卒業式 弐
「呼びかけ」 という子どもたち全員で 思い出や抱負を述べる 言葉かけがあります。 その最後に、 子どもたちが『旅立ちの日に』 を歌ってくれました。 何度も何度も聞いた歌でした。 子どもを歌わせる側、 つまり せんせいとして歌わせていたこともありました。 怒鳴って、やり直しさせたこともありました。 でも、この日の『旅立ちの日に』 はどこか違っていました。 自分の娘が歌っている ということもあるかもしれません。 見知った子どもがいるからかもしれません。 同じ時間に 自分のクラスの子どもたちが 在校生として卒業生を盛りあげてくれている からかもしれません。 県内のほとんどの小学校が 同じ時間に体育館で式を行っているからかもしれません。 震災で卒業式もままならない学校がある中 歌を聴ける喜びに打ち震えているからかもしれません。 目を閉じると、 歌詞の一言ひとことが 果てしなく広がる空の映像を映し出してくれました。 そして足元から 振動となった声が上がってきて、 体を包んでくれました。 自然に涙がこぼれてきました。 わたしたちは一つ。 それは言葉ではいいつくせない 理屈ではない感覚でした。 子どもも保護者も来賓も ましてやせんせいもない。 魂が響く、いのちの音でした。 歌の力。 言葉の力。 愛の力。歌はよかよかにほんブログ村