新美南吉 「ひろったらっぱ」
いよいよ南吉の誕生月に入りました!南吉生誕100年の7/30(火)まで【あと27日】「ひろったらっぱ」新美南吉/作 葉 祥明/絵【送料無料】ひろったらっぱ [ 新美南吉 ]価格:1,365円(税込、送料込)戦争で手柄を立てようとした男が戦争で荒らされた野畑や打ちひしがれた人々を見て考えを変えます。そして、村人とともに荒れた畑を豊かな麦畑へと変えていくお話です。この作品が書かれたのは1935年(昭和10年)5月14日、南吉が21歳のときです。ちょうどこの頃、軍部が政治や外交に干渉を強めた時期。1933年にプロレタリア作家である小林多喜二が拷問の末に虐殺されるという思想弾圧事件が起こります。南吉青年はこの事件をきっかけにしてプロレタリア文学にも触れ、大きな衝撃を受けます。その年の夏休みに帰郷した折にこのことについて両親と話し合います。両親は息子が弾圧を受けることを恐れ「思ってもよいから口に出すことは慎め」と忠告します。そんな中、この作品を通して南吉は声高にではなく静かに平和の尊さを説きたかったのでしょうか。作品が書かれた年代や背景と照合するとさらに作者の考えに触れるように思います。