栃木県の日光では、東照宮の春と秋の例大祭の最大の行事として、百物揃千人武者行列（ひゃくものぞろいせんにんむしゃぎょうれつ)があります。
２００５年の１０月１７日。・・・この月曜日が、秋の例大祭でした。
今年５月の武者行列は晴天に恵まれましたが、今回はあいにく小雨混じりの曇り空。昨日の流鏑馬（やぶさめ）も、同じような天候だったらしい。
はるるの家からは、クルマで３０～４０分なので・・・ちょっと、そこまでと言う感じで、わりと気軽に観られます♪



日本全国各地に、最近は「時代行列」というものが流行りみたいで、ざっと検索しただけでも１００件ほど。これを古代～奈良、平安、源平～鎌倉、南北朝～室町、戦国～江戸初期、江戸（泰平の世）、幕末～明治維新といった形で区切ると、一番多いのは戦国～江戸初期で３７を数える。つづいて江戸時代でも大名行列など泰平の世の行列風景でこちらは２６。あとは源平～鎌倉時代が１２。ほかはぐっと減って、一ケタ台に。やはり、甲冑姿が凛々しい武者行列の人気が高いようです。
けれど、その大部分は歴史も浅く、せいぜいここ数十年といった処がほとんど。




いちばん歴史の古そうな京都の時代祭でも、平安京遷都1100年を記念して明治28年（1895）に創建された平安神宮の最大の呼び物として提案され、始まった行事なので、まだ１００年ちょっと前のこと。

数百年もの古くから伝わる武者行列としては、日光東照宮で5月と10月（2005年は10/17 開催）に行われる百者揃千人武者行列が最も有名で、規模も日本で一番大きい。駿府久能山に葬られた家康の棺を日光東照宮に奉遷した際の様子を再現するもので、まさに徳川幕府の威容を示すものです。



ちょっと昔は、よく日本国中どこにでも「仮装大会」や「仮装行列」というものが流行りで、学校の運動会とか地域の祭りなどで、一般のひとたちが誰でも参加するイベントとして、よく見かけたものですが・・・最近は、とんと見なくなってしまいましたね。
仮装行列ってのは、大勢がそれぞれ思い思いの仮装を好き勝手にして練り歩く行列のこと。
企画なんかもきっちりしてなくて、個人の自由裁量の部分が多く、けっこうアバウトだった気がします。



最近ではほとんど聞かなくなってしまいましたが、かつては地域のイベントとして、あるいは学校行事の出し物として仮装行列は欠かせないものだった。
明治から戦前にかけては、鎮守の神社の大祭や社殿造営、あるいはなにかお祝いごとがあると町を挙げて仮装行列をしたところも多い。
泥臭いけれど、華やかな民衆たちの東洋的なエネルギーを実感させるような、不思議にわくわくさせるどろどろしたものがあって、好きでした。



それと入れ替わるように、よくアメリカナイズされたマーチング・バンドなどが先頭に立ったりするパレードが行なわれるようになって、ちょっとよそゆき顔の、おしゃれで清潔感あふれる明るいイベントばかりが増えて来てます。ひところ地域のまつりで仮装行列を出していたところなんかもありましたが、次第にストリートパフォーマンスなどに変わっている例が多いみたいで・・。こんな状況の中で、今も頑張ってるのが「横浜国際仮装行列」（毎年５月開催）。今年で第53回を迎え、横浜を代表するイベントの一つになっています。



そんなものたちの対極に位置するのが、世界遺産の日光で華麗な歴史絵巻を繰り広げる千人武者行列。
日光の東照宮の境内には、このための衣装や道具を収めるためだけのきらびやかな倉があり、年に２回だけ、その大きな扉が開かれます。
甲冑や武器など、実にていねいな修理・保全作業を繰り返し重ねていて、保管作業も、衣類の畳み方ひとつ間違えないように、細心の注意を払ってベテランの住民（おばちゃん）たちが、代々受け継いで担当しているそうです。



驚くべきことに、この行列で身に着けているものはすべて３００年以上前からの、本物だそうでっ！！
最近の時代行列の甲冑（よろい）などによくある、化学繊維とかプラスティックなどのまがい物は、皆無です。
そう知ってから、この千人武者行列を見学すると、時間と手間と莫大な費用と歴史の放つ重厚な輝きに、気付くかも知れませんね。笑


☆４００年のみどりに育まれた神域のすがすがしい空気。 さっきからずっと、東照宮・表参道の大鳥居直下で千人行列の到着を待っています。

午前１１時に神輿舎前を出発した総勢千人の武者行列は、表参道から御旅所までの約１ｋｍを、鎧武者・鎗持ち姿などで練り歩き、最後尾に家康公の神輿が続きます。
行列が御旅所に着くと「御旅所祭」が行われます。神輿は御旅所神殿に祀られ、拝殿には三品立(さんぼんだて)七十五膳と呼ばれる山海の幸が神職の手で供えられ、日光二荒山神社の巫女による「八乙女の舞」、日光東照宮神職による「東遊びの舞」の二つの舞が、様々な呪いや穢れをはらい、古式のまま雅やかに奉納されます。そして１３時頃、東照宮の境内に向けて行列は還ってゆく予定でしたが、不順な天候もあって少し早目に。

（はるるの、お国自慢コーナー？！でしたっ♪）

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