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カテゴリ:ウブド通信
ウブド通信 ・ ヴブドの真昼間の火葬イベント ブラフマナ・サトリア編 8 突然ウシ型の棺桶の腹の部分がドサリと落ちた。 燃えていたのでよくわからなかったが人型ではない黒い塊りであった。 僕はこういった情景が嫌いだ。 嫌いだけれどもその瞬間と燃えてゆくさまを撮影し続けている。 確かに腹の内部の竹で編まれたカゴが無くなった。 燃えていた黒い塊りが下に落ちた。 遺族はというち落ちてしまった御遺体の状況には全く無関心である。 肉体はたましいの抜け殻。 バルドトゥドゥル。 無からでは無い。 バルドから次のバルドへ繋がってゆく瞬間に道に迷わぬよう火をともす。 みんなで迷わぬよう言い含める。 生命はいったんその宿木のような肉体の仮の姿からはなれバルドの世界へ戻る。 次の命が定まるまでの時間のあいだにひとやすみするところへゆけ。 ヒンドゥーの人々は遺体と遺骨に全く無関心である。 最初に添えられた子豚の丸焼きはまるまる残っている。 はさみこんだルピアのお札は燃えてしまった。 仏教は現在ヒンドゥーのしもべのいち員数の役回りでしかない。 シバが最高位である。 井上靖の天平の甍は面白く読める本ではなかった。 日本独特の人民統治機構に組み込まれた仏教は現在宗教ビジネスの利益集団として確立する。 墓を買え。 墓石が高額である。 捨て墓がどんどんふえている。 戒名を買え。 読経がありがたい。 ヒンドゥーの分派が異常増殖した宗教ビジネスに踊らされている。 ヒンドゥーは 散骨 では無く 流骨 してしまう。 牛の頭部が倒れてしまった。 そろそろウブドの真ッ昼間の火葬イベントも終了に近付いている。 つづく 玉地俊雄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.01.28 09:50:12
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