紹介文
南イタリアのリゾートの島、カプリ。映画のロケのためにやって来た女優高樹夏子は、台本の出来を理由に降板したいと申し出た。初めての脇役でもあった。初秋のカプリは季節外れのバラが咲き、それが夏子自身のピークも過ぎていることを実感させた。自分に属する何もかも―男も女優という仕事も、クロゼットに溢れかえっている衣装も全て―を捨て去りたい、という激しい衝動にかられた時、美しい別荘で惨劇が…。往年の人気女優の孤独と愛を描き、著書の新境地を開いた、書き下ろし、長篇恋愛小説。
【中古】 十月のバラ 角川文庫/森瑶子【著】 【中古】afb
体験しなかったことは書けない、とおっしゃる森先生の小説ですもの、舞台のホテルも実在するんだろうなぁと検索したらありました。
やっぱり。
ホテルの名前、
プンタ・トラガラと小説にあったので打ちこみましたら誤変換で
トラ柄って出てきちゃってひとりニヒルに笑ってみました。
そんなことはどうでもいいですね、そうですね。
で、ホテルはこんなで、
こんなで、
こんな
ステキですねー。
ここで日がなシャンパン呑んでお風呂入って本読んで暮らしたい。
で、ストーリーは映画のロケのために先乗りでこの素敵なホテルに滞在しているちょっと落ち目な女優・夏子が『ワタシもわき役やらなきゃならないトシになったのね・・』とアンニュイしながらこの島で暮らす妻を亡くして陰のある作曲家(ハンサムもちろん金持ち)とその使用人(もちろんハンサム)と知り合いなんだかんだのあと使用人といいことしちゃって作曲家は亡き妻の浮気相手が使用人だったと気づき使用人を殺しちゃうって話です。
その後なぜか女優の恋人がやってきてこの顛末の後プロポーズをするという謎の展開。
まぁ、なんだかね、この殺人必要?ってくらいストーリー的にどうでもいい扱いなんですが女優のうつうつとしたアンニュイさと島のリゾートの空気感はそれこそリゾートで読むのにお勧め。
雰囲気は楽しめる作品でした。