2005/07/03(日)21:50
漁火が瞬く。
実家へ帰る道は、海沿いを走っている。
起伏のある道の途中には、絶景ポイントもいくつかある。
昨日、実家へ帰ろうと思い立ったのはまだ明るい時間だったのに
のんびりしすぎていたら、夜中になってしまった。
夜の道を、愛車を走らせて実家へ向かう。
ふと、海を見たら
漁火が数え切れないほど出ていた。
こんなに漁火が出ていることは珍しい。
水平線が漁火で埋め尽くされていた。
海が凪いでいたので、漁火が海面に反射していてなんともいえず綺麗だった。
漁火のある風景がとても好きで、
昔は毎日のように海へ車を走らせ、眺めていたものだ。
地元でこうした風景を見かけるたびに
胸の辺りになんともいえず込み上げてくるものがある。
少し前、新聞の記事で読んだのだが
漁火に使われている集光灯に、あまり光を出さないものが開発されたので
何年か後には、漁火が見られなくなるだろうということだった。
今まで当たり前に親しんできた景色がなくなると思うと、なんとも寂しい気分だ。
こうした技術の革新によって、漁の効率がよくなるのかもしれないけれど。
大学生の頃、漁火を知らない地方の友人を地元に連れてきて
「あれが、韓国と日本を結ぶ日本海ハイウェイだよ」とか、
「ほら、アレ見て。韓国の釜山が見えてる」などと大嘘をつけば、
皆が「すごい!ほんとだ!!」と信じていた。
今からすれば、ほんとにバカバカしい嘘だと思うけれど
漁火を見ると、あんな可愛い時代もあったものだと思い出す。