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カテゴリ:エネルギー精神科医ジュディス・オルロフ
最近、車の中で聴き直していたCDの中に、「おぉ!これはいい!」な一言を発見。
「私にとっての『良い人(a good person)』とは、 【自分の中にネガティブな面があることを知りつつも、 あえてポジティブな面を出そう、と選択する人】 です。 『選択する』、ですよ。 ネガティブな部分を否定するのとは違います。 自分の中の、最上の部分から人と向き合うことを『選択する』、ということです。」 (Judith Orloff, M.D., CD"Emotional Freedom Now!" GAIAM, 2009) 既にこちらで何度も紹介している、アメリカ人精神科医・ジュディス・オルロフ先生の言葉です。先生が講義するテレビの特別番組を収録したCD "Emotional Freedom Now!" の冒頭部から引用しました。 ジュディス・オルロフ博士については、過去記事でその経歴・人となりをご紹介していますので、ぜひご参照ください。 (日本語訳付きの動画、いつの間にかYouTube上に復活していました!) 「エナジーバンパイア」という言葉、去年の春以降、日本語メディアで目にする機会が増えたような気がします。 この言葉、2004年に出版されたジュディス・オルロフ先生のベストセラー・「ポジティブ・エネルギー」(原著:Positive Energy)で既に大々的に取り上げられているのですよ。 そうした背景、日本では完全にスルーされているみたいですね。残念です。誰が最初に広めたか、ぐらいきちんと取り上げて欲しいものだと思います。それが物を書く人としての礼儀ってものでしょう。 もっとも、こちらの邦訳自体が絶版・入手困難とあっては、話題にしたくてもできないのかもしれません。
(*オルロフ先生は次の著書"Emotional Freedom"からは、エモーショナル・ヴァンパイアEmotional Vampire"の表現を使われています。このブログもそれに従います。) さ、本題に戻して。 なぜ「おぉ!これはいい!」と冒頭の引用部分にピンと来たか、と言いますとですね、オンライン版CYZO(サイゾー)で今年初めに読んだ、大槻ケンヂさんの言葉と通じ合うものを見つけてしまったから、なのですよ。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ http://www.cyzo.com/2011/12/post_9249.html 2011.12.05 【第30回】小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談 大槻ケンヂさんの至言 「ネガティブを売りにすると自家中毒に陥るんです」(中編) 大槻 う~ん、そうだよな~。 でもね、結局、小明ちゃんの性格は僕も似たところがあるから よく分かるんですけど、最初に不幸を前提とするんだよね。 それによって、自分がいざ不幸な目にあったときのために、 心にセーフティをかけてるんだよね。 ──あっ、そうです! 痛いのが嫌だから、転ぶ前にまず先に受身を取ってるんですよ! 大槻 それは、ある程度効果はあるんですよ。でも、本当に困った状況でそれをやってると、 どうにもならなくなるんですよ。 ──どういうことですか? 大槻 結局、ポジティブシンキングで生きていかないと、 人間は不幸を乗り越えられないんですよ。 僕もまったくそうだったんだけど、サブカルの子にショートストーリーの四コマ漫画を描かせると分かるんです。みんなでわーいってピクニックやドライブに行きました。そしたらバーン! 事故で死にましたって漫画を描くの。 ──それしか浮かばないですよ。 大槻 でしょ? それは、深層心理が出ていて、あらかじめ不幸を想定することによって、起こるべき不幸を防御してるんだけど、それで防げることは限られてるの。 本当に、もう生きるか死ぬかみたいな、それこそ東北の震災みたいのが来たら、絶対乗り越えられない。そういう人から折れていくの。 やっぱり、ネガティブなものを自分のセールスポイントに すると、 自家中毒に陥ってミイラ取りがミイラになるんですよ。 そういうのを僕は26、7歳のノイローゼ時代に痛感してやめたんです、そういうの。 だから、小明ちゃんは、まず不幸を前提としないで、いつも幸せが前にあると思って生きていく! ――お、おお......難しそうだけど、やってみます! ちなみに、なんでノイローゼになったんですか? 大槻 ネガティブシンキング。物事をネガティブに考えることから発生する、オタクサブカル者特有の思考が悪い方向に向いちゃったから......それを逆転したの。 いいことないよ! ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ...もう、ひたすら脱帽です。 ケンヂさんの言う通りだと思います。そんじょそこいらの「心理学者」「先生」と名乗る人達よりも、断然説得力あります。しかも、わかりやすい。 ネガティブシンキングは、自家中毒に陥る。 それを変えようとしないと、いざという時に踏ん張りが利かず、心が折れる。 誰かの役に立つどころか、逆に自分が誰かのお荷物となってしまう。 それじゃダメなんだ。 辛い、厳しい時代だからこそ、力強く大地を踏みしめて、自力で歩いていかなきゃ。 そして、すれ違った誰かが助けを求めていたら、さりげなく手を差し伸べて、笑顔で助けてあげればいい。そうやって難局を乗り切った人は、きっとあなたと同じようにまた他の誰かに笑顔で手を差し伸べてあげるだろう。 ...震災後の日本社会全体へと向けたメッセージ、しかと受け取めました。 ありがとう、大槻ケンヂさん。 前回のおやじロッカー達がさまざまな嗜癖を克服した、っていう流れの延長線上で ネガティブシンキングっていうのも、アルコールやドラッグのような【嗜癖(addiction)】の一種。できれば縁を切った方が幸せなのかもしれないなー。 と、自然に思えるようになってきました。 そもそも、目の前の現実に背を向け、楽だからそっちへ流れる~、逃げる~っていうのが、嗜癖(addiction)の第一段階、ですよね? だとしたら、歪んだ幼少期や、数々の失敗体験によってすっかり凹んでしまった自尊感情ゆえに、「ネガティブ状態が初期設定」な人間は、当然の流れとして「ネガティブシンキング」の方が楽だからそっちに行く...ようになるでしょう。 これは立派な「嗜癖(addiction)」ですよね。 たとえ法に触れていないとしても、確実に自分の内側を蝕んでいきます。 正直言いまして、ネガティブ状態がデフォルト、っていう人々(私を含む)にとって、「ポジティブ」って、気持ち悪いんですよ。何かこう、ぬるっと生あったかい感じ。慣れるには相当の努力を要します。 それでも、陰(ネガティブ)は徐々に減らして、陽(ポジティブ)を増やす方がいいんです。 流れに逆らって、あえて不自然な方向へ進まないと、心の平和は実現しません。 そうした努力を怠って、自家中毒に苦しむのは、結局、自分。 不幸スパイラルへの転落を止めるのも、やはり自分なんです。 他の人にはどうすることもできません。 でも、ネガティブとは真逆のポジティブシンキングに徹すればいいのか、そうすれば全ての問題が片付くのでしょうか? 勿論、答えは「No!」ですよね。良い子の皆さん、合ってましたか。 ポジティブシンキングって、冒頭のジュディス・オルロフ先生も言っているように、「ネガティブ部分を打ち消してしまうこと」へと単純化されやすいんですよ。「ネガティブを全部消したから、後はめでたしめでたしのポジティブパラダイス。イェ~~~~イ!」 そうした一面的な発想の危うさは、既にこちらの本などで指摘されているので、もう繰り返しません。以前にも取り上げましたが、再度「いいね!」させてもらいます。 【送料無料】ポジティブ病の国、アメリカ [ バーバラ・エーレンライク ] もう小学生じゃないんだし、いい加減に「白黒付けすぎる」の、やめませんか。 白とも黒とも決められない、灰色の人間世界と折り合い付けて生きていくしかないんですから、我々は。 全部白、なんていう現実世界は無いんです。 全部黒、なんて現実世界も、また、無いんです。 黒が存在することを意識しながらも、どうしたら白の割合を広げていけるか。 そうした絶え間ない自問自答や自己との格闘を経た後に、ようやく【充足感】というごほうびがもらえるのではないでしょうか。 陰陽大極図の描き方でも見ながら、古代人の叡智に思いを馳せるとしましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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