ピアノを弾くMaryAnn♪　- Mary Ann pianoplayer -

[旅] カテゴリの記事

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• アブダビの空気を透かすと

  遠くへ出かけるとふだんと同じはずの青空が違って見えるのはなぜだろう。違う匂いの空気を透かすと違って見えるのかそれともかなしいときと楽しいときで違って見えるのと同じなのかな、ねえ、どんな色の空の下をこれから　僕たちは歩いて行くんだろ。夫くんが２～３週間ほど出張です。アブダビ（Abu Dhabi）に行くんだそうです。関空経由なので、せっかくだからと関西の玉突き仲間とビリヤードしてから旅立つんだそうな。特大のスーツケース、プラスビリヤードのキューをかついでいるので、車で駅まで送ってきました。天気の良い朝の、涼しい風のなか。しかし、アブダビって、また、いたずらに興味をそそるところへ・・・。昼間ものすごい温度（４０度超えとか！）になるみたいなので、とりあえず、ポカリスエットの粉と扇子を荷物に突っ込んでおきましたが、役に立つかな？ロフトで買った扇子にはすごーく風流な文字で「明日は明日の風が吹く」。Tomorrow never knows.行ってらっしゃい。

  Jun 14, 2009

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• おはようございます！

  　・・・なんだか　久しぶりに、　四角くない空　見上げた。 　あたらしい空は、ねえ、どんな色だろう。今日からシンガポール行ってきます！夫がためたマイレージで、初めてビジネスクラスに乗ります。オレンジジュースとシャンパンで、ミモザ作って飲もうともくろんでいます。向こうに着いたら元祖シンガポールスリングを飲むのだ。ふふふふふ。

  Aug 7, 2008

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  沖縄

  地球の歩き方など存在しない。あるのは自分の歩き方だけだ。星野博美　「謝々！チャイニーズ」　 なんだかさいきん、旅心が募るなあと思っていたら、オーストラリア旅行 からもう、一年以上も経っているのだ。一雨ひとあめ、底のほうから冷えていく灰色がかった町を抜け出して、どこか明るい、あたたかいところへ行きたいぞ、というのは、子どもの頃から冬になると必ず考えていたこと。そうして、大人になった今はチャンスがあればすかさず実行してしまう。今回はオキナワ、石垣島を拠点に周辺の島々へ。石垣島へは関空から乗り継ぎなしで行けてしまう。やや小さな飛行機。６歳の娘は「これ飛ぶの？」と。私は答える。「たぶんね・・・。」小さな飛行機は揺れるのじゃないかと顔に出さずに心配するが、ごく自然に空に駆け上がる。小さな窓から、雲がその種類ごとに、違う高さに住み分けているのが見える。雲のうえはいつも青空。傘を差して街を歩いていたりすると信じられないけど、そうなんだよなあ。島に着いてしまうと、むこうも冬とはいえ、服を着込む数が確実に一枚少なくて済む。それがぶあついコートなんだから、一枚ぬぐだけで身体も心も軽くなる。「うりゃうりゃ～」などと叫びつつ走りまわる娘はそれでは済まず、着いた途端に半そで１枚になってしまう。陽射しがあたるとそれでも暑いと言う。木陰に入ったり、太陽が雲で隠れたりするとちょうどいい具合だ。バスや船に乗ると寒い。と思ったら、冷房が入っているのだ。荷物といっしょにコートを部屋、というか小屋に放り投げて砂浜へ出て、異様に澄んだ海が夜の青に溶けていくまで夕暮れ散歩。娘は、あちこちで波に打ち上げられたサンゴのかけらを拾い集めて、かちかちと打ち鳴らして遊ぶ。うまい組み合わせなら、涼しく澄んだ音がする。それにも飽きていつまでも夜の来ない海岸の風に吹かれてほうけた横顔。良い。１日目にほんとうに驚いたのだけど、沖縄は日の入りが異常に遅く、朝が来るのも遅い。本州よりもずっと南にあるだけではなくて、ずっと西にあるからだ。２日目、３日目と遊びに行くために朝７時前に部屋を出ると、頭上には冴えた月と満天の星が瞬いていた。２泊３日でわりとあちこちまわったんだけど、以下、印象に残ったところだけ。日本最南端の島、波照間島。石垣島から１時間の高速船は波の高いところも通るため、「ジェットコースター並みの揺れ」、「酔わない人はほとんど無い」、など、ネット上にはものすごい感想が並んでいたが、けっこう平気で着いてしまう。前日から早く寝て、朝早く起きてご飯を早めに済ませ、はじめから酔い止めを飲み、一番後ろの席に陣取り、船が揺れだす前にぐっすり寝ていれば、だけど。島に４つしかない売店のうちの、ひとつがあるところが島一番の「繁華街」。小学校の門の裏手、公園を囲んで集会場とガソリンスタンドと診療所もあるところ。「日本最南端の」コカコーラの自動販売機も一台。・・・だけど、なんていうか、あとはただただ美しい海だけ。な―んも無い。でも、食べられる草や木がどこにでも生えているし、干潮になれば浅瀬がみな干潟になって、海産物の取り放題という。なんだかうらやましく感じてしまう自給自足ぶりだ。西表島から由布島へ海の浅瀬を渡る水牛車。これに乗りたくて、写真で何度も見てイメージトレーニングをして行ったのだが、それでも現実感をなくすようなのんびりぶり、４００メートルを１５分かけて渡る。牛のトイレと化している干潮のときでなければ、むしろ牛になって歩いて渡りたい感じだ。日ごろ小さな水溜りでも注意深く避ける私とはやはり、気の持ちようが違うのだろう。赤瓦の屋根にサンゴ石の石垣、といった家並みの続く竹富島も水牛車でまわる。家の前の目隠しの塀なんか、みんなサンゴを積んで作ってある。赤いかわらの屋根が天気の良い空に映え、あちこちに季節はずれのブーゲンビリアが咲き乱れている。人が暮らす南の島、という雰囲気そのもの。それにしても、なぜあんなにも道が白いのだろう。島を離れても、まぶたの裏側で白い道の残像がゆらゆらと揺れている。 とはいえ、神戸空港から、うちに帰れば変わらぬ日常。・・・と、ならないのが冬休みの良いところ。年末年始は夫の実家へ旅立っています。異常に天気が荒れるそうで、雪に阻まれなければですが。タイムリーには言えないと思うので、「みなさま、本年も大変お世話になりました。良いお年を。」いやほんとに、見えないつながりに心救われているときがたくさんあることを感じた一年でした。 波照間島。ただただ、美しい海。 すましてみたりもするが、 水牛化してみたりもする娘。※ なお、上の写真は、はじめにアップしたときには　ほんとうに、ものすごい、画面からはみ出すほどの大きさで、　「大きすぎるがどうしていいか分からない。」的な言い訳を書いてお茶を濁していましたが、　その後かなり修正しました。　以下、６個目までのコメントは、写真が異様にに大きかったときのものです。

  Dec 28, 2007

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  無人島へ

  どこか遠くへ行きたい、と思うのは、自分の輪郭を消したいからなのか、際立たせたいからなのか。いまでもよく分からないけど、あるとき突然思いついてしまうのだ。抗いようもなく。 「夏が終わる前にどこかに行きたい。」そんな、子どものような希望を持ってここ数日、「８月３１日」の行き先を探していた。娘たちとは数日前、「レミーのおいしいレストラン」をいっしょに観に行って、なかなか楽しい時間を過ごせたし、今度は、何と言っても自分、なのである。情報をたまたま目にしてとても気になったのが、和歌山県・友ヶ島。詳しいことは良く分からないが、無人島だし、豊かな自然だし、明治時代の砲台跡の廃墟だし、あまり遠くない(電車と船で３時間ほどで着くはずだ)し、「駅すぱあとがこんなにもさっとダイヤ経路を検索できるのだから、私だって難なく乗り継げるはずだ」といういつもの幻想も生まれてくるし、それに何より、行ったことのない場所だ。これはもう、行かねばなるまい。朝７時半ごろ、出発。準備は意外と簡単だ。いつものかばんに文庫本何冊か多めにつっ込めば良い。電車内が寒いといけないから、薄手の上着も。えっと、・・・以上。しかし、昨日の続きで、雨がふりだしそうな空。わりと能天気な私でも、船が出なかったら困るなあ、などと思って、「観光協会」みたいなところに電話をするが、誰も出ない。ところどころで電話をかけながら、結局つながらないまま、連絡船の出る港への最寄り駅、加太駅についてしまう。幸い、空は晴れてきた。加太駅は、和歌山駅から出ている、２両編成の普通列車、南海加太駅の終着駅だ。１５分歩いて港へ・・・。という予定だったのだが、１日４便の船の出港まであと１０分。着けるか？いっしょに降りた女性グループの半分はタクシーに乗る。乗れない残りの人たちといっしょに走る。が、道を間違えたようで到底間に合わない・・・。それでもとにかく港まで急いでみると、船がまだ泊まっている。先に着いた人たちが止めておいてくれたのだ。１２０人乗りの観光連絡船に１５人ほど乗り込み、すさまじい水しぶきを上げてすすむ船に２０分ほど揺られ、友が島のひとつ、沖ノ島の港へ。島に近づくと小さな船着場と海の家みたいな建物が見える。無人島って言ったって、まあ、なんというか、開けたところだなあ、みたいな印象を抱く。けれども、ハイキングコースを逆向きに歩き出すと誰もいない。島の半分をぐるっと廻るあいだ、誰にも会わない。やっぱり、無人島なんだ・・・。レンガ造りの第３砲台跡まで、それなりに傾斜のある山道を行く。実はここの写真に惹かれてここまで来たのだ。だんだん細くなっていく道の先の半地下に、「天空の城ラピュタ」を思い出すような、緑に囲まれたレンガの建物。小さな看板に歴史・年代など書いてあるが、ちょっと実感しにくい昔のはなし。第２次世界大戦中も使われていたというけれど、明治２３年に出来上がった建物って、・・・それはつまり、いつのものなんだ？という感じ。堅牢さを感じさせる窓から建物の中を覗くが、はじめは何も見えない。でも目が慣れてくると、中の広さ、四角さなんかが見えてくる。一人では気味が悪いが、せっかくだからと中に足を踏み入れる。湿った床。やたらとよく響く足音。トンネルを抜けて、草ぼうぼうの廃墟へ。日の光を浴びると、それでもなんかほっとする。海を臨む第２砲台跡。ここまで降りてくると、船着場は近い。さて。日帰り旅行、というか、プチ放浪を終えてふらふらと家路に着く。何事もなく。すこし足は疲れているけど、ほんとうに何事もなく、自分の場所へ帰るのだ。こんなとき、思う。ふつうって、なんだろう。きっと、あさってから普通に働きだすということからくる感傷だ。やれやれ。でも、この「やれやれ」はきっと、昨日までより、すとんと心地良い「やれやれ」だろう。だからふつうに、心は あすへと向かうのだ。

  Aug 31, 2007

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  「ハロー、ダーリン」（シドニー最終日）

  長い旅から戻った友人と、ひさしぶりにいつものバーでお酒を飲んだ。・・・（中略）・・・元気そうね、元気よ、旅はどうだった、お姫さま気分だったわ、それどういうこと、内緒よそんなの。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（江國香織「号泣する準備は出来ていた」） １１月２５日はシドニー界隈を一人歩きまわる。正確には、歩いたり、地下鉄に乗ったり、モノレールに乗ったり、タワーに登ったりしてオーストラリア最後の昼を必死で楽しんだのだ。シドニーは何と言っても都会である。そこここにある、きっぱりと美しく飾られたクリスマスツリーの前にて、ノースリーブにサングラスで、そのへんの人に、そのへんで買ったコニカの『写るんです』で夏のクリスマスの写真を撮ってもらったりする。使い捨てカメラって使わないのか、見事自分の顔を向けてシャッターを押してしまったご婦人もおられた。・・・いや、私もフラッシュが光るまで気づかなかったのだけど。モノレールの話。距離は短いが高い高架の上を環状線みたいにぐるぐる回って町を見下ろす乗り物に、４ドル５０セントでいくらでも乗っていられるというのはなかなか良いと思う。ビルをかすめ、木の葉を揺らして走り抜け、まるで、街が遊園地にでもなったみたいだ。たまに、駅で停車せず通過したりしていたが、まあ、もう一周乗ればいいか、みたいな気安さがある。ハーバーブリッジも歩いてみた。でも橋の端っこに出ようとして歩きまわる途中、ロックスマーケットなんていうものに出くわして、街角に突然現れた花屋や手作りの作品群に気をとられ、完全に方向を見失って、地図にも詳しく載っていない古いアパートの続く普通の住宅街に迷い込んでしまう。まいったなあ、どんどん暑くなるし、と、だんだん不安になってとぼとぼ歩いていると、年代もののアパートの前の２畳ほどの芝生の庭で犬といっしょにひなたぼっこしている年取ったご婦人が声をかけてくれる。その言葉が、「ハロー、ダーリン」である。はじめて聞く、おひさまのにおいがするような挨拶。急いで道をたずね、やっと登った橋の上は風が強くて、どこまでも遠くが見渡せて、つかれを吹き飛ばすよう。忙しい一日でいちばん長居をしたのは、セントメアリー大聖堂とそのまわりの緑あざやかな公園だと思う。教科書に写真載ってるようなとこやん、って感じだが、外観のみならず、建物の中から強い光を受けて輝く繊細なステンドグラスを見ていると、そのひかりが、そしてそこにいる何人もの人がみな、静謐、という言葉を形作る一部分になっているかのようだ。折りしもこの日は週末の結婚式が執り行われていて、賛美歌が豊かに響いていた。自分が入ってきたのとは反対のドアが片側だけ開け放されていて、そこから差し込む強い光、公園の緑や噴水のしぶきの気配を含んだそれが、暗い館内と強烈なコントラストを成している。一夜明けて、懲りずにロックスマーケットをうろうろしたあと、飛行機で一路関空へ。リムジンバスで家路をたどれば、オーストラリアではまったく耳にしなかった、次の駅を知らせるアナウンスがゆるやかに聞こえてくる。うちへ帰れば、二人の娘がそれぞれ「がいこくの、いちえんだま」と「まんま」を待っているだろう。夫とおじいちゃんおばあちゃんは疲労困憊かもしれない。でもまた行きたいなあ、と、無責任に思う。いや、今度は少し大きくなった娘らも連れて行くか。けっこう、いけそうだしな、でもそんな前向きな気分と裏腹に、関西地区の夜は冬を呼ぶ雨のなかなのだった。

  Dec 20, 2006

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  「僕らだってすぐに大人になるよ。」（シドニー１日目）

  目のさめるようなブルーの空とか、目のさめるような明日とか、欲しいのはそういうものなのか、違うのか、うろうろしながらもサングラスごし明日を向いているつもり１１月２４日、朝５時台の飛行機でシドニーへ行く予定であったため、前日の誓いをいきなり破って４時ごろ起きる。日本の３時である。クレイジーだ。着いたらケアンズよりさらに時計を１時間進める。サマータイムだそうだ。シドニーでの拠点はオペラハウスなんかを見下ろせ、昔ながらの街並み、ロックス地区に隣接している。ホテル周辺を歩き回り、やや疲れ気味でオープンテラスの店をのぞいてまわると、そこここで夕方から呑んでる仕事帰りらしき人たちを見かける。金曜日だからか？それともサマータイムだから？でもまだ３時ごろなんだけど。・・・幸せそうだ。それはともかく、ロックスというのはオーストラリアの開拓がはじまった場所で、昔の古い家並みが出来る限り残されていて情緒あふれる町だ。信号はない。そのかわり、「歩行者優先」をあらわす、黄色地に紳士の足元が黒で描かれた三角の道路標識が交差点ごとにあって、ベージュや落ち着いた茶色の建物とレンガの道に不思議に調和している。赤いリボンを付けた夏の緑のクリスマスのリースも通りに良く似合って、小さい角をふと曲がると絵はがきのような小路に出たりする。ただ、とても歩きづらいのだ。シドニー全体がその傾向にあるが、町が平坦でないので、歩いている通りからそれに並行する道に出ようとすると、高さがものすごく違うため細い階段を抜けねばならなかったり、その階段がまた曲がりくねっていたり、すごく大回りしなければならなかったりして、地図上は京都並みに分かりやすい道が、はじめて歩く私にとっては高低差のある迷路のようだったりする。すぐ前に見えている道に、なかなか簡単に出られない。それでも散策を続けていると、人ひとり通るのがやっと、なんていう細くて急な坂を見つけることが出来たりして、なかでも気に入った抜け道を、ホテルからどこへ行くにも通り抜けたりしていた。　道がそんなだから車の便はあまり良くないのか、サーキュラーキーという港に行くと多くの人が通勤通学に使うというフェリーや水上タクシーが発着していて、まだまだ強い夕方の光のなか、制服を着込んだ、小学校高学年ぐらいの男の子たちが降りてくる。そのうちの一人が何を思ったか深刻そうに、「僕も大人になったらこれで仕事に行くんだよな、むずかしい顔してさ、」もう一人が、冗談を言いあうときの笑いかけた顔のまま、「そんな、考えられない、まだまだ先だよ、」「いや、僕らだってすぐに大人になるよ。」少年よ、大人になるのはそんなに悪くないよ、毎日ビール飲んだりも出来るんだしさ。 この日は目をつけていたビアーパブがパーティーで使えなかったので、ちょっとドレスアップしてホテル最上階の高級そうなバーへ行き、ギブソンを頼む。このギブソンでは、ケアンズのホテルにてえらい目にあわされていて、頼んだらバーテンはこれを知らず、レシピを見て作ってくれたもののやたらぬるくて、しかも断りもせずにパールオニオンが抜いてあり、おまけにストローがついてきたのだ。少し疑いながらもオーダーする。「ギブソンが飲みたいんだけど。」「マティーニ？」「いや、マティーニだけどなかにパールオニオンが入っていて、・・・」「アイノウ、ここではギブソンマティーニって言うんですよ。」その後、ジンかウオッカか、なんて聞かれてますます不安になるが、ほどなく冷えたグラスに冷えた透明な液体（ほとんどジン）が注がれ、パールオニオンは３つもついている。「これでいい？」って、これはケアンズでも聞かれたんだけど、もちろん、良いですとも。・・・ていうか、うまいです。

  Dec 18, 2006

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  "No hurry." （ケアンズ３日目）

  あたらしい場所へと向かう僕はくちぶえふいて、１１月２３日はキュランダという熱帯雨林の町ヘ出かける。この世界最古の森を、オーストラリアは観光と両立させつつ国を挙げて守っていて、たとえばスカイレールというゴンドラをつくる際、航空写真を撮って木の少ないところを選んで柱を立て、また建設する資材を運ぶのに道路を作ると森林を伐採することになるので軍用ヘリコプターをつかったというのである。車両（、と言うのかな？）部分は景観を乱さない深い緑色で塗り、その色が夜は見えにくくて夜行性動物がぶつかってけがをするといけないからと、毎晩はずして朝６時から付けるという。乗り物の到着時間なんかアバウトなのに、このへんすごく念入りである。でも、そこまでして守りたい森なのだ、と言われて頷けるぐらいの圧倒的な存在感がこの森にあるという気がする。キュランダ鉄道という、レトロでかわいい列車に乗る。「世界の車窓から」のオープニングを１０年も飾ったとかいうもので、風光明媚な景色のなかを、ほとんど歩くような速さで走る。開け放した、というかもともとガラスのない窓からは目の下をどこまでも続く熱帯雨林、あるいは岩を削る滝、それが過ぎて市街地近くにおりてくればのんびりとしたサトウキビ畑の連続と、飽きることがない。はっとして思わず息を呑んだのは木々のあいだに「ユリシス」という青いチョウを見たときだ。上が鮮やかなブルーで下が黒、という羽を持っていて、羽ばたくたびにキラッキラッと青く光るようだった。「見ると幸せになれる」、というジンクスが出来たのも、不思議はないと思う。昔ジャングルを歩いていてこれに出会った人はきっと、奇跡を見たと思ったに違いない。誇張ではなく。さて、ケアンズ最後の晩も、いや正確には夕方からだが、くだんのパブで飲む。ハーフパイントのビクトリアンビターを持ってうろうろ席をさがしていると、「座るところがないなら来ないか」、とサンタクロースみたいなアメリカ人とイギリス人みたいなアメリカ人のおじさん二人連れが声をかけてくれる。「名前は？」「どこから来たの？」で始まって、「ホリデイなの？」「なら海へは行った？」・・・観光客の会話なんて、日本人もアメリカ人も同じだ。そのうち、２人がシドニーからまわって来ていて、私が明日からそこへ行くことがお互いにわかると、２人のシドニーに関するレクチャーが始まる。一人がボールペン、一人が紙を出してきて手書きの地図まで作って説明してくれる。「ボンダイビーチは良いよ、シティーセンターからバスに乗るだろ、それで・・・たぶん、３駅目。」「そっから南に歩くと景色が良いね、あ、でも北へも歩けるよね。」「いや、そっちはたいしたことなかったぞ、でもここのフイッシュアンドチップスはうまかった・・・。」で、サンタのおじさんの口癖は、「No hurry, 急ぐことはないさ。」「そんなにどんどん飲みなさんな、No hurry.」「ここはバスよりゆっくり歩いたほうがいいさ、No hurry.」という具合。引き伸ばして発音するその感じが、本当にゆったりとしていてそれもそうだなという気になってくる。そのうち私もうつってしまって、” N～o hur～ry～.”と言うたびになぜか大笑い。ただの酔っ払い集団である。ケアンズの居心地があまりに良くて、離れがたい気分だった私もだんだんわくわくしてきて、よし、シドニー行くぞ、ただしのんびりとね、などと、けっこう力強く思ったりしたのだった。

  Dec 14, 2006

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  「えさを与えないでください」　（ケアンズ２日目）

  海も空もこんなにも光るからみずいろに透けてどこにもいないふりの自分１１月２２日、朝起きると街が濡れている。夜のあいだにスコールが降ったのだ。日本と同じ雨の匂いが、少しする。でも、空はすでに晴天だ。この日は船で珊瑚礁の連なる場所・グレートバリアリーフの小さな島、グリーン島へ。一日がかりだけど、私も皆に習ってビーチサンダルで出かけてしまう。近づいてきた島は本当に見れば見るほど小さく、まわりをぐるりと美しいビーチが囲んでいる。まさに「南の島」のイメージだ。昼ごはんのカフェで、私はゆでたエビにレモンを絞ったのばかり食べていたが、足元にはフライドポテトにご執心の小さなお客様がたくさんいて、ときどきすごい速さで誰かのポテトをくわえて駆け抜けていく。鳥たちである。環境保護に熱心なこの国で、これは憂うべき問題であるようで、「えさを与えないで下さい」のみならず「食べ物を載せた皿を放っておかないで！」とまで書いた看板を立ててあるが、効果は薄いようだ。だってすばしっこいんだもの。さて、この島は美しいだけでなく様々なマリンスポーツの拠点なのだが、私は乗り物関係では酔ってしまうだろうし、ダイビングも出来ないので、シーウォーカーというのに参加してみた。金魚鉢を逆さにしたようなものをかぶり、それにつながったホースで空気を送ってもらって海底を散策するというお手軽なアクティビティーだ。４５キロの金魚鉢もどきも腰に付けた重りも、水中ではさほど重くなく、なるほど快適だ。「でも、海底で転んでかぶってるやつ外れたらどうしよ、」などと心配していたのもつかの間。装備のことなど一瞬で忘れさせるに十分な、ものすごい魚の数である。なんていうか、澄んだ水の中ではこれが普通なのかなあといつも不思議に思ういわゆる南国の、あかるい色を纏った魚たちの、それこそもう、・・・大乱舞。思いきって水面を見上げるとぽこぽこ、と上がっていく無数の透明な泡と、これまた魚たちの、銀色に光る腹。だから、海底で映してもらった写真を後から見てみると、私はどれもこれもきょろきょろまわりを見ていてまったく正面を向いていないのだった。

  Dec 12, 2006

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  「カンガルー見えるか？」　（ケアンズ１日目）

  うかつに日陰から踏み出せば揺らぐ心の奥まで見透かすようなあかるい空だでも、足は止まらない。「偏見を得ようとするならば、旅行をするのが良い」というような言葉を、何かの本で読んだことがある。それくらい、ある国や土地の印象なんて、ほんの些細なことで決まってしまう気がする。でも、せっかくだから書く。１１月２１日朝早く、いよいよオーストラリア到着である。日本との時差はたったの１時間。でも向こうは南半球だから季節は日本のちょうど間逆にあたる。夏へ向かう、私のいちばん好きな季節だ。目的地はケアンズだが、とりあえずブリスベンで乗り継ぎだ。飛行機の小さな窓から、大地という言葉を思わせる広大な陸地が見え始めると、寝不足の乗客もなんとなくざわついて、後ろの席に並んだ高校生たちの声が高まる。通路側の子が窓側の子に、「おい、カンガルー見えるか？」「おお、見える、見える、あそこでぴょんぴょんとんどるわ。」「誰か知ってるやつおるか？」「おお、おるおる、こうやって手ぇふってる。」やっと街の家々の屋根が見え始めると、「なんか岸和田（大阪の下町）やなあ、これ。」でも声はわくわくしている。そんな会話に代表されるような、「何か言いたい」的な浮かれた気分が少しずつ、少しずつ、空気を満たしていく。飛行機を降りると、やっぱり欧米っぽい香水の匂いというか、食べ物の匂いというか、そういうものがする。人も同じ匂いだ。自分では自分たちはたぶん無臭に近いと思っているけど、彼らからすればアジアンな匂いがしたりするのかなあ、などと思う。乗り継ぎの飛行機はとても寒く、日本からの格好にさらにブランケットをもらって耐える。とても初夏とは思えない。ところが、降り立ったケアンズは３２度。これが、うだるように熱いという感じではないのだ。空気が乾いているからか。ケアンズの中心部は小ぢんまりとして美しく、海岸沿いにまっすぐ続く、エスプラネードというのが、（まちの端っこなのに、）この町のメイン通り。あちこち歩き回ると、道路横でいきなり誰でも入れるプールに出くわしたりする。明るい陽射しが、そこここで海やプールの水面をきらきらさせている。皆の格好がラフなのには驚く。上・袖なしで下・短パン、サンダル履きはまあ、アベレージだ。なかには、はだしの人もいるのだから。飲食店にはほぼ確実にオープンテラスがあって、飛行機の中で経験したような寒さを感じないためには、何でも外で食べるに限る。陽射しさえ避ければ、かなりの心地良さだ。驚くのは、あちこちに第二外国語みたいに日本語表記があることだ。看板に日本語のある店には、日本語を話すスタッフが居たり、日本語のメニューが用意されていたりする。そうしてそういうところは、日本人だらけだ。そうじゃないところは、英語を話す客ばかり。線を引いたようにみごとに住み分けがなされているのである。せっかくのリゾートだから勝手に線をまたいで「規律」を乱し、ヨットハーバーを正面に見下ろす良い雰囲気のパブでビールばっかり飲む。どれぐらい雰囲気の良いところだったかと言うと、私がこれより毎晩通うようになるぐらいだ。ハーフパイントと頼むと、だいたい３５０ミリリットル缶ぐらいの量が出てくる。陽が落ちるのが遅いから、ビールグラスに正面から夕陽があたる。ほっぺたには、ほとんど匂いのしない潮風。言うことないではないか。なんかちょっとセクシーなカンガルー、載せてみました。

  Dec 11, 2006

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  オーストラリアへ

  灰色のゲートを抜ければどこも似たような、でもこことは違うはずの空手持ちぶさたになった僕は風の匂いで明日を占う心を震わせるどうでもいい言葉夢を見せるその場限りの即興届かないから理想いいかげんでは駄目だと云うなら僕らどうやって生きてゆけるだろう。 去年の夏、私の妊娠中、一人でアメリカの大自然の中へ釣りに出かけてしまった夫は、そのことをちょっと気にかけていたようで、育児休業中で、しかも娘・１歳が少し手のかからなくなった今、どこでも好きなところへ、一人ででも行ってきたらどうかとずっと言っていた。借りを返したい感じ、だったらしい。なんとなく、分かる気がする。そんなこんなで、11月20日より一週間、オーストラリア・ケアンズ周辺とシドニーに行ってきた。はじめての一人旅。海外。うん、いい感じかもしれない。荷物を引っ張って歩くのや、荷物が流れてくるのを空港でじっと待つのは嫌いなので、夫の釣り用のカーキのリュック（ぎりぎり機内持ち込み可）と、このごろよく使ってた軽いショルダーのみのお手軽荷物。向こうは初夏、もしくは夏の気候だから、きがえもあんましかさばらないし。そうして、鮮やかに染まった木の葉がだんだんと色を無くして季節が冬へと変わる頃、うすら寒い町を抜け出して夏に向かう途中の国へとひとっ飛びっていうのは、寒がりな自分としてはかなりうれしい。さて。私が旅立ったのは、数日前から降ったりやんだりの雨にすっかり冷えて少し暗いトーンに染まった町に、ほんの数時間弱い陽がさした、そんな夕方だった。空港行きのバスに乗ってほどなく、あっという間に夜が落ちて、その薄い金色も影をひそめてしまう。それでも国際線のロビーに着くと、ここからどこかへ行く人たちのざわめきが、それぞれ少しずつだけど場にあざやかさを加えている。軽く夕食をとって、出発時間を待つ。外国へ行くと、空気の匂いが変わる。オーストラリアは、どんな匂いがするだろう。まず、それが楽しみだ。・ ・・などと考えながら、1週間ほど日本を空けたときの話を、これから少しずつ、していきたいと思います。※日記をアップした時点ではパソコンに取り込んでなかったんですが、　写真、テストで貼り付けてみました。　いけそうです。 　でも、デジカメの電池がケアンズで切れてしまったので、　本文に関係なくケアンズの写真をぺたぺた貼り付けていくことになりそうです。

  Dec 8, 2006

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