2013/04/23(火)22:10
耳とほりけさほれほれと
今日の絵は猫でありますと書いていると、何だかわたしは猫であるといいたくなります。わたしって純真であります。自分のこころの祈りに、いえ祈りにすぐに応じる癖がありま。といって猫になれるはずがない、そうでありながらにわたしは欲も得もなくに猫になっています。
このわが猫は何ものでありましょうか、いいえ、でも猫ですから、人間が変じたのでありましても猫であります。わたしはこうして己が変身を感じることが、つまり変身を感じることが、その結果が変身なのでありましょう。今日は猫の巻でございました。感覚遊びを終ります。(猫の巻)
今日の一首
耳とほりけさほれほれとききてゐぬ二人の吾子のそれぞれの聲音(こわね)
五島美代子
昭和十五年七月刊行『新風十人』より