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カテゴリ:紫煙のゆらぎ
![]() YOUNG AHPORODITES 偶然にふらっと入った映画館であった。 台詞は何語か理解不明で対訳があったのだろうけれどそれすら記憶が定かではなかった。 ただ、 何処かから逃れてきたような羊たちと、 男たちの中に古代らしき松葉杖を両脇に抱えた中年に男異様だ。 人々と羊たちは水を渇望している。 石造りの井戸が見つかると人々は井戸に群がるが何故か先ず皮袋の水を奪い合って飲む。 やがて井戸から水を汲み ![]() ふたたび争うように乾ききった喉を潤す。 一人の少年は大人たちの後ろから水を飲もうと試みるがなかなか飲ませてもらえない。 そして、 静かな海岸で大きな水鳥の死骸らしきものをひきずる少女と対峙し、 水瓶から大皿に移し変えた水を受け取る。 少女はなにひとつ言葉も発せず静かな海面に浮かべた大皿の水を少年の方に押し出す。 少年は腰を屈めて水を受け取り零しつつも飲み続けていた。 コレは並みの映画ではないゾ ! 15才の中学生の僕は震撼してしまった。 最後まで晩生の少年に対し 「 そうじゃないだろうあんた 」 と心の中で叫んでいた僕。 ラストの水鳥の死骸と少女は、 最初の水鳥の死骸らしきものを引きずるシーンの再現部のようだった。 ただ漫然と見つめるだけの少年。 もう一度見ようと思ったのだか何時のまにか上映は終わっていた。 上映館で帰りがけに買った、 バネルに張られた大きなモノクロームのポスターは55年経過し色あせた今も我が家にある。 アメリカから空輸したDVDは今見てもいっそう興味深い。 バリシニコフ・オン・ブロードウエイ共々アメリカには何でも揃っていて入手が可能なのだ。 玉地 俊雄 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.09.26 23:07:36
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