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ピアノを弾くMaryAnn♪　- Mary Ann pianoplayer -

[日々のこと] カテゴリの記事

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『がせます』ってなんですか。

上は、さいきん、幼稚園にも慣れ、ひらがなを読むのが楽しくなってきた、娘・4歳。昨日も、ペットボトルをじーっと見ていたと思ったら、背後からいきなり、「『がせます』、ってなに～？」「・・・『がせます』？？」見に行ってみると、ペットボトルのラベルを取る際の目印として書いてある、「ここからはがせます（ここから、剥がせます）」。「ここからは、『がせます』」と読んだのだった。あほなこと言ってる間にも時は過ぎ、おとといまで雪が降っていた近所も、今日はすっかり春めいています。

Apr 19, 2010

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「のこ」部分。

けさ、小学校へ出かけていった娘の机に残されていたもの。インフルエンザに関する大切なお知らせ。「姫ごっこ」に使われていた模様。「子どもたちひめたちの健康観察を行いいのり、・・・」って。文部科学大臣、「アヌーン・ルーン」氏になってるし。朝から、娘・小２の味噌汁のシメジの傘がひとつ取れかけているだけで、「帽子とってる～」（娘・小２）「頭、とれたな。」（私）「あ、木ぃになった～」（娘・４歳）のコメントが同時に発せられ、その後、娘・４歳のくちびるからとびだした「のこ」部分(つまりは傘ですね)について、「すーさん、口からきのこ生えてんで、」と指摘するまで食事が進まないという、・・・つまりはにぎやかな秋です。

Sep 9, 2009

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さくら通り

出がけに背中に斜めに沿わせたかばんは前の部屋　空っぽにして出てきたときの相棒。知らないくだり坂、自転車のペダル離してまっすぐ加速すれば車輪の音　途切れなく　春に放り出されて、サクラの花びら散らして僕たちも　いま、すいこまれるように光に透けて。新しい生活が始まりました。（ネットもつながったし。よろしくお願いします！）新居は軽く坂になってまっすぐに続くさくら通りのすぐ近く、今はその他、足もとの小さな花々もいっぺんに開いて、春めいて晴天の続く町はぺろんと平坦で、なんだかとっつきやすく見える。そうして、なんといっても、足もとに目をやる余裕のある生活なんだなあと実感していて。久しぶりに仕事を離れて、拭き掃除なんかしてみたり、ゆっくりごはんを作ったり、吟味しながら買い物をしたり、その帰りに、通ったことの無い道をわざわざ選んで歩いてみたり、昼下がりにおやつとお茶を用意したり、暇だと言ってピアノを弾いたり、子どもたちと公園に出かけたり、フローリングの床に落ちる陽光の移動するのを寝転んで観察したり、そういうことすらせずにぼーっとしたり、ていねいに、暮らす。今のところ、それはそれで充実しているなあと。自分の気質上、すぐに飽きてしまうかなあとは思うのだけど・・・。

Apr 9, 2009

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残念なことに

さいきん、夜がすっかりつめたくなってしまった。外に出るのに薄手の上着いちまい引っ掛けなければならず、もはや何事かに「浮かれ出る」という感じではない。飲みに出ようと弛緩した気持ちで夜のドアを開けると、細い玄関から見下ろす夜景、ためらいがちにこぼした街の灯を縫うようにして、首すじに夜風が駆けのぼってくる。くん、と冷えた液体を透明なグラスに注ぐような、一瞬の緊張感。これも悪くないのだけれども。２歳３ヶ月になり、うるさいぐらいしゃべりだした、下の娘の話。とにかく、姉の言うこと、何でもかんでも自分バージョンにして自信たっぷりにくり返す。でも、いいとこ８５パーセントぐらいしか真似が出来ないから、何を言っているのか分からない。　姉：「あのさー、今日さー、保育園でさー、おだんごつくってんで。」　妹：「あのさー、あのさー、あのさー、すずちゃんもさー、きょうさー、ほいくえんでさー、　　　・・・ほいくえんいってん！」　姉：「しらたまこに、せんせいが魔法のみずを入れて、みんなでこねて、まるめて、それで・・・」　妹：「しらたまごに、せんせいがいれて、にんじんしゃん、ごぼ～うしゃん、し～たけしゃん、　　　す～じのはいったく～～きっ！（途中からお弁当を作る歌。）」たまに虫の居所が悪いと、周りの言うことすべてを言下に否定する。エレベーターでいっしょになったご近所さんに、「何歳なの？」と聞かれて、　妹：「（むっつりと）　なんさいちゃうで～！」　姉：「（あくまでもかわいらしく）　６歳です。」　妹：「（激昂して）　ちゃうで～！　ねえちゃん６さいちゃうで～！　すずちゃんが２さいなのっ！！」そんな娘・２歳の口癖がさいきん、はっきりと自分に似てきているのは気持ちの悪いものである。その口癖というのが、「いちおう」と、「ま、いっかー。」やや小心な私はよく、「いちおうこれはやっとこう、」的行動パターンを踏む。それが娘・２歳にもきちんと継承され、「さあ娘たち、買い物に行こう、」と声をかけると、「そのまえに、そのまえに、いちおう、といれいっとこか、いちおう。」「・・・ああ、・・・行っとこうかな。・・・お姉ちゃんもいちおう行っとく？」その小心な私が突発的に大雑把な私との内的葛藤を抱えていると、横からどたどたと駆けよってきた、まんまるな顔がこちらをのぞきこみ、「ま、いっか～！」そう言われてしまうと不思議と、まあ、いいかなあという気分になるので、まあ、いいのかもしれないが。

Oct 13, 2007

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あてにするなら

青空の下、スタートラインを前にして神経質に何度も靴の紐結び直してた自分は基本的に何も変わってないと思うけどでも吹き払われたように視界が晴れた瞬間に出会ってから、まあいいかってなったんだよね、・・・たぶん少しは。今５歳の娘が運動会で自分の出番の前に「きんちょうするねんけど、どうしたらいい？」と聞くので、「えーと、まずてのひらに人ってかくのな。ひ、と。・・・で、これをのみこみます。・・・どう？」「うん。だいじょうぶになった。」・・・素晴らしい効果だ。ほんとうは、もっと緊張しない方法があるのだけど、それはまだ教えられない。私は神だのみする子どもだった。たとえばかけっこの前。ピアノの発表会の前。嘘をつく前ですら、「かみさま、ほとけさま　　　　」で始まって、死んだおじいちゃんや親戚の伯母ちゃんまで呼び出して、お願いしたものだ。「どうぞまもってください。うまくいきますように。」中１の春の陸上競技大会まで、そうだった。「出番の前の儀式」がはっきりと変わったのは、同じ中１の夏休み、新人戦の２００メートルのスタート前だった。いつものように「神様、仏様　　　　」をやろうとした私は、「いや、今頼りにするべきものはそういうのではないな、」と急に感じたのだった。神様仏様はよく分からないけど皆のものだろうし、死んだ親戚も皆にいるだろう。でも、春から今までの練習量なら私は、ここにいるほかの１年生にはたぶん負けないぞ。自分がどれだけ練習してきたか、その積み重ねがこれからは自分を守るのだと、「自分があてにするもの」の質量をなんだか、くっきりと心に描いた瞬間だった。「いつから大人になりましたか。」と誰かにまじめに問われたら、私はよく考えた後にたぶん、あの瞬間だと答えるのではないだろうか。だけど練習できないものや、確信犯的にぶっつけ本番を迎えてしまったものには今でも対処の仕様がなく、「神様、仏様」のかわりにせめて、手のひらに「人」とか書いてそわそわしている。・・・結局たいして変わってないのかな。ところで５歳の娘は「手のひらに人」の魔法でずいぶん頑張った。なわとびも玉入れもダンスもかけっこも、まさに一生懸命という感じで、おっとりものの彼女にしては上出来の動きだった。ほんとうに、心から。彼女がおまじないを止めるのは、いつだろう。

Sep 26, 2007

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町工場

　生活。　よい仕事をしたあとで　一杯のお茶をすする　お茶のあぶくに　きれいな私の顔が　いくつもいくつも　うつっているのさ　どうにか、なる。　　　　　　　　　　　　太宰治　｢葉｣家の近所に、町工場がある。「工場」ではなくて「町工場」だ。もっとも、「こうじょう」と「まちこうば」の違いがどこにあるのか、そもそも違いなんてあるのか、実際のところは良く分からない。でも、たしかに町工場、なのだ、私にとっては。まあ、町工場だろうが工場だろうがそれは職場なのだから、あまり早い時間や遅い時間に前を通っても人はいない。しんとしている。だから夏まで、あまりはっきりと様子を覗き込んだことが無かったのだが、最近、やや早めに家に着くことが増えてその前を通ると、線路のわき、いつも通る道の横がずうっと、音と振動と匂いに満ちた作業場になっていて、入り口、というか前面が広く開いているので、道をぶらぶら歩きながら工場内を端から端まで見渡せる。作業場は二つに分かれていて、右半分は金属のパイプをつくるところ。様々な太さの、銀色にすらりと光るパイプが同じ長さにそろえられて、種類ごとに積まれてゆく。左半分は木箱を作るところ。それなりに力のある大人が抱え上げられるかどうか、というような大きさの箱だ。工場とか、仕入れとか、よく分からないけれどそういうところで使われているのだろう。ふだん目にすることの無いものを、しかもその製造過程を見るというわくわく感に魅せられて、何だか毎日ふらふらと前を通っては覗きこんでしまう。たまに中にいるおじさんと目があうと、「皆さん働いていらっしゃるのに、なんだかのんきに前を通っちゃって、すみませんねえ、」と、すこし卑屈になって通り抜ける。休憩時間らしき時に前を通ることもある。ふだん所在無さそうにしている古い木箱に座った、おじさんの煙草から細くたなびく煙。そうしていちばん気に入っているのは夕方、オレンジに染まる直前の空気の中、「町工場」は、さしてうるさくもない、でも無音では決してない、適度な存在感を醸しだして、積まれたものたちの影を建物の奥まで伸ばして、終業時間を待っている。

Aug 23, 2007

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「我々は宇宙人だ」

・・・これはつまり、おれがばかでその上ジャズが好きだからだ。ばかの横好きといって、こういうのは始末におえない。もっともまだ悪いのがいて、それは使命感に燃えたばかというのである。こういう人は、たいてい寄り目をしているからすぐ分かる。おれはあまり近寄らない。・・・(中略)・・・ジャズ以外におれがおもしろいと思うものはありっこない、などというつもりはない、ということもいいたい。そういってしまうと、おれの目が寄り目になってしまうからだ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　山下洋輔　「ピアニストを笑え！」この４月から保育所に通っている２歳になりたての娘、さいきん言葉が良くなってきている。すこし前まで、「○○してええか～」と言っていたのが、「○○してもいいですかー。」「ちゃうちゃう、」だったのが、「ちがうでしょ。○○でしょ。」「あかん、あかんで～」だったのが、「そんなことしたらあかんでしょう。」（これは特に大人っぽい言い方をする。しょっちゅう先生に言われているのではないか。）懇談で先生に話してみたら、「特に言い直しをさせたりしているわけではありませんよ。」とのこと。要はまわりでしゃべっている人間の品格の差というやつ。でも、だいたい言葉が正しくなってきた今が実は、言い間違いの面白い時期だったりもする。風呂あがり、首の回っている扇風機に顔を近づけてちょこちょこ横移動しながら、「か・れ・か・れ・わ～・う・ちゅ・う・じ・ん・だ～。」などとやっている姿を見ると、子どもってええわあ、と思ってしまう。迷わず「かれかれ」という名の集団に加えてもらいたくなる。先日も、お気に入りのかえるのポシェットや、私のものをいつの間にやら横取りしてしまっているビーズの小さなかばんや、いつのものやら分からない買い物袋など、（あいかわらず）袋ものを首から提げられるだけ提げた彼女が「いこか～」と声をかけてきたのを合図に買い物に出ようとすると、「お～べ～かは？」「え。（なに、「お～べ～か」、って。つっこむところやったかな。）」「お～べ～か、のっていこか～？」「・・・。（・・・名詞？）」彼女のドア越しの熱い視線の先にちんまりとたたんで置かれていたのは、屋根つきの涼しいベビーカー。・・・分かるわけないやん。「ちゃうちゃう、（いや、この言い方はあかん、こういうところに品格が出るのだ、）ちがうでしょ、ベビーカーでしょ。べ・ビ・イ・カ・ア。」言いながらたいして真剣に覚えなおさせようとは思っていない。困ったもんだ。

Aug 8, 2007

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昼間の電車に投げだされてみれば

昼間の電車に投げだされてみれば足もとにかさなり揺れる、手持ち無沙汰なつり革たちの影ひらべったい窓のそと、なんだかのんびり突っ立ってる駅名の看板（ひらがな）思うさまきらきらしながら止まっている午後さんざめく静寂ねえ、けっきょく、まぶしさに途方にくれているのはわたしではなくて、世界だったりして。これぞ夏空、という感じのどこまでもつきぬけた青のした、午後からは研修で職場を離れた。採用されて１０年という、なかなか大きな節目を、育児休業ですっ飛ばしてしまったため、２年も遅れて参加しなければならない研修が、この夏まだまだ続く予定である。でも研修って、けっこう好きだ。勉強になるから、とかいうことではなくて、（いや、えーとつまり、「それだけではなくて」、か。）平日の昼間、電車に乗ったりして職場を離れるのが単純にうれしいのだ。そのために持ち出す書類を入れるべく、かばんも新調したのだし。（イルビゾンテのこのタイプ、ただしこげ茶で。）ま、それでふと心に余裕が生まれたりして、その余裕が新しい発想を生んだりして、それがなんかの役には立ったりして、・・・くれるかな。

Jul 23, 2007

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大人らしく

若いうちは若者らしく、年をとったら年寄りらしくせよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ペルシャ逸話集」なんて言葉に、夜中にはふと、そうかもしれないなどとつぶやきながら、今日は我が家に幼なじみの姉妹とそのおばちゃんと子ども、うちの母なんかも集まって、いわゆる大騒ぎ。ほんと、一貫性がないのだ。姉が私と同い年、妹が１つ年下の姉妹とは、何せ赤ん坊の頃からの付き合いであり、幼少より同じ先生にピアノを習い、中学校では同じクラブに入り、引っ越した後も結婚式にお互い顔を出しあい、みたいな、すじがね入りの「気の置けない友人」なのだ。しばらく会っていなくたってあっという間に戻ってくる、ただただ遊び呆けていた頃の感じ。大人らしくも何も、あったものではない。いっしょにやった遊びはそれこそ無数にあるが、近所の竹やぶに秘密基地を作ったことや（春には基地内にたけのこが生えてきて無断で「収穫」ができた）、補修か何かのために、住んでいた団地の外側にぐるりと組まれた足場を登って５階建ての屋上まで行って遊んだことなんか、鮮明に覚えている。「あのとき屋上で肩車してくれてさ、端っこのところに行って『おっとっと、』とかやるねんで、ほんまに怖かったわ、」と私が言えば、「そんなこと、あったっけ？・・・自転車の後ろに乗したげてて、途中で落っことしてそのまま気づかんと帰ってしまったのは覚えてるけど・・・。」「・・・それは私も覚えてる。ごみ置き場の段のとこ。後から、すっごい笑いながら迎えに来たやろ。」どうやら何やかんやと友達に世話を焼いてもらい、そのくせサービスが完璧でないなどと文句を言うのが私の役どころであったようだ。今は・・・そんなこと、ないよねえ。大人らしく、大人らしく。

Feb 20, 2007

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１歳６ヶ月健診

逃げて、逃げて自分の未来を勝手に決める約束事や「大切な」話し合いから逃げて、逃げて徹底的に逃げてそれでも、最終的に出てくる答えからは絶対に逃げないと言うのならそれはそれでアリだと思う。下の娘の１歳６ヶ月健診のため、近くの保健福祉センターなる建物に自転車で向かう。赤ちゃんの頃はかなり頻繁にあった健診が、すこし大きくなってくるとなかなかないので、ちゃんと大きさを測ってもらったりするのは楽しみだ。ただし本人にとっては、まったく楽しみではない行事であるようで、家を出るときにはいつものようにお気に入りのかばんなど用意して「いくー、いくー。」とニコニコ玄関に立ち、自転車を降りると、「なんななー、なんななー♪（らんららん、らんららんの意）」と足取りも軽くついて来ていたのが、この手の建物の前に来ると、「・・・なにこのかんじ？」と疑いの目を向けてくる。何かこう、病院っぽいのが嫌なようだ。最近は病院へ行くたび予防接種だから、無理もないと言えるのだが。「ほら、おともだち、いっぱいいるよー。」と笑ってみるが、「・・・だっこー・・・。」完全に意気消沈している。大事なメロンパンナちゃんのバッグを興味深々でつつきに来る同年代の子どもたちもうっとうしくて仕方ないという様子。「あ、ほん、あるねー。」と声をかけ、「ほん、たいー♪」と、すこし表情がゆるみかけたところへ、カーテンの陰から子どもの泣き声。「いたいいたい、ないよー。」「こんにちはするだけよー。」などと、娘・５歳と共に必死で取り繕うが、がっしりとしがみついた娘はいつ泣いてやろうかと準備万端整えた感すらある。そしていよいよカーテンの向こう、歯医者さんの顔を見たとたん。「・・・・・・・・・・・。」先生の足に仰向けに頭を乗せて、口を大きく開け、診察の終わる直前までものすごい形相で無言をつらぬく娘。先生：「・・・この子、息吐いてない・・・。」娘：「・・・・・ぅぎゃあぁぁぁーーーーー！！！」思い切り泣き声をあげる前段階で息をすうのが、尋常じゃないほど長いのだ。経験上、怒りが大きければ大きいほど、息を吸う時間は長くなり、その後の叫び声は大きくなる。小児科の検診などもあったけど、こんなに大きな声で泣くのだから、うちの７８センチ・およそ１０キロのかたまりは、健康に決まってるよ、まったく。

Feb 16, 2007

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まどふき

いつの間にかうすく曇ってた窓をぴかぴかにしてしかくい枠の中何もない空がまっさらになって光る水色に透けて洗濯したての今日が始まる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　来週うちに幼なじみが来ることになっていて、なんとなく掃除に気合が入る今日この頃だ。きれい好きというほどでもないけど、見えるところはきれいにしておきたいという性格なので、もともとそんなに雑然とした家でもないが、人が来てくれるとなると、「磨きたい病」にとりつかれてしまう。なんかこう、「本来光っているべき、あるいは光っていてほしいところ、」すなわち、窓や鏡や食器棚なんかの銀色の部分、はては家具の表面、洗面台などにおよぶ家じゅうのつるつる部分をきゅききゅき磨くことになる。これが楽しい。窓なんかいくら磨いても、娘・１歳がべちょーっと鼻や手をくっつければそれまでなのだが、それでも力をこめて拭いた一瞬あと、すっと陽が射しこんだりすると、いつもよりきれいな空が、ここから始まってどこまでもひらけているという気分になる。ふつうの町の、ふつうの部屋の、ふつうの窓から。

Feb 15, 2007

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「おこってるんだぞ！」

そうしてこれはあふれんばかりのあふれんばかりの気持ちきっと鍵盤を拳でたたくか　泣くことでしか表現できないだから、黙った。さいきん、娘・１歳が新しい技を覚えた。ほっぺたを思い切り膨らませて、くちびるをふるわせて「ぶー。」おこってるんだぞ！、の顔。もともとは姉・５歳の影響である。４つ違いの妹が生まれるまで、皆からちやほやされ、お姫さま状態で育った彼女にとって、「かみのけひっぱるしー。」「うえにのっかってくるしー。」「おもちゃをかってにつかうしー。」「ぴあののれんしゅうをしてたらかんけいないおとばんばんひくしー。」という妹の行動は信じられないものであり、ほっぺたを膨らませて怒ることも増えた。そうして近頃はこうである。子ども部屋からなにやら騒ぐ声、訴えてくるのは姉のほうである。娘・５歳：「おかあちゃん、すずちゃんがまた、えほんやぶったー。」私：「こらっ、すずね！これ、やぶったらあかんでしょう！び・り・び・り・は、だ・め！！」娘・５歳「もうっ、すずちゃんのあほ！もうぜったい、ぜったい、ほんかしてあげへんから。」娘・１歳：（二人を交互に見て、思いっきりほっぺたをふくらませつつ）「ぶー！！」・・・間違ってる・・・。間違ってるよ、娘・１歳。っていうか、それじゃあ、誰が誰を怒ってるのか分からないではないか。それにあれだ、こっちが本気でむっとしたとき、カーテンの陰に隠れるのもやめなさい。見えてるんだから。勢い良くめくって引っ張りだすと、「ばあっ！」って満面の笑み。だから・・・違うんだってば。

Jan 18, 2007

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うちゅうの図鑑

こんなとこまで雪がちらついた陽が落ちるまでなにを見ようか磨かれたように澄んだ空気ごし娘・１歳は最近本が好きだ。とはいっても、ふつうの絵本ではなく、ボタンを押すと歌が流れるようなタイプである。本と言うよりおもちゃに近い。５歳の「ねーちゃ（ん）」が小さい頃使っていたものだから、電池がないのか音がぐにゃぐにゃして聴いていられないので、新しいのを買いに行く。童謡のたくさん鳴る、なかなか良いものを見つけてしげしげと眺めていると、横から娘・５歳が「これほしいー。」見ると童謡絵本の下のほうに音の出る紙鍵盤がついたようなもの。鍵盤は色とりどりに塗ってあって、歌の楽譜の音符のところにもその色が塗ってあるから、あまり苦労せず童謡が弾けるというものらしい。でも鳴らしてみると、きちんと音が合っていない。Cを弾くとC#の音が出るって、何でわざわざこんなものを作るのだろう。気を悪くして「これはだめ。でも、ほかのほんならこうたげる(買ってあげる）。」それから娘・５歳は真剣なまなざしで児童書コーナーをうろうろしていたが、やがて図鑑コーナーの前できゅっと立ち止まり、「う・ちゅ・う。これにする！！」ええっ、こんなに難しそうな、っていうか高そうなものを、とびっくりするが、『本と音楽関係のものはよっぽどのことがない限り買ってあげよう』と心に決めている母親としては、しかも先ほどがそのよっぽどの場合だっただけに、「・・・・・よっしゃ。」異常に重い本を下げてよたよたと家へ向かう。帰ってこれを開いてみるとなかなかにカラフルで、見ていて楽しい。説明を端から端まで読むのは大変そうだが、図を見て、説明をところどころ読んで、「へえー、むかしのひとは、うちゅうをこんなんやとおもってたんやって。こんなでっかいかめがおって、そのうえがぞうやろ、まわりにへびがおんねんて、これ、へびがぞうのとこにおったらたいへんやわ！」などと説明してくれる。宇宙の歴史、というところなんか、興味深くてじっと覗き込んでしまう。それによると、宇宙ができたのが一年前の１月１日の午前０時、現在がそれからちょうど一年経った、１月１日の同時刻だとすると、陽子や中性子のようなものが生まれ、原子ができ、星が生まれ・・・人類が誕生したのは、１２月３１日午後１１時５２分ごろだという。つまりは、８分前。何と短い期間で、人間てのはこんなに、偉そうになってしまったのだろう。宇宙にちょっとした変化があれば、一瞬にして消えてしまうような小さな生命が、我が物顔で宇宙の端っこを闊歩している。喧嘩したり、悩んだり、喜んだりして、騒ぐだけ騒いだら、きっと、結構な速さで消えていく私たちなのだろう。だからって反省したり焦ったりするような自分ではもちろんなく、今日もせいぜい家の中を音楽で満たし、宇宙の大きさからすればごくごく微量のビールを飲み、娘の宇宙論に耳を貸す。

Dec 29, 2006

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お久しぶりです。

昼間の青が冷めて風がほどけたら弱い光にまぎれるように早足でいくのだ強い風に心煽られてふきとばされた先は、８０箱を超えるのダンボールはたったの２日そこそこで片付いたというのに、ネットへの接続が遅れ、以下、今頃、引越し先の様子などお伝えします。ちなみにネット接続の遅延は夫の責任であり私にはどうすることもできません。本当に何にも分からないので・・・。なんて、何か出来ることもあるだろ、とも思ったのですが、「何事をも為さざるは罪を為しつつあるなり。」などとお気に入りの太宰治の言葉をうそぶきつつ、結局は、その、・・・罪を為していたわけです。子ども２人とずっといっしょだと、やっぱり更新等はゆっくりになりそうですが、これからもどうぞよろしくお願いします。皆様のところにもまた、ゆっくり伺わせてくださいね。引越し荷物はとっくにほどき、新しく揃えた家具も後はソファーを待つばかりと、かなり家らしくなってきた新しい居場所は、なんだか過疎気味の建物のなかにあり、同じ階で人が住んでいるのは１０軒中３軒、下の階にもお隣にも住人がいないがそのぶんピアノが心おきなく弾ける。自宅で遠慮なく音を出すというのはほんとうに久しぶりのことで、板張りの家中に思い切りの良い音が響くのは、なかなか心地よいものだ。娘・５歳も音楽教室に通ったりし始め、気軽にさわっている。また、角部屋と言うのだろうか、あちこちに窓があり、窓を開けると抜けた景色の遠いところから、日によって、また時間帯によって、六甲おろし、潮風のたぐいが遮るものなく吹いてくる。あっけにとられるような風の強さだ。なんせ秋を透かして次の景色が見えようかという11月半ばまで、ほとんど夏の速さで洗濯物がかわいたのだ。家からいちばん近いバーはつまみの種類は少ないがパールオニオンがちゃんと置いてあって、マティーニじゃなくてギブソンが飲める。「ギブソンにはこれが合うんですよ、」と言ってマスターが出してくれた、店にひとつしかないというすこし細長いショートグラスは役目を果たす前に割れてしまったけど、通ってるうちに復活するだろうか。ぶらぶら歩いて帰る大通りはいつまでも明るく、開放感があって心地よい。どこまでも歩けそうな感じなのだからバーなんてすぐそこなのだ。チビどもはとなりのマンションにいつの間にやら友達がたくさんできて、娘・５歳は友達に借りて乗れるようになったため自転車（ピンクのやつ）を購入して乗りまわし、娘・１歳は靴をはいてその辺を歩きまわるようになってしまった。危なっかしいが、喜ばしいことなのだろう。あたらしい土地、あたらしい生活。どんなものだろうか、なんて思っていたけれど住めば都ってやつで、今はこれで良い。たぶんだけど、すべて。単純な価値観で生きていると便利だ、などと、思っているところ。

Dec 5, 2006

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引越しのご報告

生きるとは　　　　毎日を、何とかやり過ごすこと。でもそのなかで、輝くものに出会わないとも限らない。４月から職場復帰するのに、母の助力がちょっとほしいなあ、ということと、娘が小学校に入ったら、下校が早いときには娘が私の実家へ歩いていける距離に家があるといいなあということで、１５日に引越しを敢行します。そうしてもうすぐ、兵庫県民になります。たったひとつの気がかりは、娘・４歳が保育所の友達と別れなければならないこと。運動会が終わって一週間過ぎて、明日が最後の登園日。はじめてのさよなら。私も、「もうガスレンジも粗大ごみで出さないといけないから、あれだな、今日がここのキッチンで作る最後の料理だ、ではここで覚えた料理を作ろう、」と考えて、「あ、でも、料理し始めたのは結婚してからだから、全部ここで覚えた料理なんだ・・・。」などと感慨にひたったりしています。明日は保育所で仲良くなったお母さんたちが、保育所の後、カラオケに呼んでくれています。何歌お。ボニーピンク歌おうかな。わくわく。娘・5歳もドラえもんのうたなど歌いたがると思われ。ところで引越しの荷物の整理やら、パソコンの接続が切れたりやらなんやらで、またしばらく、ここを留守にするかと思います。携帯からの更新のテストを何度も試みたんですがうまくいったためしがないし・・・。（何故だろう。）でも、生活のリズムが安定してきたら（娘二人に邪魔されながら）またぼちぼち始めるつもりですのでどうぞよろしく。文章とか短くなったりしそうです、それもご愛嬌ってことになるといいのですが。

Oct 12, 2006

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音速

きっとものすごい速さで、言葉と同じくらいの速さで、君の世界は広がっているんだろうなあ。娘・１歳がついに大阪弁デビュー。とはいっても、「あ、わんわんやー。」の、「やー」部分の感じだけなんだけど。あまりしゃべらず動き回ってばかりいる彼女も、少しずつ語彙が増えてきたのでおもしろくなってよく聞いていると、妙に自分っぽくてちょっと嫌になる。まずいなあと思ったときの、「あれ？」。たとえば物を落とす。「あれ？」っと言って下をのぞく。その言い方。しぐさ。「あ、わんわんやー、わんわんいたねー。」・・・その言いまわし。娘に教えるときの私、そのもの。風呂に入れるので裸にすると、おなかをたたいて「ぽぉんぽっこ、ぽぉん。」・・・ごめんなさい、教えた私が悪かった。動物はみな「わんわん」、「かーちゃん」以外の人はみな「じぃ」（私の父に教え込まれた）、絵本をめくるときは１ページずつ「ばあっ！」（いないいないばあの本が好きで）、っていう『一語でごり押し攻撃』で生活しているにもかかわらず、口調、口癖的なものが私そのままなんて、なんだか、外に出すのが少し恥ずかしい感じがする。ところで、いすを足がかりにすごい速さで食卓まで登ってパソコンのスクリーンの陰から何度も「ばあっ！」ってやってくる娘・１歳に、気が散るのなんの、はやく降ろさなくては・・・。「わ、ちょっと、今日はお姉ちゃんの誕生日なんだから、すてきなパーティーをするのだから、食卓にのぼってはだめ。あれ？ぷれぜんとは？」「あれ？あれ？」「あれ？じゃないでしょう。・・・落としたなこれは。あ、あ、てぃっしゅぺーぱーのはこをかんではいけません、こら、どんどんひっぱりだしたらあかんって、」「あい、どーじょー！あい、どーじょー！」「ティッシュペーパーそんないっぺんに使わへんでしょう、いらんてそんなに、」「あ、わんわんやー、わんわんいたねー、」「いまわんわん関係ないでしょう。こらっ、噛んだらあかんゆーてるやろ、」

Oct 3, 2006

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段ボール５０箱セット

Good luck!祈ってるうまくいかない筈がない必要なのはスピードだけ。今月の半ばに引越しということで、いよいよ荷物をダンボールに詰めたりし始めた。だいぶん前から引越し屋さんが「ダンボール５０箱セット」を持ってきていてくれたのだけど、どうもなかなかやる気がおきなくて。家中をさっと見渡して、たいしたことないだろう、と高をくくっていたのだけど、とりあえず使わないものから・・・などと言って始めてみると、これがなかなかの荷物量なのだ。かばん、洋服のたぐいがたくさんあるのは仕方ない？として、アルファベット順に並べていたのを娘・１歳にただの山に戻されたＣＤ、ごく古い物から新譜まで。ごつい本棚のどの段にも２重に並べてある本。アルバム、文集、母が取っておいてくれた通知票や賞状など。古い手帳、誰それからのプレゼントのオルゴール、写真の切抜きに言葉を添えた落書き帳の束。新婚旅行で泊まったホテルの部屋においてあった、従業員の方の手作りのてるてる坊主。みやげ物の銀の自由の女神、使わない香水の（でも形のかわいい）瓶。ハイジャンプ用のスパイク、自分で縫った袋入り。磨り減ったスパイクピン。耳コピした大量の手書きの楽譜。コーデュロイっていうバンドのまねをして一時期キーボードにつないで遊んでたワウペダル。・・・箱、絶対足りないなこれは。

Oct 2, 2006

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風邪気味ならば

逆光の窓、今日は一日何もしないと決めて、だんだん涼しくなってきている気候のせいにしていたけど、このぞくぞくする感じはやっぱり風邪だと思う。鼻が出るのも、荷物の整理をしたから、だけではないのだろう。頭がぼわっと大きく、重くなったようなこの感じ、熱も出るかもなあ。測らないけど。けっこう丈夫な方なので、いくら風邪だと言ったってたいていそれぐらいで済むのだけど、このぼわっと感は、何度経験しても嫌なものだ。誰だってそうだろうけど。それに、「ぼわっと」と書いてはいちいち、無意識に変換を押してしまい、「簿ワット」などというまったく意味の通らない組み合わせが出てくるのを何度も目にするのも腹立たしい。要は、何かとやる気をそがれる出来事が目につくのだ。「休めよ自分、」的サイン。こういう、風邪の引き始めにとても効果的な（のだと私が信じている）のが、子供用の風邪薬だ。ビンに入った、コーヒー味とかの、甘くておいしいやつが良い。とはいっても、大の大人が子供用を規定量飲んだって効かないのは当たり前だから、子どもが３日かけて飲むぐらい、つまりは１本丸ごとを１度に全部、これを一日３回一気飲みするのだ。以前、職場の近くの薬屋さんのおばあちゃんに教えてもらったのだけど、なんか、効きそうじゃないですか？何と言っても甘くておいしいし。言うことなし！おすすめです。さあ、買ってくるぞー。・・・やる気が出たら。

Sep 25, 2006

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電源を切れ！

そんな方法でならやりたくない？なら、最初からそれほどやりたくなかったってことさ、それだけだ。別に音楽家ではないが、音楽好きの一家ではある。どのＣＤを持って出るかは、家族で出かけるときの準備の、大切な作業のひとつだし、夫の運動のひとつはドラムだし、娘・４歳は子供用のオカリナであやしいドレミファソラシドを吹き、私のピアノにあわせて自作の歌？をうたう。娘・１歳は歌番組に出てくるお姉さんたちを見上げながら、やんやかやんやか言いつつ手を振り足をぴょこぴょこさせて踊る。で、昨日、娘・４歳が保育所から帰って「どうよう」と書かれたＣＤをかけようとしたときのこと。娘・１歳がボリュームつまみをいたずらしていたようで、突然ものすごい音量と迫力で迫ってくる、「アイアイ」のイントロ。パニックになりながらも、音を小さくしようとしてとった娘・４歳の行動はなんと、「さらにボリュームを上げる」だった。涙目になってもつれる足で台所に避難してくる娘・４歳。スピーカーも破れよとばかりがなりたてる重厚な管楽器のスタッカート。しかたなく、でも小走りにボリューム下げに行った私がそのとき横目に見たものは、どうやって足を上げたのか、腰の位置の横棒に両足を踏ん張り、身長より高い柵をまさに越えようとする娘・１歳の姿。逃げだそうと必死の形相。火事場の馬鹿力ってやつ。そこからダッシュでボリュームを下げ、娘・１歳を無事抱え上げた私のスピードもたぶん、かなりのものだったと思われる。だけど落ち着いて考えてみたら、娘も私もオーディオの電源を切れば良かったのにと思う。何もそこまでして、「アイアイ」を聴き続けなくても。

Sep 20, 2006

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買い物日和

買いもの日和を演出しているのはくったくのない今日の風だ詩人に憧れ、詩人になれない私をからかうようにただ笑って通り過ぎていく言葉の気配だけ残して子供の頃、祖母にサンリオショップなんかに連れて行ってもらうのが大好きだった。新しいキャラクターが出てきてそれがかわいいと何とかして買いそろえ、でもみんなが持ち始めるとなんとなく飽きてしまうという、わがままな子供。いまでもリラックマ系などのゆるーいキャラクターなんか、かわいいと思ってしまう。だからと言って、いい大人がうれしそうに持ち歩いているのも変だし、と思う分別はあるので、娘・４歳が「こんどからおべんとうは、ふくろにいれるんじゃなくて、しかくいぬのでつつむねんてー」とか「もうひとつたおるがいるんやってー」とか言い出すと、そうかそうかと喜んでいっしょに買いに行く。娘が選ぶのはキティーちゃんとかウサハナちゃんとか、キャラクターの中では大御所的なものばっかりなんだけど。大人から見てまったくかわいいと思えない、あんぱんまんも、「ほっぺたがかわいい」とか言うし。たぶん長く愛されているものには、子供の心をつかむ特徴がきちんとそなわっているのだろうなあ。よく分からないけど、まるさ、とか、色とか。

Sep 4, 2006

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「ねっころ草」

返せる言葉を思いつけずにどうしようかと迷って君を見た君は夏の奇跡でたらめな僕の答えをそんなにも待っている緑のもしゃもしゃを先につけて、細い茎ですくっと立っているエノコロ草はかわいいものだ。夏になるとなんだか、咲く花もどぎつい色のものや夏中咲いている生命力の強さばかりが目立つものが多くて、緑の草に目がいってしまう。娘・４歳もこの草が大好きで、試みに先だけちぎって、「手の中に入れて軽く握ったり緩めたりすると手から自分で這い出してくるように見える」、という遊びを教えてやると、わあ、と喜んで保育所にも持ち込んで、昼ごろなくしたと言って大泣きしたりしたらしい。人によっては「猫じゃらし」と呼んでいて、娘はいつの間にやら２つの呼び方をいっしょくたにして「ねっころぐさ」と言っている。せっかく教えてあげた遊び方は自分ではせず、保育所の帰りにただ１本か２本、葉っぱもついた茎ごとすっと引き抜いて大事に持って帰ってくる。そうして背の高いガラスの器に入れて飾るのだ。たしかに夏らしいオブジェにはなる。細長いガラスの花瓶は結婚指輪を買ったときティファニーがくれた、日付や名前を彫りこんだような、なんだかつんと澄ましたものだが、案外これが、「ねっころぐさ」によく似合うのだ。

Aug 10, 2006

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小説を読んだ後　　

刹那のひかりをためてきらり、夏のビー玉透明な泡は、立ちのぼる途中のまま動きをとめてその中途半端がこんなにもきれいだなんて何かしてなきゃっていつもあせってる僕の足もとで小説を没頭して読んだ後や読んでいる途中、自分の行動を無意識に小説化して、頭の中で解説していることって、無いだろうか。私はよくある。具体的にはたとえば、小説を読んでいる途中に宅急便やさんがやって来てピンポーン、と呼び鈴を鳴らすのでよっこらしょと立ち上がって玄関へ向かった、というのが、頭の中では、放置したままの静寂を破るようにして突然、玄関のベルが鳴る。わたしは急に現実に引き戻され立ち上がり、ぬるい空気を掻き分けて音の呼ぶほうへ向かう。時間が動き出す。みたいになるの。しばらくずーっと。それで自分の日常がすばらしい作品に変わるわけでもなく、ただただ面倒くさいという。夫は無いそうです。というか、いままで、「それ、ある、」という意見を聞いたことがありません。でもさあ、いっしょうけんめい読んでいたら、そんな風にならないものかな。・・・ならないものなのか。そんなこんなで届いたのはBREEのsimply 6、ブルーのやつ。最近、日差しが強い日が多いので、かばんを日光浴させるのが楽しくて。でも、台風が来ているらしいですね・・・。

Aug 8, 2006

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手帳

そんな簡単な言葉で終わらせないで小難しい言い方でごまかさないで僕らの明日を照らすひかりはもっとあいまいにシンプルだ手帳にいろいろ書き込むのが好きだ。だからといって、大きな手帳を持ち歩くのはいやなので、手帳コーナーで見かけるかわいい手帳の中では、およそ最小のもののなかに隙間なく書き込まれた悪筆は、魑魅魍魎の住む館のごとくごちゃごちゃしている。普段は読み返すこともないのだが、たまたま引き出しを引っ掻きまわす用事があって何年か前のものを見つけたりすると、思わずぱらぱらと見かえしてしまう。今となっては読めない、というところも多いが、なかには良くも悪くも、鮮やかに記憶を呼び戻す記述もある。昔よく聴いていた曲とか、昔書いた詩とか、昔つけていた香水の匂いとか、そういうのに近いのではないか。・・・そんなに高尚なものでもないけど。そうして、そんなことのために書くのではないが、今日もごちゃごちゃと手帳に書き込んでいる私がいる。予定も出来事もいっしょくた。でも、書いておくと、「もう忘れてもいいんだ、いつでも見られるから」、と、少し安心するんだよなあ。

Aug 3, 2006

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一斉に梅雨明けしたという曇り空

一斉に梅雨明けしたという曇り空みあげる自分はなんとなく落ち着かなくて、私は生まれも育ちも関西なので、「粉もん」には馴染み深い。家にたこ焼き器があって、昼ごはんに大量にたこ焼き作って食べたりするのはやっぱり、大阪近辺特有の休日の姿ではないかと思う。数ある「粉もん」の中で私がいちばん好きなのは「いか焼き」だ。関西以外に在住の方はいかの姿焼きを想像するのがふつうかもしれないが、一応「粉もん」なのであれではない。どっちかというとお好み焼きに近い。でも、いか玉（いか入りお好み焼き）でもない。簡単に説明する。熱した鉄板に、小麦粉を水でうすく溶いたものを少量たらす。いかのこま切れを散らす。ここで卵を一個割るのが好きなのだが、いか焼きで有名な阪神百貨店の地下では卵入りをデラバン、などと呼んで区別しているから、卵なしでも良いのかもしれない、と思い、調べてみたら卵入りはやや邪道らしい。材料は以上。あと、ふたをかぶせるみたいにして上下の鉄板で挟みこんで熱し、ものの３０秒ほどでぺらぺらのいか焼きが出来上がる。卵を入れなければ、食感は固め。後からソースを塗った面を内側に折りたたんで食べる。もし何かの用事で大阪梅田の阪神百貨店の地下でいか焼きコーナーを見つけたなら、人が列をなして並んでいるからとあきらめてはいけない。出来上がりが本当に早いから。少量だからごはんにはならないが、早いし安いし軽いし、おやつにぴったり。すごーく屋台的な食べ物なのにデパートの地下でよく売っているところも侮れない感じだ。今日はあんまり暑くないし、買いにいけるかな。

Jul 31, 2006

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オレンジ色に透けて

夕立のあとの弱く透明な光何もかもオレンジ色に透けてずっと遠くまで見通せる。泣いた後やけにすっきりした気持ちで負けたグラウンドを見下ろした時の様に。昨晩は晴れた空にいい気分で帰って冷しゃぶを作る。うちの家の冷しゃぶは、えせ中華風。もともと「茹で豚山椒ダレかけ」というれっきとした中華料理だったのが、「塊の肉はゆでるのに時間がかかるしー」「山椒無いしー」などの理由でだんだん簡素化したものだけどおいしい。以下レシピ。１・きゅうりとセロリをものすごくうすく切って冷水でパリッとさせたものを端っこにならべた皿に、２・酒たくさんと塩少々入れた、たっぷりの湯でさっとゆでたしゃぶしゃぶ用の豚を冷やしてならべ、３・白葱一本ほどとショウガ半分ぐらいをみじん切りにしたやつにしょうゆ大さじ６、酢大さじ３、ごま油小さじ１、サラダ油大さじ１を加えて作ったタレをかけて食べる。この、白葱＋ごま油、という組み合わせがなかなかおいしいなあと思っていて、キャベツの千切りに白髪葱をのっけてごま油をチュンというまで加熱したやつをぶっかけ、かつお節としょうゆ味で大量に食べたりするのも好きだ。夫には、「男の料理」と言われているけれど。

Jul 26, 2006

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誰にでもできること

できれば君には君にしかできないことを頑張って見つけてほしいけど、誰にでもできることをちゃんとやれる人でもいてほしい。下の娘がはじめての誕生日をむかえ、どこでケーキかって来ようかと考えながらふと思う。娘が大きくなって、何かでいきいきと活躍してたりしたらそりゃあうれしいだろうけど、便所のスリッパをそおっとならべなおせるような人であってほしいなあと。いまはまだ、「とりあえず何でもかんでも噛むのはやめなさい」ということを教えるべきだと思うけど。でも、「何でも噛むな」はともかく、いちばん教えたいことは、言葉で教えるだけじゃだめなんだろうなあ。むむむ。とか思いつつ、今からパーティ－用の買い出しです。

Jul 24, 2006

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ピンクのごはん

いくらでも近づいて話はできるけど回る地球の上では君へのキョリもつかめない黒米を炊くのが最近ちょっと好きだ。黒米は紫黒色系色素（アントシアン系）を含む、古代米の一種。玄米のまま、普通の白米１合に小さじ１ほど入れると、赤飯みたいな感じのほどよく紫色の米がたける。この、アントシアニンというのが抗酸化作用にすぐれ、ほかにもビタミン類や鉄分、カルシウムなど豊富に含まれていて体にいいという。ま、小さじいっぱい程度でどれほど体にいいかとなると、気のせいぐらいじゃないかとも思うけど、私が気に入っているのは栄養価ではなくて味なんだから、べつにいいのだ。もとはと言えば数年前まで梅田のイーマビルにあり、今は大阪中のどこにもない（と思われる）ミクニのフォアグラ丼に、この米が使われていたので好きになったのだ。黒米など古代米を炊いたちょっともっちりした食感のごはんに、ソテーしたたっぷりのきのこ類とフォアグラが乗り、ちょっと甘めのソースと香草、ピンクペッパーなどが香りを添えている。黒い、シックな感じのどんぶりに長いはしで食べる。上の娘も、「ピンクのごはん」と言ってすごーくお気に入りメニューだったのに、同じミクニ系の別のレストランになってから、これがなくなってしまったのだ。だいぶん前のことだが、今でも悲しい。でも、ミクニだけでなくカフェなんかでも古代米はたまーに出てくるので、おうちでカフェごはん、みたいなつもりで炊いてみたりしている。しかしつい最近、黒米を入れすぎるととんでもないことになることがわかった。いつも目分量で少し入れるのだが、その日は手元がくるって米２合に半カップほど入ってしまい、まあいいか、と炊いてみた仕上がりは、まさにどぎつい紫色。味はそんなに変じゃないけど、生理的に受け付けない感じがしたのは言うまでもない。

Jul 13, 2006

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休みの日にいちばん早く起きるのは

私がぼぉっと青いなあ、きれいだなあと思っているものを横からとつぜん出てきた誰かにそれはどういった青なのか、などと問われても困るんだよね丸いのか、四角いのかなんてもってのほか。けれど生きていくうえでそういうことは多い。休みの日にいちばん早く起きるのは、娘・１１ヶ月だ。私は休みになるといくらでも寝ていたいタイプだし、夫もまた、用事（＝釣り）がなければなかなか起きてこない。娘・４歳はそのような両親のペースにひっぱられている。娘・１１ヶ月はふだんと同じ、７時半頃に目をさます。目覚めたとたんにむっくりと起き上がって座り、しばらくはひとりしずかにベッドの柵の中、タオルケットをぐちゃぐちゃにしたりして遊んでいる。それに飽きてくると「ちゃーちゃん」、と、「おかあちゃん」とも「おとうちゃん」ともつかない呼び方で家族を呼ぶ。両親は「は～い・・・」と言いながら寝ている。しばらくすると、やや大きな声で「まんま、まんま、・・・」と、ごはんを要求し始める。これはすぐに、「まんまんまんまんまんまん・・・」という大声に変わるから要注意だ。こうなると私は起きないわけにはいかない。下の娘にご飯をあげて、ほかの家族がまだ寝ているようなら、２度寝に挑戦しようとそぉっと起きだす。でもその気配に上の子が、「おはようっ！」と目をキラキラさせながら起きてくることも多いから、たいがい２度寝は成功しない。「明日も休み」と夜更かしをした自分を呪いつつ、でもその頃にはとっくに頭も冴えている。

Jul 2, 2006

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泣いてた今日を夏の空に。

泣いてた今日を夏の空に。不思議なものだなあの雨の後でもまた空は光る。　　どこかに膝をぶつけたとか、明日の天気予報が晴れじゃないとか言って、ちいさな子供というのはすごく、よく泣くものだ。そうしてちっぽけなことですぐに機嫌を直し、またキラキラと笑っている。アニメの感動のシーンベスト100、とか、はじめてのおつかいとか、ジャックスカードのＣＭの曲とかで泣いてしまう親が言うくらいなんだから相当なものだ。今日も娘・４歳は、保育所に送っていった帰り、お迎えに関する５つの「おやくそく」を涙目で要求してくる。「ひびちゃんのいるほいくしょ、わすれないでね」「うん、わすれないよ」「まちがったほいくしょ、いかないでね」「いかないよ」「とちゅうでみちにまよわないでね」「まよったことないよ」「はやくむかえにきてね」「うん、わかった」「すずちゃんがねてたら、じてんしゃできてね」「？・・・そうする・・・」※うちの娘・４歳は響（ひびき）、娘・１１ヶ月は涼音（すずね）といいます。どちらも短くするとやや変になりますね。「このいつつのおやくそく、わすれないでね」「だいじょうぶだよ」ここまで来てやっと、「ゆびきりげんまん」。くるりとふりかえれば、その目はもうジャングルジムのほうを向いているのに。迎えに行けば、「えー、いま、あそんでるところだからー、」といつものように言うに決まっているのに。そうして私はといえば、わりとすぐ気を取り直し歩き出すいいかげんさを、君は誇ってもいいと思うよ、と、まぶしくその背中を見ているしかない。　

Jun 27, 2006

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見せたいもの

見せたいものがあるんだたくさんたくさんたとえ世界の騒がしい音が教えようとする声をかき消してしまっても君が自分で気づけるように。夏の空はもっと近いこと夕方は青いことメロディーには匂いがあること。もうすぐある夏祭りの準備も兼ねて、休みの今日、保育所の同じクラスの保護者と子供たちの顔見せという感じの集まりがあった。こういう、目的のあるような無いような集まりはあまり得意じゃなくて、でも保護者の人たちが嫌いなわけでもなくて、淡々と用意をする私の横で、娘・４歳は大張り切りだ。保育所では普段、女の子でもTシャツに短パンという服装に決まっていて、今日は好きな格好でお友達と遊べるのがうれしいらしい。お気に入りのピンクのポロシャツ仕立てのワンピースに、髪は同色のゴムできっちりと二つくくりを要求。女の子はおしゃれに目覚める頃みたいで、みなかわいいゴムとかアクセサリーとか、何かしらおめかしグッズを身に着けている。ところで、集まった子供たちを見ていると、すでに小さな社会ができていて興味深い。仲良しのお友達グループ。そのなかでボス的にふるまう子。ついていく子。勝手に走り回る子。朗らかに友達に声をかける子。いつもと違う雰囲気にお母さんにくっついちゃっている子。うちのは１歳になったとたんにここに通い始めたのだから、クラスのぬしになっていても不思議はないがまったくそんな気配はなく、別に硬くなってはいないが異常にのんびり屋で、みんなとどこか微妙にずれてる。すごーく美化すれば、輝くようにマイペース。悪く言えば何とでも言えるけど、まあいいか、と思う。ふだんからの言いつけらしきもの、「いじわるしちゃだめ」と、「さいごまでやろうね」をちゃんと守って、黙々と黄組の出店の絵を友達と描いている。将来は学校で漢字の先生をやるかたわら休みの日には正義の味方の忍者に変身し、仕事がないときは絵を描くのだそうだ。なかなか忙しそうだ。

Jun 18, 2006

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鉛筆

「いい事が続けばきっと、歌なんていらない」「・・・僕は歌うよ・・・」「この時期、晴れが続いた後の雨の日の次の日は釣れる」、とかで夫は鳥取の渓流へ。増水とかしてないのかな？してるほうがいいってことかな？ご苦労なことです。私はといえば、娘たちと遊ぶ合間に、家では地味に「えんぴつで奥の細道」。奥の細道を読みやすく章分けし、美しく書かれた見本ページのあとに、うすーく書かれた見本をなぞるページがついていて、「一文字一文字、鉛筆でなぞって書くことで名句の世界に浸ろう」、というようなコンセプトの本で、書店で見つけて購入したのだが、案外良く売れてるらしい。字が汚い！と前に書いたことがあるが、本当に、人格を疑われるような筆跡なので、暇ができるたび通信添削のペン習字などを気にかけてはいたが、いかんせん、宿題がいや。なんか、仕上げる期限が決まっていると、早め早めにやらなければ気がすまないせっかちな私としては、非常に気分が悪いのではないか、何も自分からいやな気分を呼びこまなくてもと、けっきょく今までほったらかしにしていた。その点これなら、自分で勝手にやればいいし、内容も風流だし、みたいな気持ちで書きはじめてみたが、これがなかなか、不思議と気持ちが落ち着いたりする。字は・・・きれいになるかなあ？よく分からないけど、まあ、習字みたいなもんだよねえ、これって？などと思いながら、ぼちぼちやってみているところ。それにしても、この本買ったほかの人たちは、何を目的にしているのだろうか。買った自分がいうのもなんだけど、あんまり売れないんじゃないかなあ、と思っていたので売れていると知って意外だ。案外、みんな字の練習してたりして。違うか。でも、よく売れたら他にもシリーズ化されるかも。「えんぴつで徒然草」、「えんぴつで人間失格」、とか。私としては、「えんぴつで山田詠美」シリーズが出たらうれしい。「えんぴつで村上龍」は気が急きそうだし、「えんぴつで村上春樹」は、気持ちが静かになりすぎるっぽい。

Jun 10, 2006

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半分の月

いたずらにはやる気持ちを押しこめて見上げた先に半分の月昨晩、娘・４歳が家の中の扉で指を挟み、自転車で外科へ連れて行く。痛いと泣くもののグーパーができるので大丈夫とは思ったが、なんとなく心配、という感じを引きずるのもいやなので。お医者さんの判断も同じだが一応レントゲンを撮る。その頃にはすっかり泣き止んでいる娘。やたら大きく見えるエックス線防止のエプロンを着けて、かしこまっているすがたが笑える。できた写真を見て、なんと小さな手なのだろうと思う。いつも見ているのに、レントゲンの枠の中で見ると本当に冗談みたいに小さくて、おもちゃの宝物みたいな手の骨だった。異常なし。それを見て思い出したのが私の頭の断面図。これはレントゲンではなくてMRI。せまーいところに寝転がってさえいれば、頭の中も撮れてしまうという優れものだ。大学生の時、なんか考え事が多かった時期に突然ものすごいめまいを発症。目を開けるだけで視界がぐるぐる回り、気分は悪いしまっすぐ歩けないし、一人暮らしだし、で、２日目に這うようにして近くの病院へ。原因分からず、大病院を紹介してもらい、３日目、治りかけた状態でこれを撮り、メニエル症候群疑い、でも特に心配なし、と診断される。でも、病名を聞くまでに、「ああ、これは、大丈夫」と直感したのが、MRI写真を見たとき。頭の断面図が、何かのキャラクターのビッグスマイルみたいに、笑って見えたのだ、どれもこれも。誰の脳もこのように笑って見えるのか、すごく聞きたかったけど、あまりに関係ない話題なので触れられず。もし同様にMRIを撮ったことがある方、おられましたらどんな画像だったか教えてほしいです・・・。

Jun 6, 2006

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夜が転がる

夕映えにコトリと音を立てるように夜が転がる落ちて広がる昨日みたいに晴れた日の夕方、陽が落ちてすぐの、何もかもやたら色が映えて見える時間に歩くのはいい。梅田・HEPの観覧車でぽつぽつ灯りのつき始める街を見下ろすのもいいけど、街へ降りてみれば青やピンク、白といった花の色や、今は花の咲いていないユキヤナギの根元から枝先へと次第に明るくなっていく葉の色のグラデーションが、普段よりずっとくっきりと見える気がする。科学的な説明は苦手だけど挑戦してみる。あたりが暗くなると、暗い中でも色が見分けられるように、頭の中の色を感じる部分は自動的に画面を少し明るくして、露出をあげたような感じになるそうだ。そのあげ方が微妙にずれる場合もよくあって、やや露出オーバー気味になれば色が鮮やかに見えることになるのだという。つまり、私が見ているのと同じ、「色のはっきりした感じ」を他の人が同じように見ているとは限らないということだ。私と同じように、この時間、「色がきれいに見えるよねー」と言う人もいれば、「？・・・べつに・・・」言う人もいるのはこのためだ。このことを知ったときには、ちょっとショックだった。もしかして、もしかしたらだけど、「赤」と皆が言っている色が、他の人の頭の中では私にとっての「青」だったとしても、たぶん永遠に気づかない。紫が好きだなんて言っている私の母の頭の中には、紫を見たとき実は（私にとっての）さわやかなみずいろが映っていたりして・・・などと、考えを飛躍させてしまう。でも、写真や映画の世界でもこの時間は、幻想的でとてもきれいな色が撮れるとかで、「マジックアワー」と呼ばれているそうだから、この時間の光はやっぱり特別なのかもしれない。

Jun 4, 2006

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少しだけ切った前髪

少しだけ切った前髪君のこと少しよく見えるようになるかな。昨日髪切りに行ってきました。ショートボブっていうか、少し短めの髪なんですぐ伸びた感じになる。でも髪切るのは好きだから別にいいか。近頃の美容院はなかなか凝った髪洗い設備？があって、なんか四方八方からシャワーが出て自動で髪を洗ってくれるカプセルみたいなのもあれば、頭を倒して洗ってもらう洗面所にあたる部分が可動式で、カットいすの後ろまでやって来るのもあってびっくりさせられてしまう。いすをほとんど倒さずに座った格好のまま洗うものもある。洗ってくれているひとと間違って目が合う心配が無いのはいいけど、髪洗う水が前にたれてきそうでもそもそしてしまう。飽きっぽい私は、ひとつの美容院に慣れる頃には気が変わって新しいところにふらりと立ち寄ってしまい、また新しい髪の洗い方に出会って驚く、というのをくりかえしている。切り方はどこもそう変わらないのに、髪の洗い方はどうしてこうも多種多様なのだろう。子供の髪を切ってもらっている店は、子供たちにとっては完璧だと思う。まず、店の雰囲気自体が楽しげでいい感じ。待合室にはちょっと大がかりな玩具がたくさん。お母さんのいる待合室が見とおせるカット用のいすに座ると、目の前にテレビモニターがあって好きなＤＶＤを見せてくれる。切り終わったら、お子様ランチについてくるようなおもちゃの山がさっと出てきて、一個持って帰らせてくれる。子供がスムーズに髪を切られてくれるよう、よく考えられたシステムだ。ここでは大人の人のカットもしてくれるのだが、私はまだ頼んだことが無い。いちど頼んでしまうと、また「美容院変えたい病」が発病した時、子供は切ってもらいに行くのに「わたしはもういいです」って、なんか、落ち着かないし。

Jun 3, 2006

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洗濯機到着

透明になる直前の雲を見る長袖のシャツ口あけたまま前々から調子の悪かった洗濯機がとうとう壊れてしまったので、週末に探してきたのが、昨日到着。前のが２年ぐらい？であっさり壊れてしまったのに対し、理系の夫は「センサーがいかれた」か「ここの接合部が甘くなった」か「ここに何かが詰まってる」か・・・などと科学的要因をいくつも挙げ、分解しようとし始めるが、その間に私は「紙オムツを洗って爆発させてしまったことがある」「４歳の娘のポケットに、よく石が入っている」「金曜日の洗濯物の量は殺人的」などといった経験的要因をいくつも思い浮かべてしまう。梅田のビックカメラで、夫は山とある洗濯機を機能で見比べ、途中で飽きてしまい、「もういい、どれでも」などと言い出すので、私が、機能度外視で一番頑丈そうな顔をしたやつに決めてきた。だって最新機種のやつって、ふたの開け方だけでも難しかったりするし、（斜めになってたり二重になってたり！）なんかまたすぐ壊しそう。その点、この子はどーんとしていていかにも「なんぼでも洗いまっせ。力、強おまっせ。ごしごし。(なぜか大阪弁)」という感じ。さて、紙オムツと石はもう洗わないように気をつけるとして、どれぐらいもつかなあ・・・。

May 31, 2006

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やっかいなもの

知ったところでどうにもならないけど輝くものは、やっかいなものだ。夫の誕生日がもうすぐなので、メンズビギのシャツを買ってみた。なんてことない感じの濃淡グラデーションのストライプのシャツだけど、袖口を折ると柄が切りかわっていたりして細部にちょっと凝っている。最近は、ことあるごとに服をあげている気がする。ぜんぜん自分で買おうとしないから。私のかばんと一緒で、釣り用のウエア？みたいなのはどんどん増えていて、ほっとくとそれを普段に着はじめたりするからすごい。おしゃれじゃない、とかそういうレベルではなくて、なんかこう・・・シュールな感じ。本当はお店に行って一緒に選んだりしたいんだけど、子供を連れてって街中でぐずると、機嫌悪くなるからなあ。わりと穏やかな人なんだけど、基本的に街より自然の中にいるのが好きで。まあ、釣りだ釣りだと子供みたいにはしゃいでいるほうが、確かに彼らしくて、だからべつだん文句はない。っていうか、何かに夢中でこっちのことなど気にしていない人を横から見ているという状況が、けっこう、好きだったりするから、ドラムをやる彼が自分とはちがう趣味も持っているのには感謝している。けど、ちゃんと似合うのかはちょっと心配。人のよさそうな犬顔には、たいがいなんでも似合うと思うんだけど・・・。

May 29, 2006

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好きになった理由

好きになった理由はいつもよく分からない。ただ好きになってしまったことだけはよく分かる。って、恋について以前書いてたのを思い出しつつ、今日はアルコール類について。ビール、好きです。カクテルではギブソンっていうのが好きです。これらは、好きになった理由もよく分かる。ギブソンは、カクテルをあまり知らない頃、ショットバーで「辛くて透明で小さいグラスに入ったものを」とたのんで作ってもらったのが出会い。まず、見た目が好きだ。硬質な感じに透明で、ちっちゃいパールオニオンがころんと入ってる。味は・・・ジン。マティーニとほぼ同じ。うまい。ビールは、ピルスナータイプとか「ホップの香りが強い」と言われるようなもの（ホップそのものの匂いはかいだことないけど）を好み、今のところ私がいちばん好きなのは、オランダのグロールシュ。爽やかで、でもビールらしくて。で、今回、父の日に届くようにこれ、「社長のよく飲むビール」注文してみた。父の日って、イベント感が薄いので忘れがちだから、思いついた時にと。一本とはいわないけど、一口、いや一杯ぐらいは試飲してみたいのでいつ実家に行こうかと思っている。そして、今１０ヶ月になったばかりのチビが自力で立って歩くようになったら、「世界のビールキャンプ」と称してお取り寄せした多種多様なビールをいっぱい積んで、どっかキャンプとか行きたいなあ。清流のそば、ランタンかなんかの明かりの下、あの手この手でキンキンに冷やしたビール達。後ろにはすぐ寝っころがれるテント。・・・最高。

May 26, 2006

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初夏、夕暮れ、ひとりまたは、

しずんだ夕陽がまだすこし明るさを残していて、そして、街の灯もともり始める頃の風景が、好きだ。特に、初夏。夏のはじめのこの時間は、冬ほど透明じゃなく、春ほど頼りない気がしなくて、夏ほどおしつけがましくなく、秋ほど遠くない。吹きつける風は、できれば冷たいぐらいがいい。こんな時間にひとりだったら、都会の喧騒の中でも、思わず立ち止まって見とれてしまう。だけどときどき思うのは、何てさびしい時間を私は好きなんだろうということ。ひとりじゃやりきれないような気持ちにさせる風景を、やりきれない気持ちで、私は何度も見てきた気がする。だけど今は、右手でベビーカー押して、左手は子供の手を引っ張って。こんなのも、いいかな。・・・みたいな事を昨日の夕方考えていて、で、今日は子供の話。上の娘が保育所に行っている間、家事を済ませパソコンに向かっていると、背後にあやしい気配がする。振り向くとたいてい、今日まで９ヶ月の娘が満面の笑みを浮かべて迫ってきている。いや、ここまではべつに問題ない。問題なのは、顔の向きだ。彼女は仰向きに、つまり背中を下にして、思いっきりそらした顔をこちらに向けて、頭と足でブリッジみたいな格好をして、足の力でこっちへ向かってくる。手は使わない。人呼んで、イナバウアー這い。はじめて見た人はたいていぎょっとする。私も同じだった。夫は今でもその這い方を見て、首が変になるのではないかとか頭がすり減るのではないかとか心配している。一日のほとんどを、その姿で後追いしてくる娘を見ている私は、もうなんとも思わないけど。この娘は頭をそらした状態で四方八方を見回し、興味を引かれるものがあれば頭を中心にぐるりと回転し、あお向けにものすごい速さで突進して手当たり次第になんでも口に入れてしまう。口に入らないものは、かむ。彼女のためにぼろぼろになった絵本は数知れず、ベビーベッドの柵の塗料もあちこちはげてしまった。生えたての前歯４本でかじりとったのである。げっ歯目じゃあるまいし、どんな力でかんだのだろう。上の子供はといえば、このころ、何でもかんでも口に入れたりはしなかったけど、自分ではまったく動かなかった。とにかくひとところに座ったまま、私が見えなくなるとものすごい声で泣いて呼ぶので、家のなか用のベビーカーに乗せて家中引っ張りまわしていたのだから、どっちが良いか分からない。そんなに違う２人の子供だけど、山ほどあるＣＤの中から、なぜか同じのを引っ張り出す。端っこにあるわけでもないのに。また、まだ言葉の分からない妹が、姉の言葉にはなぜか大受けする。まったく、子供の行動は、予測の範囲を簡単に超えてしまう。子供ってこんなもの、なんてイメージの中には絶対、押し込められない。アンビリーバブルが日常なのだ。

May 23, 2006

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軽い言葉

羽のように軽い言葉を書きつらねてそれでも　その先に確かに、自分がいる。４才の長女は保育所で長なわとびをやらせてもらっている。お姉さん達は一人用のなわとびも跳んでいて、何でもやりたがる娘は雨があがって急にキラキラした空の下、家のなわとびでやってみて、「これじょうずにでけへん。」そんなとき、だいたいこんなふうにかえす。「あのねえ、練習してたらね、ぜったいできるようになるよ。きょうか、あしたか、５さいになってからかは分からないけどね、できるようになるのは絶対だよ。」気の長い話だけど、事実だから。むかーしむかし、になるけど、陸上で高跳びをやっていたことがあって、本当にものすごく前のことなんだけど今でもごくたまに、背面跳びではじめて空中で反り返って向こう側が見えたときのことを思い出す。いくら練習しても後ろに反るのができなくて、そのうちテスト一週間前に入ってクラブの練習が休みになって、それでも毎日頭の中でバーを越えたりノートにバーを越す瞬間の絵を描いたり。イメージトレーニングっていうやつ。テストが終わって初めての練習の日、久しぶりにマットを出してポーンと踏み切ったら・・・見えた！さかさまに、空と、体育倉庫の灰色の壁とが一瞬。あれは、うれしかったなあ。それから思うのは、人間、「いつ、どんなタイミングで、出来るようになるか分からない」ということだ。なせばなる、make something happen、無理だと思い込んでいることが、明日いきなり、出来るようになるかもしれない。

May 20, 2006

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字がきたない！

きみがそういうなら、そうかもしれないと思うよ。あんなに考えたのだから、それしかないのかもしれないとも思うよ。でも、そうじゃないかもしれない。私の字はきたない。ていねいに書いてもなんかバランスが悪いから、ほかの事を（上述のように）ごちゃごちゃ考えながらいそいで書いた字など読めたものではない。夫は、私が育児休業に入ってからカレンダーに予定を書き込んでいたものをずっと、４歳の娘の落書きだと思っていたという。最近娘がまともな字を書くようになってきたので、やっと妻が書いていると気づいたらしい。以下それが発覚したときの会話。「分かるやろふつう。こんなこなれた字を４歳児が書くわけないやん。」「・・・これ、こなれた字って言うか？」「それに、ほら、（夫が）魚釣り行く日ぃに必ずおさかなさんマークつけてあるし。」・・・って、それは字ではありません。その４歳の娘は、最近言うことがいっちょ前で、「かみ、ながーくしたい」に始まり、ここをみつ編みとか、ここをひとつくくりにとか注文が多い。自転車に乗りたいとも言う。髪は毎朝、不器用ながら指示どおりにくくっているが、自転車は、家のまわりの環境を考えて、検討中だ。ゆっくりゆっくり三輪車をこぎながら、大きい子の自転車をじっと見ている娘に、「大きくなったら自転車乗ろうね」と言ったら、「じゃあ、おかあちゃんちいさくなったら、さんりんしゃかしてあげる」と言っていたころが懐かしい。そして夫はあさって鳥取の渓流で魚釣り。彼は天気予報をも狂わすものすごい雨男だ。中国地方にお住まいの方は注意されたい。

May 18, 2006

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