□ 社会システムは「時間によって資本の価値が増殖する」ということを前提にして構築□ 将来のために今を手段化する□ 経済以外の何を成長させれば良いのかわからない第二章 私たちはどこに向かいのか?□ 「経済性に根ざして働く社会」から「人間性に根ざして働く社会」へと転換させる□ ソリューションは「誰にでも受け入れられる」もの□ 市場とは「利益が出る限り何でも行うが、利益が出ない限り何も行わない」□ モチベーションの源泉は「人間性に根ざした衝動」□ 北欧型のそれに近いような社会民民主主義の方向へと、大きく社会ビジョンをシフトするべき時に来ていると思います。□ ある人の支出はある人の収入である□ ケインズの指標1)ニーズには「他人に関係なく必要な絶対的ニーズ」と「他人に優越するために必要な相対的ニーズである」2)「絶対的ニーズ」は近いうちに解決するが「相対的ニーズ」には限りがない □ 人々が、本格的な意味でより豊かに。瑞々しく、それぞれの個性を発揮して生きていくためには、各人の個性に根差した衝動を解放しなければなりません。第三章 私たちは何をするのか?□ バタフライ効果とは、腸の羽ばたきのような小さな撹乱が、遠隔地におけるハリケーン効果の要因となりうる可能性がある。□ 「他者を変える」という発想イニシアチブ1:真にやりたいコトを見つけ、取り組む□ イノベーションを起こそうとしてイノベーションを起こした人はいない。□ 私たちもまた自身お衝動に突き動かされるようにして各自に携わろうということです。□ 「労働」のない社会には「余暇」もない□ 「未来のために、苦しい今を頑張る」というインストロメンタルな思考形式から、「この瞬間の充実のために今を生きる」というコンサマトリーなそれへ変換することになるでしょう。□ 自分の仕事に強い愛情を持っている□ 仕事自体が好きなのです。結果に関係なく、仕事に打ち込みます。□ 創造的な人々は、豊かな「幸福感受性」を持っており、興味や喜びを感じることに「関わろう」とする一方で、仕事に退屈を感じると「素早く荷物をまとめてその場を立ち去る」のです。□ 私たちはあまりにも長いこと「辛く苦しいことをガマンすれば、その先に良いことがあるよ」と学校や職場で洗脳されて来てしまったために、「今、この瞬間の幸福」に関する感受性を著しく摩滅させてしまっているのです。□ とにかく、なんでもやってみる□ 「浪費」や「無駄」が、人生には必要□ なぜなら「人生」は理性的に、先見的、効率的に見つけることができないからです□ キャリア形成のきっかけとなるもの・好奇心・粘り強さ・柔軟性・楽観性・リスクテークイニシアチブ2:真に応援したいモノ・コトにお金を使う□ 応援したい相手にお金を払うイニシアチブ3:ユニバーサル・ベーシック・インカムの導入□ とにかく「取り組みの絶対量」を増やしていくしかありません。□ 「宇宙から贈与を受けた」ということなのですから、受けた贈与をまた社会に贈与し返すのが礼儀補論□ ホンネでは誰も個性的な人材など望んでいないから □ 「ある局面に向き合った時、どのようにしてその問題を処理しようとするか」という思考特性・行動特性を測ることで人材を選抜すること□ 今現在の世界の悲惨さを生み出しているのは、当の自分自身であるという意識は、本書において筆者が示したすべての改革案の根っことなるもの。