「自分に起こることは、自分で引き寄せている」

とよく言われますが、こういう考えのほかに、

「人生はシナリオどおり」

という考え方もあります。

「アカシック･レコード」とか「アガスティアの葉」とかに、
すべての人の人生はすでに記されていて、
人はそのとおりに動いているとか。

また、「見えない大きな力に動かされている」、
というのもあります。

はづき虹映さんの最新刊『センタリング』では、
それについて、こう説明されています。

例えば、自分が新幹線の運転手だとします。

運転手ですから、間違いなく新幹線を自分の意思で運転しています。
基本的にはダイヤに従って運転していますが、
トラブルが起きれば、自分の意思で、緊急停止をすることができます。

つまり、運転手である自分は、
新幹線の運行を「自分で決めて」います。

一方で、新幹線には総合指令室というのが存在します。

そこでは、全ての列車の運行状況が把握されて、
列車が正確に運行するよう、管理されています。

普段はただ見ているだけですが、
何らかのトラブルが発生したら、
特定の列車を、遠隔操作で緊急停止することもできます。

つまり、総合指令室で働いている人から見れば、
管理しているのはこちらで、
新幹線の運行は「決められている」ことになります。

そう考えると、
人生を自分で決めているのか、
見えない力に決められているのかというと、
「視点の違い」なだけ、ということになります。

また、他の本では、こんな例えがされていました。

アリが、せっせとパンくずを運んでいます。

アリにとっては、自分の意思で、
パンくずを運ぶことを決めているでしょう。

けれど、そこから離れて見ている人にとっては、
アリが、巣穴に向かって、シナリオどおりに進んで見えるわけです。

これも、「視点の違い」ですね。

だから、

・自分の力でせっせと進むぞ！

と思うのも、

・どうせなるようになるんだから、あくせくせずにお任せ人生

と思うのも、自分の自由なのです。

ただ、私が、

「人生は『見えない力』に翻弄されるものではなく、
　『自分の思い』でコントロールすることができる」

と強く思っているのには、理由があります。

私は「自分の人生は、『見えない力』に動かされている」と
思っていた時期がありました。

だから、「見えない力」と仲良くする方法として、

「いいことを起こすにはいいことをしないと」とか
「自分が得たかったら、まず自分が出さないと」とか

しないといけない、と思っていたのです。

何かを得るために、
「見えない力」と、いわば「取引」をしようとしていたのです。

確かに、いいことをしたら、いいことも還ってきました。

けれど、「献血」という、自分なりにいいことをしたのに、
その帰り道で、階段を踏み外して捻挫をしてしまう。

そんなようなこともしばしば起こったのです。

それで、「おかしいな…？？？」と思っていたとき、
私は、2年間、本を出すことができませんでした。

「いいことをすると、いいことがやってきます。
　だから、いいことをしましょう！」

そういうテーマだったのですが、何度書いても、書き直し。

ついには、やっと書き上げたものも、
提出したら、「発刊の無期延期」。

つまり、1年半かけて書いていた作品が、ボツになったのです。

けれど、時を同じくして、私にやってきた流れがありました。

それは、当時仲良くしていた人から、いろいろな本をいただいたのです。

『宇宙にお願い』、『宇宙に上手にお願いする法』、
『天使を味方にして幸せになる方法』、そしてヒックス夫妻の『引き寄せの法則』…。

そこに書いてあったのは

「自分が強く思ったことが引き寄せられ、
　見えない力の応援ももらえる」

ということでした。

そのとき、その少し前に、「宇宙の存在」とチャネリングできる、
という人とした会話を思い出したのです。

「宇宙の法則だと、いいことをしないと、いいことが還ってこないんですよね？」

と訊いた私に、その人は言いました。

「そう思っていたら、そうなりますね」

そのときは「ふーん？」と思っていたのですが、
その意味が分かったのです。

「いいことをしないといいことが起こらない」
という思いを、強く握りしめ過ぎていた私は、

「いいことが『ない』から、いいことをしないと」と、
心の底で、「ない」にフォーカスしていたのです。

だから、献血をしたのに、捻挫という、快適で「ない」ことを
引き寄せたのかもしれない。

一生懸命、運を良くする方法を探していたのは、
自分が今、運がよく「ない」と思っていたから。

だから、「ない」を引き寄せたのかもしれない。

そして「見えない力」は、私がそう思っているから、
それを尊重して、何かをしないと、何かを起こさないように
したのかもしれない…。

「見えない力」は、いいことをしようとしまいと関係ない。

ただ、自分が本気で「こうなりたい」と思っていることを
応援してくれるのだ、ということを、
自分にやってくる流れのなかで「感じ」たのです。

考え方の転換が起こると同時に、出版の流れもきました。

ひょんなことから別の出版社の編集さんに会うことになり、
それでできたのが『運のいい女になれる101の習慣』でした。

「いいことをしないと、いいことが起こらない」

という、「ない」ではなく、

「自分の『ある』に気づき、
　自分がいい気分になること、
　本当に心から求めていることをすれば、
　『見えない力』の応援をもらえ、運がよくなる」

そういうテーマで書いた本は、10刷、中国での出版もされた、
ベストセラーになりました。

このことから、私は

「自分の人生は自分で創れるし、
　見えない力の応援をもらって、さらに幸せになれる」

と思うようになったのです。

自分の人生が、シナリオどおりであってもなくてもいいのです。

後になって見てみたら、どんなことも

「ああ、あのときああいうことがあったから、
　こういうふうになったのだな」

と、すべてがシナリオのように思えるのでしょう。

ただ、せっかく、生を受けているのであれば、
私は、自分らしく幸せであるほうが、楽しいと思います。

私が6年前に初めて出した本・『ツキの天使がやってくる秘密のレッスン』の帯には、

「人はみな、幸せになるために生まれてきたのです！」

と書いてあるのですが、今もその気持ちは変わりません。

「どうせダメ」と思ったら、そうなる。
「できるかも」と思ったら、そうなる。

だから、自分が心からしたいこと。

それを明確にして、それに近づくことを、少しでもやること…。

それが、自分が主役のシナリオをどんどん面白くする
最大の秘訣だと思っています！


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