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カテゴリ:紫煙のゆらぎ
![]() 北国風光千里氷封萬里雪瓢望長城内外惟余茫茫大河上下頓失滔滔山舞銀蛇原駆蝋象 ……… 長いので以下省略
紫煙のゆらぎ・篆刻
バリ関係の見通しが着いてから僕の人生における第3板目の恩人、故手塚治虫先生について50本ほどの原稿を用意してある。
新聞や書籍関係の依頼原稿は、制約と添削と締め切りが、これでもかと神経を虐待して耐えられず、ついつい編集長や局長と論争の挙句、
「よそへたのめ」
と決別する事が多々多々多々あった。 僕が間違っていたと理解すれば謝罪するが、作品に対しては忠告や批判に対して、ましてや修整などいっさい拒否する。
「僕の作品より素晴らしい作品を見せてくれたまえ。その時は帽子を脱ぐ」
僕のマネージャー氏が、多弾頭ヌクリアのトマホークミサイルを与えてくれた事には大変感謝している。 制約の無い原稿はただで描いて喜んでもらえる似顔絵といっしょで楽しい。 短期間に7千人もの人々が、難解不可思議理解沈没する悪文を、読んでるのか理解してるのか馬鹿にしてるのか、想像するだにおかしくなってくる。
僕の基本はフィロソフィである。 これが、漫画になり、写心になり、文章になり、発言と行動に変化してゆく。 篆刻もフィロソフィである。 “ 遊印 ” 先人の知恵や哲学を、遊び心で。バランスと書体と石の資質に合わせて彫り込む行為は、似顔絵のように最初から完成形が観得ている訳ではなく、意義ある制作の本質と画面構成に時間を要する。 この時間は思索する苦しみの後に楽しみが待っている。 篆刻は1時間はかからない。
1度だけ、体力と気力と根気が何処まであるのか実験を試みた事があった。
北国の風光よ 千里 氷 封じ 萬里 雪 瓢るがえる 長城の内と外を望めば 惟だ 茫茫たるを 余すのみ 大河の上下 たちまち 滔滔たるを失う 山には銀蛇舞い 原に蝋象駆くる ………………………… あまりに長いので以下省略。
体力と気力と根気と、特に技術の完全な未熟さをいやいやと言うほど思い知った。 これも、巷の草書家や中堅書家の息子まで凄いと評価するが、彼らには真理が判っていない。
反面教師としてお見せしようと思う。大作で大変な2週間の結果は良くなかったが、最度の行為ははばかられる。
社団法人日本漫画家協会会員・参与
玉地 俊雄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.06.01 09:36:59
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