これまでのバトルシャークサメの海「サメ好きの海」からの転載です。イラストが見たい方はそちらへどうぞ。 バトルシャーク第1話 ナレーションと海中の映像、そしてスキューバダイビングする人。海岸から上がってマスクを取ると、腕時計型携帯電話ダイバー仕様に連絡が「交替の時間だぞ」。場面は『マリンショップFOOK』の店内へ。ナレーション説明。一方…、 場面は宇宙。地球を眺めながら、女王、「おいしそうな星。宇宙ゼニーでいくらもうかるかしら?皆の者!」幹部集合。 女王「キラ、あの星で売れそうなものは?」 キラ(何かの機械を操作して)「一番繁殖している動物は人間です。幅広い環境に分布していて、知能も高く、労働力として売れそうです。」 女王「よし!では、まず人間を売りまくるわよ!スローガン復唱!『売れるものなら根こそぎ分捕れ』!」 幹部『売れるものなら根こそぎ分捕れ!』 女王「ゼニーのためなら星も滅ぼせ!」 オキアミ「あみあみ~」 地上に突然現れる宇宙ギルド幹部たちと戦闘員オキアミ。傍若無人悪逆非道。それを見た海道つよし(バトルレッド)、切れて飛び出す。「やめろー!」あとを追うたけし(ブルー)と杉田(イエロー)。幹部とバトルシャーク言い争う。 「人の命を何だと思ってるんだ!」 「あら、じゃ、人間は自分の星の命を何だと思ってるわけ?」 「自分のために自分の星を略奪するって、最低」 「同じことでも、自分の身に降りかかるといやだと。勝手なものですな。」 飛び掛ろうとするつよしを、片手で制すたけし。 「人間はおろかだ。だが、この星の命と共に生きようとしはじめているんだ。ふるさとの星だから…貴様らとは違う!」 その時突然、三人はバトルシャークに変身!一瞬戸惑うが、ギルドを倒すのが先だ!バトルシャーク強い! 女王「こしゃくな…一旦退却じゃ!」 バトルシャーク第2話 何故変身したか、ベルクートさんの説明を受けるバトルシャークたち。彼らは古代アトランティスの子孫で鮫の能力を受け継いでいるのだ。そして、ベルクートさんは、地下の秘密基地へ案内する。ベルクートさんの鮫フィギュア工房がそのままエレベーターになり、ダミーの工房が降りてくる仕掛けなのだ。入れ替わりに店内に入り、何も気付かない雇われ店長ロレンチーニさん「誰もいないのか?どこ行ったんだ、全く…」。そして、秘密基地に待つのは…。 「やあ!待ってたよ!」 かわいいヨシキリザメのよしきりくんだった! 「かわいいなんて失礼だな、ぼくはかっこいいんだぞ!ぼくにわかることは何でもききたまえー。ぼくにわからないことはIchthyくんが答えるよ!」 Ichthyくんとは、人格を持つ人工知能データベースだ!「よろしく」。 「ぼく、おともだちとお散歩の時間だから。じゃね!」よしきりくんはお出かけだ。 一方、ギルド宇宙船内では…。 女王「ええ、いまいましい、あのバトルシャークとやら!」 キラ「女王様、奴らの基地が分かりました」 女王「よし、巨大生命体でつぶしてくれよう。ガニー博士!」 ガニー「他星での戦いはその星の生命体を改造するのが常套手段。ウミガメなぞいかがかと。鮫に襲われることも多いので恨みを持っているのでは。それに、硬い甲羅を持ち、基地を押しつぶすにはよろしかろうと存じます。」 女王「スズキ!さっそく改造せよ!」 だが、出現した怪人は…。 女王「小さいじゃないの。どう見ても人間サイズ、どうやって基地を押しつぶすというのじゃ!」 スズキ「えー、地球の場合、巨大生命体は重力で巨体を維持できず、維持のための太陽エネルギーはオゾン層の破壊により、地上では三分しか…」 女王「結論をお言い!」 スズキ「は、つまりその、倒されてからでないと巨大化しないので…」 女王「スズキの役立たず!こら、ウミガメ、暴れろ、戦うのじゃ!鮫はお前等の天敵であろ」 ウミガメ怪人「サメは確かに天敵と言えますが、彼らがいなくなって我々が増えるか、なんて考えたことなかったですなー。ちょっと考えさせてください、三年ぐらいかなー。」 女王「ガニー、三年とはどれくらい?」 ガニー「…地球が太陽の周りを三周するぐらい、です」 女王「待てぬ!」 ところが、その時、浜辺を四駆で走って遊ぶバカ者どもが… ウミガメ「砂浜を荒らすなぁー!」ウミガメ四駆を蹴散らすだけでは納まらず、あらゆる車をなぎ倒す!バトルシャーク登場!倒す!巨大化したぁー!(スズキ:あ、大きくなった、よかったー、ほっ。) だが、ベルクートさんが巨大メカ発進!ウミガメ怪人は倒され、元のウミガメにもどった。 レッド「このウミガメ、だいぶ弱ってるな」 イエロー「もといた海にもどしてあげたいわね」 すると、沖から、ぱしゃん、しぽぽぽぽー…と よしきりくん「やあ!おともだちも一緒だよ!」 iso賢人「ほお、沖永良部島のカメですな」 よしきりくん「じゃ、散歩のついでに僕たちが送って行ってあげるよ!」 ひおうぎ仙人「海亀のー帰り産まれる浜辺こそー青き地球の希望なりけれー」 よしきりくん「行ってきまーす」しぽぽぽぽー… ブルー「イソギンチャクに足があった…」 イエロー「散歩のついでに沖永良部って…」 レッド「時速何キロの散歩なんだろう…」 立ち尽くすバトルシャークに、海は青かった! なお、出番のなかったタマサップは後ろで「たっぷりチーズイッタリアーナ!」を踊ってます。 ストレスがたまった女王は、「男子高校生いじめ」に目をつけた! 涙なくては読めませぬ、お涙頂戴、悲惨小説。 親の因果が子に報い、 可哀想なは 山本勘助。 川中島以来の大血戦! 迫る鞭の音、鰐女の毒牙 出るか必殺の「科学グルマ」 嗚呼、青春よ いつまでも。 次回、『バトルシャーク外伝』! 「畜生の眼にも涙!! するな北枕 しろ宿題」 お楽しみに! 外伝、バトルシャーク@科学部 秋の文化祭も目前に迫り、A県立T高校科学部はサメの模型づくりに余念がなかった。そこへ悪の女王バナナワニと怪人幹部たちが! 山本勘助(仮名)先生「何だ?何をする!」 女王「憂さ晴らしじゃ!」 山本「なぜ我々を?」 女王「サメ好きはすべて敵じゃ!」 あっと言う間に山本先生は捕らえられてしまった! 女王「おぬしらのリーダーはこの通り、助けたくばわらわにひれ伏すがよい!」 部長、牧野成勝(仮名)「先生、捕まっちゃったよ、どうする?」 「後は仕上げだけだから俺らで出来るんじゃない?」 「だな」 「よし、作業続行!」 女王「ええい、ダンシ・コーコーセーをいじめて楽しもうと思ったのに、おじさんなどつまらぬわ!」 タマサップ「捨てちゃいましょうか?」 ガニー博士「改造しましょうか?」 山本「ひー!!」 キラ「この者の情報をスキャンして、ダンシ・コーコーセーの弱点を調べてはいかがでしょう」 女王「さっそく取りかかれ、キラ!」 …スキャン完了! キラ「彼らの弱点は、試験・テスト・追試・偏差値、等です。苦手な場所は『試験会場』のようです。」 女王「ワープじゃ!」 空間テレポーテーション!科学部とギルドの面々、山本先生は、どこかの試験会場へワープした。 生徒たち「あれ?あれれ?」 タマサップ「まずは、『20字でまとめよ』1000本ノックだ!」 生徒「うわー!」「だめだー!」 山本「慌てるな!20字程度でまとめる問題は、本文中の語句を問題文に合わせて言い換えるだけだ!」 生徒「そ、そうか」「手分けしてやろう」 第一ステージクリア! タマサップ「くそー!」 スズキ「次は私です。『指定の語句をすべて用い、50字以内で説明せよ』!」 生徒「おい、指定語句だけで38文字あるぜ?」「語句をつなぐだけで答えになるな」「楽勝!」 第二ステージクリア! スズキ「やられた…」 キラ「今度は私よ。『次の英語の長文を読んで、自分の意見を1200字でまとめよ』英和辞典の使用を許す、ただし、電子辞書はダ・メ・よ♪」 生徒「わかんねー!」「書けない…」 山本「字数の多さに惑わされるな!英語を訳すわけじゃないんだ。賛成か反対かだけ理解すればいい。自分の意見は日本語だ、自由に書いていいんだ!がんばれ!」 生徒「回覧して書こうぜ」「分担すれば何とかなりそうだ」 第三ステージクリア! キラ「くやしいー!」 ガニー「私はそうそう甘くないぞ。600字以内で論じよ、テーマは『生きる』!」あぁ、世界の巨匠・黒沢明が143分の映画で描いたテーマを…。今度こそ絶対絶命か、科学部? 山本「ふふふ、ぬかったな、ガニー!一つ!お前は学部を指定していない!つまり、生物と無生物の違いとか脳死と心臓死とか、我々の得意な方向で書くことが出来る。二つ!これは入試問題ではない!つまり、出来不出来は関係ない、書けばいいんだ!」 生徒「そうか!」「やれるぞ!」 最終ステージクリア!科学部の技が炸裂する。 牧野部長「必殺、科学グルマ!」 やったぞ、科学部! 女王「覚えておるがよいぞ!」 走り寄る師と生徒、熱い涙が頬を伝う。 山本「よくやった、ありがとう」 生徒「先生!」「うっうっうっ…」 山本「もう泣くな…」 生徒「…サメの模型ができてない…」「もう、最終下校だ…」 翌朝、夜も明けやらぬころから作業する科学部の姿があった。もちろん、教師山本は学校に泊まり込んだ。校舎を開けるために…。 こうして「男子高校生をいじめる」というバナナワニ女王の野望は果たされたのであった。悪の女王、恐るべし! 参考文献は『笑う入試問題』角川書店でした。 愛知県立豊川高校の科学部で、実物大サメ模型を制作したときの番外編です。 バトルシャーク第3話 再び、ギルド宇宙船内。 バナナワニ女王「人間を売るのはやめじゃ。奴ら存外つまらぬわ。キラは売れ筋商品を洗い直せ。ガニーはあの邪魔なバトルシャークを始末する作戦を考えよ!」 ガニー「すでに用意できております。『外来ズ』にございます。」 ブラックバス・ブルーギル・雷魚の怪人が現れた! 「帰りてぇよぉ」 「私は思うのです。ここは私のいるべき場所ではないと。」 「♪俺の住む街はここじゃねぇー!イェイ」 女王「この者たちは何者じゃ?」 ガニー「外来種、つまり、人間の都合で本来の生息地域から連れてこられた者たちです。お前たち!バトルシャークを倒したら、望みをかなえてやろう。行け!」 一方、マリンショップFOOKでは、バトルシャークメンバーが親睦を深めていた。 赤(弟:つよし)「正義の味方なんて柄じゃないよなぁ。」 青(兄:たけし)「お前はそうだな。小さい頃から悪さをしちゃあ『兄ちゃん助けてー』だったもんな。」 黄(杉田)「で、たけしさんはどうしたの?」 赤「兄貴は助けてくれたよ。で、その後お説教された。」 黄「へぇー。」 そこへ緊急指令!外来ズが町で暴れている!バトルシャーク出動だ!だが、やってきたバトルシャークに外来ズは言う。 「好きでやってるんじゃないぞ。誰のせいだぁ?」 「我々が本来の生息地から引き離され生態系の敵とされてしまった責任は、人間自ら負うべきなのではありませんか?」 「♪てめえの勝手で無茶しやがって、やってらんねぇぶち壊せ!oh!」 ひるむ青(兄:たけし)。外来ズの攻撃がたけしを襲う。 赤(弟:つよし)「まずい、兄貴は正論に弱いんだ!」つよしは間に飛び込んだ!やられまくるつよし。だが、これが『いたずらして反撃された弟の捨て身作戦』なのだ。 赤「兄ちゃーーーん!助けてー!」青の脳裏に幼少期の思い出がフラッシュバック 青「弟をいじめるなぁー!」 外来ズ「お前たちに反撃する権利はない!」 青「うるせえ悪いって言っても殴られてんのは俺の弟だ!許さん!」 青つよい!たちまちのされる外来ズ。 「筋が通らないぞ!」 青「正義を主張すれば他者を滅ぼしていいというのか!俺の正義は弟を、大事なものを守ることだ!だから地球を守るんだ!」 外来ズ、最後の抵抗で巨大化アンド合体!だが、あえなく倒されてしまう。 外来ズ「俺たちは…帰りたかっただけなのに…」 黄「何とかならないの?」 地下の秘密基地で。魚にもどった外来ズを人工頭脳Ichthyさんに見せるバトルシャーク。 Ichthyさん「難しいですね。この三匹は、日本で生まれた個体です。もうこちらの環境に適応しています。帰巣本能が強いのであるいは…。水槽に別々に入れて、それぞれの故郷の環境に近づけていきます。ゆっくり適応させてそれから帰せば、可能性50%ですね。」 よしきりくん「体が慣れたら、ぼくが故郷に連れて行ってあげるよ!」 Ichthyさん「しかし…、この三匹はそれでいいとして、日本にいる外来種を全て帰すのは不可能ですよ。」 青(兄:たけし)「くそっ!」 飛び出すたけし。つよし・杉田が後を追う。浜辺に座り込みうつむいて考え込むたけし、近よろうとする杉田をつよしが制する。 黄(杉田)「慰めなくていいの?」 赤(弟:つよし)「今はダメだ。兄貴が吹っ切れるまで待つんだ。」 やがてたけしは立ち上がり、叫んだ。 「海のちからが命をまもる!海洋戦隊!バトルシャーク!」 黄「…何?今の」 赤「よっしゃ、兄貴は立ち直ったな」 黄「?」 赤「やられても、落ち込んでも、必ず自力で立ち直る、それが兄貴の強さなんだ」 黄「それはともかく…あの叫び、どういう意味?」 赤「負けないぞがんばるぞー、の兄貴流の言い方だよ」そしてすかさず、つよしはいかにもいま来たかのように 「兄ちゃーん、飯食いに行こうぜー!」 本当は何も解決してはいない、それでも立ち上がれ、バトルシャーク! 外来ズは三匹とも、もとの生息地に帰ることになるが、それはバトルシャークの戦いが終わってさらに先の話である…。 |