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しげぞーの他人には厳しく

近くて遠い国・中国 2003/9/8

日本にとって中国とは近くて遠い国なのである 2003年9月8日(月)

 今日の晩、アルバイトが「なんで同じ漢字の人名なのに、韓国の人は現地の呼び方で、中国の場合は、音読みなんだろう?」と聞いてきた。

 アルバイト氏が疑問に思うのは肯ける。テレビなどのニュースで、韓国及び北朝鮮の人名については、金大中(キムデジュン)、盧泰愚(ノテウ)、金正日(キムジョンイル)などと呼ばれるのに対し、中国人の場合は毛沢東(モウタクトウ)、朱鎔基(シュヨウキ)、温家宝(オンカホウ)と音読みされていることは紛れもない事実だからだ。

 このあたりについては、ある程度以上の年代ならば、ご存じの方も多かろう。
 以前は朝鮮人も音読みで読まれていたのである。しかし70年代に在日朝鮮人がNHKに対して起こした裁判がきっかけで、現地式の呼び方が徐々に浸透していくことになる。
 決定的となったのは84年に全斗煥大統領が来日したときに韓国政府より要請があったことで、それ以降現地式の読みが主流となったのである。

 世界的にみれば、自国の普通の呼び方を良しとしているので、これには違和感を持つ方もおられるに違いない。
 ハングル中心の韓国においては、日本人の名前も日本式の読みを尊重しており、日本人が現地式の呼び方を採用しているのは相互尊重・相互主義といったことになるのだろうが、ではなぜ中国に対してはどうしてしないかということになる。
 これについてはひとことで済ませば、中国では韓国人、日本人のいずれに対しても、中国語の読みで通しているからということになる。であるからして、相手に対しても要求しないというわけだ。
 なお中国語の場合、日本語のかなや韓国語のハングルのような表音文字がないため、音を現すことが困難であり、同じ漢字であっても方言で大きく読み方が違うという事情もある。

 こんなことが話題となるのは同じ漢字を使う文化圏ということもあるにはあるだろう。
 出来うる限り、本国で使われている読み方に近づけようとする姿勢もわからないではない。しかし同じ漢字も使うとはいえ、所詮言語が違うのである。全く同じにするわけにはいかない。結局神経質になりすぎるのもどうかということになろう。

 こんなことを書くと、中国人はおおらかで寛容だとの印象を持つ人もいるかもしれないが、それは自分たちにとって都合が悪いこともあるからで、私の知人の中国人によると「中国人がローマ字式の発音を認識するようになったのは、ごく最近のことであり、いまだに全ての発音を漢字の発音に当てはめてしまうことが多い」のだそうだ。であるから、発音に関しては寛容にならざるをえないというわけで、呼び名など全てのことに関しておおらかであるというわけではない。
 例えばシナ問題である。石原都知事が中国のことを「シナ」と表現し、人民日報でも大きく取り上げられたことは記憶に新しい。シナという呼称については過去に色々な経緯があったことも承知している。しかしである。中国人がシナという呼称について異常なほどに反応するのは日本人に対してだけなのである。英語では中国のことをCHINAと呼ぶ。チャイナとシナは同じなのである。それにもかかわらず、英米には抗議をしたなどという話は聞いたことがない。
 このことひとつで中国人はけしからんなどと言うつもりはないが、これだけ近い国であるにもかかわらず、お互いの意志疎通が思ったように計ることが出来ない象徴的な事例だとは言える。
 過去に不幸な出来事があったことは理解している。中国にすれば日本人は許せないというところもあろう。しかしそれを言うなら、中国に対し、英国はもっとひどいことを過去にしたのではないか。
 そんなことを思うとなぜとの思いが頭をもたげることになるのも、これまた事実なのである。





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