旧:無菌室育ち

2005/02/20(日)15:56

底知れぬ深さを持つ、表層の笑い

漫画アニメ評論(13)

日本のヲタク文化は、だんだん世界にも有名になってきたようだが、本質は、理解されていないな。 中学生を対象とした漫画や、小学生を対象とした漫画の中に、笑わせながら泣かせる作品が数多く存在する、それが日本のヲタ文化なのである。 私は、こちらのサイトではあまり書かなかったが、 すでに、二回以上死んでいる。 職場の事故、火災と落下物。 何があっても、「もう、二回死んでるしー。」で、すんでしまう。 あんなに、無理な受注はできない、と、言ったのに。 『ハインリッヒの法則』まで持ち出して。 300対29対1の法則のことだ。 300の「あぶなかったこと」に対して、 29の「軽症の事故」が存在し、29の軽い事故があれば いつ死亡事故がおきてもおかしくない、という、法則だ。 自分におきてしまったが。 入院中に私の救いになったのが、アニメ「ONE PIECE」の主題歌であって何が悪い? 退院後の生活、動くのも不自由な中、漫画を読んで泣いて暮らした。 今もヒッキー。立ち直りつつあるが。 「ONE PIECE」のテーマは「仲間」。 説明抜きの無条件な仲間である。それは第一話から描かれる。 子供向けだから、はっきりとしたメッセージ、言葉として。 「いいか、俺は、大抵のことは笑って見逃してやる。だがな! どんな理由があろうと!友達を傷つける奴を俺は許さない!」 そして、大人は少年を救うために片腕を失う。これが第一巻第一話だ。 第五話では、剣の修行でどうしても少女にかなわない少年がいる。 少女は少年に言う。 「ゾロはいいね、男の子だから。女の子は世界一強くなれないんだって…」 少年は言う。 「俺に勝っといてそんな泣き事言うな!俺がいつかお前に勝ったときにもそう言うのか?実力じゃねぇみたいに!お前に勝つために特訓している俺がバカみてえだろ?そんなこと言うな!」 だが、少女は事故で死ぬ。 「逃げんなよ!俺、天国まで名前が届くような世界一の剣豪になってやる!!」 四巻29話、海賊の息子が登場する。彼は弱い。そしてうそつきだ。毎日「海賊が来た」と叫ぶ。その村は彼のうそで一日が始まる。何故うそをつくのか?最初にそのうそをついたのは、彼が少年のころ、母の臨終の床だ。父親が帰ってきた、と、うそをついたのだ。それから毎日うそをついている。荒唐無稽なうそで、体の弱い屋敷のお嬢さんを慰めている。 だが、本当に海賊はやってきた。 彼の言葉を誰も信じてくれない。…当然だ。だから、彼は決意する。 「お前らを村に通すわけにはいかねぇ。…俺はいつも通りうそをついただけなんだから!」 どんなに弱くても、うそつきとしての筋を通す。どんなにやられてもあきらめない…。 第五~七巻は海のコックだ。 「海でコックに逆らうことは、自殺に等しいと、よく覚えとけ。」 「金っていうのは、食えるのか?」 彼の価値観は58話にあらわれる。見習いコックの少年は、客の残飯を捨てていたのだ。 だが遭難して、料理長と二人、無人島に残される。料理長は食料を分ける。自分の方に大きな袋、子供の彼には小さな袋。「差があって当然だ」。節約しながら食べ続けても、救いの船は現れない。ついに食料が尽きる。(あの大きな袋から盗もう)、そう考えて料理長の所へ…。 料理長は、最初から、全く食料を持っていなかった。自分の足を切り取って、食べながら生き延びていたのだ。大きな袋の中にあったのは、金銀財宝だった…。 そして、裏切り者の女がいる。 航海術を見込まれて、海図を描くために海賊になっている。 村中を裏切って敵の海賊のために働いて、うまい思いをしている。 それもこれも、約束のためだった。 世界中の海を旅して、海図を描き、お宝を集めれば、その村から出て行くと。裏切り者の魔女と呼ばれ、どんなことをしても金を集めた。8年かけて1億ためた。そこで約束を反故にされた。 船長・戦士・うそつきの砲台長・コックの四人の仲間を裏切って金を渡したのに。 それまで、本当の気持ちを許してなかった航海士の彼女が、初めて船長に言う「助けて…」と。それが9巻80話。 冒険をし、夢をつないで、紡がれていく、夢物語。 トナカイ人間のチョッパーは、トナカイにも人間にもつまはじきにされる。彼を助けたのが「藪医者」ヒルルク。その国では医療が国家の独占事業だ。ヒルルクは患者がいると、押しかけていって診察する。腕はあまりよくない。不法診療でお尋ねものだ。 ところが、国の医者が全員、急病で倒れたというニュースが入る。ヒルルクは、王城へ行く。そこに患者がいるから。だが、それはわなだった。国に逆らう医者は、藪医者であろうと死刑なのだ。 それを知ったヒルルクは…145話 「よかった…病人はいねぇのか。てっきり国の一大事だと…俺がだまされただけか…」そして死ぬときに言う。「人はいつ、死ぬと思う?人に忘れられたときさ。」 かけつけたトナカイは間に合わない。優しいだけじゃ人は救えない。トナカイ人間は、誓う。 「知識と技術を身につけて、俺が”万能薬”になる!何でも治せる医者になるんだ!」 船長・戦士・うそつきの砲台長・コック・航海士・船医の”仲間”が砂漠の国の内乱を止める。一国の王女がスパイになって、敵の組織に侵入し、陰謀の鍵を握ったのだ。 船長をルフィとする「ルフィ海賊団」は、その王女を国へ送り届ける”約束”をする。”約束”を果たすためには、国を二分した内乱を、まず、収めなければならない。それができるかどうかは知ったことではない。彼らがした”約束”は、陰謀の中心を倒さなければ、果たすことができないのだから。 以上、「ONE PIECE」アラバスタ王国編まで。ここまでで23巻。 読んでくださいカトラーさん。 「ONE PIECE」23巻 爆笑問題のハインリッヒの法則 んでるさん:ABの細道の日本で流行っている本はなに? カトラーさん:katolerのマーケティング言論「ハウルの動く城」にみるファンタジーの力 にトラバします。

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