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不妊治療の培養室から

ヒトの受精卵の発生

ヒトの受精卵の発生

ここでは、ヒトの受精卵がどのように発生していくか説明したいと思います。

まず最初に受精卵です。受精が確認できるのは、精子と一緒にした次の日(1日後)になります。写真は、前核期と呼ばれる、受精したかどうか確認するときの状態です。卵の中央部分に前核と呼ばれる核が2つ見えます。この写真では分かりづらいかも知れませんが、前核の中に、核小体と呼ばれるつぶのようなものも見えると思います。
 前核はだいたい精子と一緒にしてしてから14-20時間後見えてきます。前核がまったく確認できない場合は、受精していないと判定されます。また、通常、前核が2つなので、1個とか3個の場合には異常な受精と判定されます。

前核期

受精した次の日(2日目)には細胞分裂して4細胞期胚になります。

4

そして、精子と一緒にして3日目には、8細胞期になります。

8細胞期

4日目になると、桑実胚と呼ばれる、いわゆる桑の実のような状態になります。このとき、ひとつひとつの細胞どうしがくっつきはじめ、"べとーっ"としたように見え始めます(コンパクション)。

桑実胚

5日目には、胚盤胞と呼ばれる状態になります。胚の細胞が分化(役割が決まってきて独自の機能を持ち出すこと)しはじめ、胚の中央部分には、胞胚腔と呼ばれる空洞が見られるようになります。そして、このときの細胞数は数十個から100個くらいにまで増加しています。一般的には、我々、胚培養士が培養しているのはこの時期までです。
 また、胚盤胞まで、成長した胚を移植することができれば、妊娠率は高い(胚盤胞のグレードにもよりますが、一個の胚盤胞移植あたり30-60%)と言われています。

胚盤胞

6-7日目には胚盤胞は、透明帯と呼ばれる“殻”から抜け出ます。これをハッチングと言います。このハッチングが起こらなければ着床しないので妊娠することは出来ません。

ハッチング中

この写真はハッチングが完了したものです。

脱出胚盤胞

我々、胚培養士(エンブリオロジスト)はこういった胚を扱い、できるだけ良い胚を体外で培養・選別する仕事ということになりますね。















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