◆バル子のここだけのハナシ◆

2006/04/21(金)23:03

79才のラブレター

バルディーナ流(22)

この数日、関税ショーック...とでも言うのか、どうにもアタマが痛くて、ゲリラも襲来し、眠れぬ夜を過ごし、体調不良であります。 そんな状態であるにもかかわらず、日記を書くわたしって...わたしって...もしかして...アホ? 実は、毎日、私は世界中から何通か必ず「ラブレター」っぽいメールを受けとっている。 『あら~~モテテ、よろしゅうございますわねえ~~オホホホ』 などと、妬みをかうようなものではなく、実はコレがかなり負担になっておりまして、全員には返事は書けないし、また、書きたいと思うような相手もなく、まあ、たまにコピペで送ったり...と時々、私は自分を、ドラマ「やまとなでしこ」の神野桜子かぁ~~・・・と思ってみたり...。しかし、ドラマの主人公が結果的にホレたのは魚屋の「堤真一」であり、現実でも、やはりそれと似たり寄ったりの展開でして、ただ、ドラマはハッピーエンドになるけれども、現実は...非常に厳しく、またミッションインポッシブル連続なのであります。 そんな中、79才のじいさんからラブレターっぽい(完璧なラブレターでないところがミソ)メールが届いた。 私はいわゆる「じじいキラー」と呼ばれていた頃がありまして、ニューヨークで学生をしていた頃より、引退してヒマ持て余らせて聴講生として大学のクラスを受けていた「ノーマン」という85才くらいの元某雑誌編集長(で、アメリカでは結構な有名人らしかった、が、私は何もしらなかった)が、決まって私の隣の机に座り、授業中、メモ紙に花の絵を描いては私にそっと渡してくれておりました。 ある日、授業にちょっと遅れて行くと、ノーマンが自分の横の椅子を指差し、ニッコリ...。うっ。席を確保してくれてたのね,,,自分の横を...。 そして更に、ある日、ノーマンは私にこう聞くのです。 『この世でとっても美しいものを見たくないかい?』 と。そこで私は、はい、もちろん見たいです、と答える。するとノーマンは、 『鏡を覗いてごらん、見れるから』 と...。はあ...きっとこのジイさん、若い頃はこの台詞でブイブイ言わせてたんだろうなあ…と微笑ましくもあり、 「サンキュ~~」 と言って笑ったものだった。 その後、学期も終わり、ある日、ニューヨークタイムズ紙を見ていると、有名人の訃報の欄に写真入りでノーマンが...きっと、人生の最後に小さな恋心を抱いてくれたのは、私だったのね。....アーメン、合掌。 てなわけで、割とじいさんウケするのは自覚していたけれども、またもや!と思いつつ、メールを読んだら、その内容がとても知性的で暖かだったので、返事をかくことにした。 なぜか? それは... じいさん、ハーバード大学出らしく、ニューヨークにある「ハーバードクラブ」(ハーバード大学卒業生のみの会員制倶楽部)にお食事に誘ってくださったんですもの~~~(完璧に「神野桜子」である)。 コロンビア大学も、ほとんどのアイビーリーグの大学はマンハッタンにそういう卒業生用の倶楽部をもっている。でも、私はまだ「ハーバード倶楽部」にだけは入ったことがなかった!!! じいさんは、非常にインテリらしく、その文面から読み取れるのだけれども、返事を書く時、久しぶりに緊張した。なぜかというと、なんとなく、大学の論文提出みたいな気分になってしまっていたから。 『友達になるのに、年齢の差は関係ないでしょう』 とじいさんは言う。そうです。関係ありません。しかし、「まずはお友達から始めましょう」だとしたら、多分...お友達から進展する頃には、あなたはもう.,..この世には。..。おっと、いけない。 という訳で、次回ニューヨークへ行ったら、「ハーバード倶楽部」でお食事、というイベントがひとつ加わった。 しかし、いつ行けるのか、まったくメドがたっていない...。

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