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★ばりばり通信★バリBAGUSらいふ

★ばりばり通信★バリBAGUSらいふ

2002.6.20 はじめまして!




バリでの生活もなんと1年半。バリのローカルな生活をお伝えしていくバリバリ通信,読んでくれるひといるかな。

私が生活してるのは、「コス」という日本のアパートっていうか、長屋。平屋の一棟に何世帯か生活してるんだよね。一部屋はだいたい6畳くらいかな?小さなトイレとシャワールームが部屋のなかについてあるのは少々高めで、トイレとシャワーは共同っていうのも多い。だいたい若い子はこの一部屋を友達や彼氏・彼女とシェアして暮らしてる。子供連れの家族もこの一部屋に暮らしちゃうんだよ。なんていったって安い!っていうのはあくまでも外国人の感覚で、こっちの人にとっては大きな支出。私が住んでるのはだいたい日本円で1ヶ月3500円。でも だいたいこっちにすんで仕事している外国人は家を年間契約で借りるパターンが多く、それだと、質素な家で年間15万(円だよ)くらいであるかな?だから私のこの生活するこの長屋は非常にローカルチックで日本人の感覚からすると貧乏くさいんだ。でもね、引っ越せない理由があるの。
それは・・・・人情!!!!

人情長屋エピソードその1
同じ長屋にアリちゃんとめぐみちゃんっていう若いカップルがいたんだけど、1週間アリちゃんは実家のあるジャワに帰ったの。当然めぐみちゃんはひとりぼっち。さみしいめぐみちゃんの気持ちを察したのか、しばらくアリちゃんの友達が遊びにきててにぎやかにやってたのね。(安心,安心)ところが夜中になって、私の部屋を誰かがノック。ドアをあけると、アリちゃんの友達が。「僕たちはもう帰るんだけど、めぐみちゃんがさみしいって泣くんだ。一緒に寝てくれる?」
ちなみに私がめぐみちゃんって呼んでいた女の子は実は、ジャワの子で(なぜかみんな彼女のことをめぐみちゃんって呼んでた)英語も日本語もできない。私はインドネシア語ができないので、コミュニケーションのとれない二人が一緒に夜を明かすことになったのね。えーいいのかな??って思いながら枕を持って彼女の部屋にいくと、しくしく泣いてた彼女はちょっと安心したように眠りだした。なんだか おかしなことになったなーと思いながらも、ご近所さんにお泊りした私。ほー。こんなこと日本じゃ絶対ないでしょ。

人情長屋エピソードその2
インドネシアの男の子に恋をしたまきまき。でも振られてしまったの。悲しみにうちひしがれながら、気分転換に引越しをする!!!と荷物をまとめだしたわけ。そうしたら、エピソード1のめぐみちゃんが、会う度に、引越しちゃだめって言ってくれ、言葉の通じない私の部屋に、私がいると顔をだすようになった。同じく長屋に住む、ヤングカップルのナンドとアユも心配そうに、私の部屋に毎晩くるようになった。インドネシア的ヤンママのティア(3人目のベビーを妊娠中)も、自分の夫がかつて違う女にはしって3ヶ月戻らなかったこと、でも自分はおとなしく待って戻ってきただんなをあたたかく迎えた(ほー!! 演歌的)って話をして、慰めてくれた(?)。ちなみにティアは、男は、男を泳がせる女が好きというのを力説していた。(ふむふむ)

そして私は感動していた。なんていう人情長屋なんだ!!!引っ越せない、こんなにいい人たちのいるところから離れられない。しばらくすると私は、そう思うようになっていたのね。そうでなくても、外国に住んでいてしかも言葉に不自由をしているわけだから、孤独なことって結構あるわけ。ましてや失恋という感情的な出来事があったりすると、どうやってこれから生きていこう~なんてかなり感情的に不安定になっちゃたりするわけよ。引越したとしても、その先でこんな人たちと出会えるかどうかなんて、わからないわけでしょ。

と、思いながらも、私の荷物はダンボール箱におさまったままになっていたのね。それを見かねたナンドとアユが、私が快適に住めるようにと、壁を塗り替えてくれたのだ。ずいぶんまえに、私が壁を塗り替えたいと考えているって言ったことを覚えていたのだった。私が仕事にいっている間に、せっせと作業が行われ、その夜クリーム色に塗り替えられた部屋に帰った私は、思わず涙ぐんていた。

そうして、私は今も、この貧乏くさい長屋から出れないでいる。ティアは出産と育児のために親元へ帰ってしまった。めぐみちゃんはちがう場所で仕事をみつけて少し遠くに引っ越していった。今はアリちゃんと一緒じゃないって風のうわさで聞いた。ナンドとアユはまだいる。この二人がいる間は、たぶん引っ越さない、引っ越せないと思う。でも私の荷物はまだダンボールの箱の中。失恋の痛みが癒されるまでは、もうすこし時間がかかるかもしれない。(そりゃただの面倒くさがりだろうって??? かもね。)

ayu&nando  
       アユとナンドだよん


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