美徳のレッスン「純粋」美徳のレッスン2「純粋」(平成18年12月2日開催から)1.お祈り (前回参加できなかった人もいますので,簡単に前回のレッスンのポイントを説明します) 「このクラスを始めるときは,始めに何をするのかな?」と聞くと,子ども達が,「お祈り」と答えます。「お祈りは,『神様と話すこと』で毎日ご飯を食べるように,お祈りは心の食べ物で,心に栄養を与え,心を強くしてくれますね」と言います。次に「お祈りの時は,どんなふうに座りますか」と聞きますと,子ども達が,「じっと座る」とか,「目をつぶる」などと言います。皆で,静かに「アラホアブハ」という短いお祈りを三回言って,しばらくそのまま静かに待って,それから声をかけます。 2.引用文の復習 準備するもの:『心の宝箱』・・・紙をハートの形に切って,その一つずつに美徳の名前を書きます。クラスの人数分作り,きれいな箱の中に入れます。 「今まで,一人一人が心の中の宝石(美徳)を磨いていくと,世界全体が平和になるということを学びました。そして,心の宝石を取り出して磨くことは簡単なことではないけれど,神様という強い味方が,わたし達みんなをいつも愛して,励ましてくれているということを習いました。また,神様の教えは愛と和合のためにあるということについての大切な言葉も覚えましたね」と言って,引用文「神の宗教は,愛と和合のためにある。それを 敵意と不和の 原因にするな」を読みます。 「心の宝石はたくさんありますね」と言って,「心の宝箱」を持って子ども達のところを回り,1人ずつカードを取ってもらいます。(お母さんや子どもの誰かがしてもいいでしょう)「どんな心の宝石のカードをとりましたか?」と聞き,一人一人に立って言ってもらいます。「前回はどんな心の宝物を磨きましたか」と聞いて前回習った美徳が「和合」ということを確認します。「和合は,平和な世界をつくるためにとても重要な美徳でしたね。和合の力はとても強力で,世界をどのように変えることができるかを覚えていますか」と言って,引用文「和合の光は 世界を 全て 照らしえるほど 強力である」をみんなで読みます。 3.今回のテーマの紹介:純粋 「今日はどんな心の宝物(美徳)を磨くのでしょうか・・・」と言って,純粋とホワイトボードに書きます。「前回習った美徳,和合は簡単なことではありません。和合のために,純粋という美徳が必要です。純粋な心とは,わがままや,よくばりな気持ちなどがないきれいな心です」と説明します。 4.引用文 「純粋について,とてもいい言葉があります」 引用文のカード 「わが第一の忠言は これである。すなわち 純粋にして 優しく また輝かしき心をもて」 をホワイトボードに貼って,一度一緒に読みます。次に,分からない言葉はないかを聞き,例文などで説明します。 言葉の説明などは以下のように説明します。 「忠言」:「うそをついてはいけません」は神様の忠言です。 「わが」:「わたしの」という少し古い言い方。ここでは,誰の忠言なのでしょう? 神様の忠言ですね。 「純粋」:何も汚れがない,澄んでいる・・・このクラスのお話によく出てくる,アブドル・バハという人は,子どもが一番純粋と言われています。 「すなわち」:「つまり」と同じ意味 「輝かしき」:「輝かしい」という少し古い言い方 「では,自分の生活の中で,考えてみましょう」 「『純粋な心』とはどんな心かな?」・・・わがままでない。意地悪をしない。意地悪をされても仕返しをしない。欲張りではない。など 「『優しい心』とはどんな心かな?」・・・みんなに親切にする。意地悪した人にも親切にする。分からないと言っている人に教えてあげる。など 「『輝かしい心』とはどんな心かな?」・・・どこでも明るく,みんなを惹きつける。すぐ友だちになる。など 引用文を3回一緒に読み,徐々にカードを取り外して,引用文を覚えるように指導します。 5.「実験」 「では,これからみんな科学者になって,純粋な心について考えるための実験をしましょう」 準備するもの:きれいな水の入った水差しまたはペットボトル,きれいなコップ二つ(透明なプラスチックコップで可),少量の泥,混ぜる棒,水を捨てるためのバケツ,テーブルに敷くシート,ぞうきん(水がこぼれた時に床をふくため) 「コップはわたし達の心だと考えてください」と言って,きれいな水を二つのコップに注ぎます。「どちらの心もきれいな気持ちで満たされていますね」と言います。それから,泥を見せて,「これはわたし達のわがままや欲張りなどの悪い考えや気持ちです」と言って,片方のコップに,「おもちゃを貸してあげない」などと純粋でない考えを言いながら,泥をほんの少量入れて,水をかき混ぜます。 「さあ,どちらのコップの水を飲みたいですか」 見た目はあまり変わりませんが,子ども達は,当然泥を入れなかった方を選びます。「なぜですか」と子ども達に聞きます。「泥の入った水を飲むと,お腹を壊してしまうでしょう。同じように,自分のわがままや,欲張り,やさしくない気持ちは,自分もまわりの人も傷つけてしまいます」と言います。 「では,この水をきれいにするにはどうしたらいいでしょう。きれいな水を注いだらいいですか」と言って,泥の入ったコップに,きれいな水を注ぎます。 「それでは,飲めない」と子ども達は言います。泥の入った水をいったん全部捨てなければならない。そして,捨てただけでは,まだ泥がコップの底に少し残っているので,コップを洗わなければならない。それからきれいな水(神様の教えや言葉など)を注ぐ,というように導きます。「自分の心から,悪い気持ちを捨てて,心を洗うにはどうしたらいいでしょう」と言って,子ども達に考えてもらいます。 子ども達の答えや反応をみて,「悪いことをしてしまったら,謝る。これからは正しいことをするように努力する。がんばれるように,お祈りをとおして,神様に助けてもらう,などですね」と言います。時間がゆるせば,子どもにも泥を入れること,水を捨ててコップをきれいにすることをさせます。 「純粋はとても大切な美徳なので,もうひとつ実験をしてみましょう」と言って,きれいに磨いた鏡を取り出します。「この鏡はわたし達の心だと考えてください。この鏡はピカピカです。光を反射して,みんなの顔もきれいに写してくれます」と言って,鏡をみんなに見せます。「さあ,天井を見てください」と言って,鏡の反射した光が天井に反射するのを見せます。 「でも,この鏡が汚れると,どうなるでしょう。心の鏡を曇らせるほこりのようなものは何でしょう?」と聞いて,「嘘をつく」,「意地悪をする」,「きつい言葉を使う」などと,子ども達と考えて出てきた答えを使いながら,クレヨンで鏡を汚します。そして,今度は天井に光が反射しないことを見せます。 ここで,めがねふきの布を出して,「これで鏡をふいてみましょう」と言って,子ども達に順番に鏡をふいてもらいます。前回の美徳「和合」を思い出して,全員がふけるように少しずつすることを確認します。 ついに,鏡が元どおりピカピカになります。そして,天井にまた光が反射するのをみんなで見ます。「きれいにするためには,かなりがんばらないとだめですね。心もそうですよ。でも,祈って,自分の嫌な気持ちを心から消して,傷つけた相手に心から謝ることで,このように,心の鏡はピカピカに磨かれるのです。どんなときもがっかりしないで心が純粋になるようにがんばりましょう。心が澄んでいると,神様の光を反射して,まわりを明るくして,他の人を幸せにします」と子ども達を励まします。 もう一度,今日の引用文を,みんなで読みます。 6.引用文をなぞる(まわりにお絵かき) 今日の引用文を薄く書いたプリントを用意して,引用文をなぞってもらいます。低学年の子どもも上手になぞれます。漢字に振り仮名をつけておく方がよいです。引用文がなぞれたら,その周囲に好きな絵を描いたり,シールを貼ったりしてもらいます。子ども達がぬり絵をしている間,まわりを歩いて,質問をしたり,ほめたりします。色鉛筆や,鉛筆削りなどは,「和合」の美徳を発揮する練習として,仲良く使うよう励まします。写真は子ども達の作品の一部です。 7.ゲーム(のどがカラカラ) 子ども達がお絵かきをしている間,お世話係は二組に分かれて,ご父兄の皆さんの意見を聞いたり,話し合いをしたりします。今回は,この時間に父兄の方々に今日のゲームについて説明をして,ゲームのとき,子ども達の前で寸劇をしてもらいました。 準備するもの:八つ切り画用紙一枚を,子どもの腕がはめられる大きさに丸めてホッチキスで止めておく×12個,ストローがついている紙パックのジュース人数分 「今日習った『純粋』という美徳を,いかに上手に発揮できるか,楽しいゲームをしましょう。○○ちゃんのお母さんと,○○くんのお母さんにしてもらいますね」 お母さんが二人,腕に画用紙を丸めたものをはめて登場。お母さん達が砂漠にいて,のどが渇いているふりをする。そこにジュースを2本見つけます。でも,腕が曲がらないので飲めない。困っている様子を演じてもらいます。 「さあ,どうすればいいでしょう?みんなで考えてみましょう」と言って,子ども達に二人組になってもらい,どうすればジュースが飲めるか二人で考えてもらいます。いい考えがうかんで飲めたら,ごほうびにジュースを最後まで飲んでいいと言います。 「純粋な心ならどうするかな?」と大事なヒントを1つ与えます。お互いに相手に飲ませれば,二人とも飲めることがねらいですが,子どもはいろいろな方法を考えます。ヒントはそれぞれのグループの様子を観察しながらタイミングを見て与えます。このゲームのポイントは,心を純粋にして,自分より先に相手のことを考えさせることです。 8.新しいお祈り 今日の引用文に「輝かしき心」という言葉がありましたね。そういう心を育てるお祈りを紹介します。説明は次のクラスでしたいと思います。今日は一度読んで,その後,歌になっているので一度歌います。 神様,わたしをお導きください。お守りください。 わたしの心の灯を明るくして,わたしを輝く星となし給え。 あなたは偉大なる御方(おんかた)におわし, 力に満ち給う御方にまします 9.まとめと宿題 「今日習った心の宝物は純粋でしたね」と言って,引用文をもう一度みんなで暗唱します。 宿題:家でも,学校でも,どこでも,心を純粋にするよう,がんばりましょう。 (最後に,次回の日程や時間の確認をします) 10.父兄の皆さんとの話し合いから ・純粋でいたいけど,それはとても難しいことだなあと思います。 (今日のクラスで子どもに伝えたかったのは,やり直しができることです。人間誰も が不完全ですが,祈りと行動をとおして純粋な心を目指していくことができます。) ・ 大人に対して純粋な心を持つことは比較的できているように思いますが,子どもに対してだと余裕がなく,冷静になりにくいです。 (全くそのとおりですね。わたしは,子どものためにも自分のためにもお祈りをし ます。そうすると,子どもを見る目が変わることもあると思っていますので。) ・子どもが学校でいじめられ,学校では我慢をしていますが,家に帰ったら下の兄弟にあたったり,いじめたりしています。この経験から,家族が子どもにたくさんの愛情を注ぐことの必要性を強く感じています。神様がわたし達を愛していて,いつも見守っていることを子どもが信じることができれば,このような試練の中でも,とても心強く感じるのではないかと思います。 ・子どもに対して,頭ごなしにものを言ってしまいがちです。ここで皆さんと話しをすると視点が変わってきました。このようなことについて話し合える場が必要だと感じています。 11.親御さんへお願い 子どもさんをほめたり,励ましたりする時,美徳の言葉を使ってください。例えば,子どもさんが,純粋の美徳を示しているときは,「純粋の美徳を発揮していますね」と言って,大いにほめてあげてください。そうでないとき,「純粋が足りませんね」などと言って,子どもさんを励ましてください。子どもは,欠点ばかり指摘されるとがっかりしてやる気をなくすかもしれませんが,美徳のことを思い出すことができたら,自分が目指すべき目標がはっきりして,頑張ることができると思います。 |