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ぷらいべーと・たいむ

へその緒

 

へその緒

この人は、私の本当の母親ではないのかもしれない
私の心に疑問がよぎった

へその緒を捜した
家中捜した
タンスの引出し、鏡台の引出し

もし、なかったらどうしようと思いながら

洋服ダンスの引出しの中から、小さな箱に入ったへその緒が見つかった

あった…
あいつのへその緒と私のへその緒

みみずのようなへその緒だった
なんだか気持ち悪かった
こんなもので、繋がっていたのか

疑ったことを少し悪く思った

でも
もしも、なかったら、私はどうしていたんだろう

 


 

消せない記憶

広告の紙の裏に、一週間の予定表を作った
その横に
「30分いないにたべられなかったら、こらしめのむち」
わたしの字で大きく書かれていた…
いいえ、わたしじゃない
お母さん、そう、あなたが書かせたの

わたしがはやく食べないと
お母さんは伝道に行けないもんね
分ってるよ、分ってるけどそんなにはやく食べられないの

そんなある日の朝御飯
「はやく食べなさい。」
「はやく食べなさい!」
なかなか食べられないわたし
いきなりあなたは怒って
わたしを椅子からひきずりおろした
「親の言う事がきけない子は、エホバに逆らってるのよ。」
そういってあなたはものさしで叩いた
何度も叩いた
いまでも目に焼き付いてるよ
鬼のように恐かったあなたの顔が

お母さん あなたは覚えてないでしょう

それから数年後
はやく食べれるようになったわたし
でも、どうしても納得できなかった
どうしてあの時叩かれたんだろう
はやく食べられなかったら、エホバは怒るの?
ちっちゃい子が遅いのは当たり前のはず

そう思ってわたしはあなたに尋ねた
あなたは、怒った
「そんなことするわけないでしょ!
被害妄想もいいかげんにしなさい!」

やったほうは覚えてないのね
でもね、やられたほうは消えないの
たぶんずっと…消せないの
あの時のあなたの顔とともに…

 


 

ありがとう

あなたから届いた宅急便
私の好きなクッキーが入っていた
そう、あなたの手作りクッキー
心がじわっと熱くなった
一口食べて涙がこぼれた

ありがとう

 


 

手紙

あなたからの手紙は私を追いつめるんです。
ぎりぎりのところまで…。
ご存じでしたか?
いえ、あなたが今想った意味で追いつめられているわけではないのです。
いいんです。ハイ。
あなたからまだ便りがあるということは、ほんとはうれしかったりもするのですから。



もう消えてください。なにもかも。
 
消え去ってください。

そして、すべてを透明に。

 


 

それぞれの想い

遠い
あなたが遠い
はるかに遠い

それでも、あなたの心は伝わります。
私のことを真に想ってくれている
あなたの想いは伝わります。
私もあなたを想っています。

だから、つらい
だから、しんどい
だから人一倍疲れる

いっそ縁を斬ってくれたほうが楽なのに…

そしたら、すべてをあなたのせいにします。
なにもかもぜーんぶ、あなたのせいにして
私はすべてに答えを与えます。

でも、違うんです。
違うんです違うんです違うんです私の心がそれは違うというんです。
だから苦しくて苦しくて苦しくてもう壊れそうです。

 


 

停滞前線

あなたの暖かいことばに少しでも触れると
あなたの暖かい気持ちに少しでも触れると
わたしはほんとは弱かったということを思い出します。

弱いんです
弱いんです、とっても
折れるんです

どんなに新たな道をみつけても、
どんなに生き方を変えようが、
わたしの記憶のかけらはあのころに眠っていて
わたしだけがソコに取り残されていて
でも、時は過ぎゆき、
もう戻れなくて、それでよくて、
それでほんとうによくて、どうでもよくて、
訳の分らない哀しみのようなものに、涙ははらはら流れ落ち
それでも私は強いので
私は私の道を進みます。

私の心が痛んでいるという事実は今あなたを苦しめ
あなたの心を痛ませている原因が私であるという事実は今わたしを苦しめ、
しかし、過ぎた時はもう超えれなくて狂った歯車は噛み合うことのないままきりきりと音を立てて
・・・今日も日は過ぎてゆきました。

その後御身体の具合はどうですか? 

 


 

あなたへ

なんもいえんのんです。お母さん、あなたには。
あなたの苦労をしってるから。
あなたの想いをしってるから。
なんもいえんのんです。
ただ苦しくなるだけなんです。

ただ殴られにいくために
仕事が終わった後、兄の家に帰り
痣をつくっては、
父の弁当をつくるために翌朝こっちに帰ってくる
母の苦労をしってるから。

殴られてばかりで
話しができないからと
兄用の交換ノートをつくり、
返事の来ないそのノートに
ずっと書きこみつづけてた母の努力を思うと
なんもいえんのです。

一緒になって暴れ出すような父を抱え
母が狂わずに私といっしょに死なずに生きてこれたのは
エホバへの強い信仰があったからだとは思います。
強い信念があったから、できたんだと思います。
その教理が正しいとか間違ってるとかそんなんに関係なく。

母とは
文字通りの
痛い思いをわかちあった仲だから

この嵐が過ぎてくれるようにと
痣をさすりながら
祈りあった仲だから

間近で母の強い努力をみてきてしまったから。
もういまさらなんもいえんのです。

 


 



あなたが愛ある天使をきどるのなら、
私は悪魔のフリをしよう。

あなたが丸く私を包み込もうとするのなら
私は丸い刃となってあなたに抱かれよう。

あなたは傷つけられたと嘆くがよい。
慰めてくれる人がいるのだから。抱きしめてくれる人がいるのだから。


錆付いた刃を自分にも向けている私の姿はあなたにはみえないでしょうから。
遠くなりゆく景色の中、流れる血に身をひたして
涙はそのままに私はひとりの安らぎをえよう。

 




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