ほどよくがんばって生きていこう

「あずきって八方美人よね」

そんなことを言われたのは大学4年生のとき
今でこそ親友と呼べるほどの間柄になった同級生に言われた

「悪い意味じゃなくて人づきあいが上手だなって、うらやましいなって」


嬉しくはなかった
なんだか都合がいい奴と言われているような気がしたから


でも確かに空気を読んで先回りして、人の顔色をうかがうのが昔から得意だった
一人っ子で母が体弱かったこともあって祖母の居酒屋でほろよいのおじさんと世間話をする毎日だった幼稚園時代の影響で、日々が接客業のような対応でも平気な体になった気がする

別にそれがストレスではないし
その中でも自分はこうっていうのだけはぶれないようにやってきたつもりだったから


でも、社会人になって営業の仕事をやる中で
八方美人にプラスしてお客さんや上司ごとにキャラクターを変えて対応するようになってから
自分がそもそもどういう人間だったかわからなくなったことがあった


あれ、私ってどんなのが普通なんだっけと



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