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つりんちゅぬ宝

つりんちゅぬ宝

いよいよ猿倉 ゴール!

いよいよゴール目指してLet’s Go!

表紙


ここからがきつかった・・・




温泉に入ることなく出発した一行。
温泉が川となって流れるところに未練たらたらで手をいれる。
「あったかい・・・」

もう過ぎたこと。さあ、行こう!
私が先頭を歩き出す。

登り、下り、雪渓、崖と起伏と変化に富んだコースを進む。
コースタイムでゴールまで3時間。

1時間半経ち、休憩を取る。
この頃になると13名のグループが分断され、
2~5名の4グループになっていた。
先頭は若者に譲り、2番手集団を5人で形成していた
私たちは地図を広げ位置を確認する。


「今どこ?」



「今で半分だな?」



「おっしゃー!順調だ!この調子で行くぞ!」


すっかり元気になっている。
本当は3分の1も来てなく、だまされているとも知らずに・・・

視界が開け、はるか遠くまで山並みが見える。しかもそれが
コースで、道も見える。が、ゴールは見えない・・・

さらに1時間半が過ぎ、もうゴールは間近だとおもいながら
歩いているが、サッパリゴールの気配が無い。

この頃になると、さらにグループは分断され、2~3名になる。
先頭はI君、Tちゃん。
二番手はM氏、Kちゃん。(のちのO夫人)
私は3番手グループでO氏、N君。
4番はN氏、A氏(鑓温泉で動けなくなった人物)
最終組はリーダー、サブのY氏、K氏、Mさん。


O氏が「モーニング娘。」の「ラブマシーン」を口ずさむ。
私も初めは一緒に口ずさんでいたが、うっとおしくなってくる。

キレた。


「うるさい!黙って歩け!」



「えーっそんなあー、景気付け景気付け」


A氏が追いついてきた。さすがに荷物がないと身軽だ。
水場があり、一休み。
A氏によると、Mさんが雪渓で足を滑らせ、滑落したらしい。
幸い擦り傷と軽い打撲で済んだようだ。

すぐ出発する。
が、A氏は動かない。

しばらくすると、A氏が追いついてくる。
A氏が追いつくと水場がある。

A氏を水神様と命名。

ここら辺で疑問が湧いてくる。

「さっき半分って行ってたよね?もう2時間は歩いてるぞ?
絶対ペース落としてないから、あれはうそだな?」



「そういえばそうだ!Mめ、うそをついたな?
うそつきー!」(絶叫)



「ねーねー、これ何?この標識ってもしかして、コースの
配分でないの?ということは、5分の3ってこと?」



「絶対そうだ!うそつきーマーミー!」(再絶叫)


リーダーは追いついてこない。
マーミーにも追いつけない。
視界は開けない。
足元しか見る余裕がない。
景色が見えればまだ気晴らしになるのだが・・・

だまされたことに気づいてからさらに1時間。

傾斜がなだらかになり、歩きやすくなってきた。
ゴールは近い?

水の無い沢をひた歩き、登山道入り口に出る。
もうすぐゴールだ!

リーダーが追いついてきた。

登山道入り口にあるベンチに腰かけ、死にそうな
顔をしている。垂れた鼻水を拭く気力も無いみたい。

ここからあと20分で猿倉。

やっとゴール!

先行の4人はカキ氷を美味しそうに食べていた。
私もポカリを一気のみにし、カキ氷を食べ、
後に続く組を迎えにいった。

午後5時、予定より2時間半遅れて全員ゴール。

タクシーに乗り、途中の温泉に向う。
が、電車が間に合わない。
このまま温泉に入らずに向っても間に合わない。
どうせ間に合わないなら入っていこう。

みな意義なし。

始発で帰ると何時になる?

といっていたら、朗報が届いた。

白馬からバスで長野まで行けば新幹線があると。

バスは30分おき、新幹線は9時まである。
助かった。

白馬までタクシーで行き、手打ちそばを食べた。
みんな2人前づつ食べていた。過酷な2日間だった。
たった2日で5キロもやせた私。

夕暮れに白馬岳の山並みが美しい。
リーダーがみんなに説明する。

「今日、みんなはあそこからあそこまで歩いたんだよ!」


歓声が上がる。


「ねーねー、俺はどこから歩いたの?」



「あなたは、あの山のさらに奥の山二つ越えたとこ!
はっきり言って凄すぎ!よく歩けたよな!」


思わず両手でガッツポーズを3回やっていた。
山を見つめていたら涙があふれてきた。

辛かったけど、感動をありがとう・・・


     白馬岳 「完」



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