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カテゴリ:家族―血縁関係。
相方が新しい土地で働き始めた。
実家になんの連絡もしてなかったら、昨日母から電話があった。 「どうなったの?」と。 私は相方がパチ屋に再就職したという本当のことは言わず、ウソの就職先を伝えた。 わざわざ親との関係を悪くすることもない。 だからといって親のために二人の生活を、やりたい事を、犠牲にするのはバカバカしい。 それが、私と相方が出した結論。 ・・・知らない方がいいこともある。 どちらの親とも遠く離れて暮らしているんだから、どこで働いていようがそうそうわからない。 ・・・ばれたらばれたで、まあ、その時のことだ。 母は喜んでいた。 またパチ屋に就職すれば、勘当せざるを得なかったからだ。 いい就職先が見つかったことを心から喜んでいた。 相変わらず父は結婚に反対してるそうだ。 でも、私に直接いうわけではない。 いつも母を介して自分の感情を伝えてくる。 そゆセコイとこがまた嫌いになる原因だ。 話し合いにさえならない。 相方と結婚すると言ったとき、父は母を通して、「あづみには裏切られた」といってきた。 裏切った・・・ねえ。私が、父を。 ふぅーん。 ふぅーん。 ふぅーん。 ふぅーん・・・としか出てこなかった。 ・・・軽いなあ。ああ軽い。軽い。軽い。私にはピンとこない。 軽いんだ。薄いんだ。父と私の関係は。あまりにもあまりにも軽いんだ。 「あずみは親がなにを言おうとしたいようにするんだろうけど、そうやって、どうしても結婚するというなら勘当する」 と言ったそうな。 ふぅーん。 ・・・まあ、そうしたいなら私は別にそれでええけど。 こっちのハナシも聞かずに一方的にそういわれたって別に・・・。 1年に一度実家に帰ったらいいほうの私にとって、実家と縁がきれてもあまり関係ないといえば関係ないし・・・。 縁を切って困るのは、老後を迎える親の方ではなかろうか・・・。 いや、まあ、分からないでも、ない。 裏切られたと父がいう気持ちも。。。 父は私に期待し続けてきたからだ。 私は覚えてないのだが、昔、私は父にいったそうだ。 「お兄ちゃんが学校行かなかったから、私はちゃんと頑張って大学行ってちゃんと就職するね」 ・・・と。 ・・・父はその言葉をずっと覚えていた。 そして、そういうことを言ってた娘なのに、変わった、と、裏切られた、といったそうな。 父の口癖、 「あづみだけは・・・」 もちろん母も。父と望むところは違ってけど私に期待し続けてきた。 「あづみちゃんがいるから・・・」 幼い頃、私はその両方の期待に応えようとしてきた。 見かけは、模範的な「エホバの証人」の子供だったし、学校の成績も常にトップだった。 自分でいうのもなんだけど、「優等生」でやってきてた。 父の望みどおり、進学校に進み大学も受けたところすべてに合格した。 今でもそう・・・。 父が知っているのは、SMクラブで働いていた娘の姿ではない。 一部上場企業でバリバリ働いてる娘。 娘が風俗で働いていたなんて聞いても信じないだろう。 父はいつも私のことを他の人に自慢していた。 ・・・兄が小6の頃から学校へも行かず、 というか、それどころではないくらい家庭内暴力がひどかったりしたため、 そのぶん、親が私にかける期待は大きかった。 学歴にうるさい父の家系の手前、私は父のその期待に応えようと、そうしながら母の期待にも応じようと、 そんな家族背景を背負ってる時期も確かにあった。 転校生ということもあり、小学校でいじめられて、もう嫌で嫌でつらくても、何も言わずに学校に通いつづけていた。 そして母を喜ばせたくて、宗教活動もがんばってた。 ・・・こう書くと我ながらけなげな少女だのぉ。。。 でも、私にそうさせた底の部分の感情は、きっと、「あんな兄のようにだけは絶対ならない」という、 ・・・黒い黒いどず黒い塊だ。 私が少しでも親に反抗的な態度をみせると、 「おまえもお兄ちゃんといっしょか」みたいなことを言われるから。 私はあんなヤツとは違う・・・その気持ちが私を支えていた。 もちろん、純粋に親を思う気持ち、 親のために頑張ろうと思う気持ちもあった。 親の涙を間近で見て、私は親を泣かせないと誓った日もあった。 いろんな気持ちが渦巻いていて、私は一人孤独で、つらかった。 私の好きなBOOMの曲にこんな詞がある。 「僕は誉められるために人を蹴落として生きてた たどりついたのは銀河系の果て そこには誉めてくれる人なんて誰一人いなかった」 ・・・私ははやくも小学生くらいの時にそんな心境になってた。 親はそんな私のもがきや孤独を理解してはこなかった。 学校でいい成績をとり、エホバの証人としての模範的な態度を示していれば、 「この子はいい子だ、できる子だ」と、それで安心しきっていた。 そのズレは今更埋まらない。 でも、もう、それでいい。 私の心のギスギスした隙間は、 相方の存在ですっかり埋められたから。 ・・・「裏切った」といわれれば、その通りだ。 私は父の期待も母の期待もことごとく裏切ってここまできた。 でも今、私はそのことをちっとも悪いと思っていない。 親のことをもう責めないかわりに私も自分のことは責めない。 「親は子の幸せを一番に願うもの、 あづみが幸せになることが一番の親孝行だ」と母は電話口でいう。 「だったら、私は、ものすごく親孝行な子だよ。。。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 27, 2005 07:51:32 PM
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