取るに足らない日々の出来事

2005/07/03(日)21:50

漁火が瞬く。

景色(19)

実家へ帰る道は、海沿いを走っている。 起伏のある道の途中には、絶景ポイントもいくつかある。 昨日、実家へ帰ろうと思い立ったのはまだ明るい時間だったのに のんびりしすぎていたら、夜中になってしまった。 夜の道を、愛車を走らせて実家へ向かう。 ふと、海を見たら 漁火が数え切れないほど出ていた。 こんなに漁火が出ていることは珍しい。 水平線が漁火で埋め尽くされていた。 海が凪いでいたので、漁火が海面に反射していてなんともいえず綺麗だった。 漁火のある風景がとても好きで、 昔は毎日のように海へ車を走らせ、眺めていたものだ。 地元でこうした風景を見かけるたびに 胸の辺りになんともいえず込み上げてくるものがある。 少し前、新聞の記事で読んだのだが 漁火に使われている集光灯に、あまり光を出さないものが開発されたので 何年か後には、漁火が見られなくなるだろうということだった。 今まで当たり前に親しんできた景色がなくなると思うと、なんとも寂しい気分だ。 こうした技術の革新によって、漁の効率がよくなるのかもしれないけれど。 大学生の頃、漁火を知らない地方の友人を地元に連れてきて 「あれが、韓国と日本を結ぶ日本海ハイウェイだよ」とか、 「ほら、アレ見て。韓国の釜山が見えてる」などと大嘘をつけば、 皆が「すごい!ほんとだ!!」と信じていた。 今からすれば、ほんとにバカバカしい嘘だと思うけれど 漁火を見ると、あんな可愛い時代もあったものだと思い出す。

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