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旧:無菌室育ち

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自薦集1

2005/04/02
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カテゴリ:自薦集1
突然の病が彼らを襲った。それは多分海外からもたらされたもの。免疫力の高い一族が、運んできたんだ。
彼らは、その病原菌に弱い。感染は、そのまま、死を意味した。
あちこちで、仲間が倒れた。
長老が、とうとう、宣言した。
「この街はもうだめだ。生き延びるために、症状の出ていない若い仲間よ、ほかの地域に伝えてくれ。決してこの街に入ってはならぬ、と。感染した … [続きを読む >>]





Last updated  2005/04/02 06:05:26 PM
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2005/03/04
カテゴリ:自薦集1
「雪が降ってきたね」
と、その人は言った。窓の外も見ずに。
「よくわかりましたね」
と、私は驚いた。
私が世話するこのコジマさんは、大変に物静かな人だ。
独居老人のサポートサービス、それが私の仕事だ。こちらのコジマさんは、寝たきりというほどではないが、やはり動くのが不自由なようで、私は毎日二時間ほどの家事をしに通っている。
妻に先立たれてもう十数年 … [続きを読む >>]





Last updated  2005/03/05 09:13:48 PM
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2004/12/03
カテゴリ:自薦集1
私は老いた。
もうすぐ天寿をまっとうするだろう。
この年になれば、人は仏門に入る。私も出家して隠居した。仏道に励み、御仏の慈悲にすがり、安らかに死を迎える、そのための修行をするはずなのだ。
だが、私には、それが出来ない。南無阿弥陀仏を唱えることすら…。

私は、悟ることができない。

俗世を捨てた自然の中の、小さな庵での一人住まい。元々、出世もせず … [続きを読む >>]





Last updated  2004/12/13 02:23:31 PM
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2004/08/10
カテゴリ:自薦集1
私がとある旅館で働いていたときのことです。
そこは、夏のかきいれ時でも満室になることはないような小さな旅館、それでも近くに海水浴のできる海岸があって、そこそこお客がとぎれることはありませんでした。
夕食は食堂です。お客さんが全員食べ終わって、やっと一段落。早く片づけを終えたいのが本音です。
ところがその日は、一組、予約したのにいらっしゃらないお客さ … [続きを読む >>]





Last updated  2004/08/21 07:04:03 PM
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2004/07/15
カテゴリ:自薦集1
「ああ、暑かった。」とおばあちゃんが帰ってきた。
「夏の法事はたまらないわねぇー。」
どっこいしょ、と、座って麦茶を飲むと、おばあちゃんはおしゃべりを始めた。お坊さんがどうだったとか、誰と誰が来たとか…

「そうそう、キミエちゃんに会ったわよ。」

キミエちゃんは、おばあちゃんの妹にあたる。
「墓地でね、お墓の後ろを通ってね、横顔を見て、『あ、キミ … [続きを読む >>]





Last updated  2004/07/16 05:49:00 PM
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2004/07/14
カテゴリ:自薦集1
昔は、小学校で「お泊まり会」なるものがあった。生徒が集団で校舎に一晩泊まるという行事だ。現在ではほとんど行われていないが…。

夜中に、ヘイスケは目を覚ました。(トイレに行きたい…)。

ヘイスケが寝ていたのは、教室の一番後ろ、扉の近くだ。教卓のそばで寝ているはずの担任・ナカムラ先生は遠い。間にはクラスメイトが寝ていて、足元が暗くてよく見えない。

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Last updated  2004/07/16 05:12:15 PM
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2004/07/12
カテゴリ:自薦集1
下の子が生まれたら上の子がやきもちを焼く、というのは、とりこしぐろうだったみたい。
長女は、弟をすごくかわいがっている。
「にゃーちゃん、にゃーちゃん」と、にこにこしながら弟の顔を飽きずに眺めている。
「邦也」「くにや」「くにゃちゃん」「にゃーちゃん」かぁ。

赤ん坊は、まだ手足をばたばたさせるばかり。

じーっと見つめてくれるのが、うれしいのかし … [続きを読む >>]





Last updated  2004/07/16 03:43:46 PM
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2004/07/10
カテゴリ:自薦集1
(遅刻しそう!)
玲子はあわてて出かけようとした。
玄関から出て、鍵を閉める。閉めようとした。
(あれ?)
鍵が回らない!
中からはかかるが、回らない。
(うそ?壊れたの?)
玲子は一人暮らしだ。開けたままで、出かけるわけにいかない。
(会社に電話しなきゃ。それから、鍵の修理をさがして…)
携帯電話で、かけようとした。
(あれ?)
携帯がつかない!
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Last updated  2004/07/16 03:43:12 PM
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2004/06/10
カテゴリ:自薦集1
 これから、贈り物は全部コーヒー豆にしてもらいたい。父がそう言い出したのは喜寿を過ぎてからだった。
 コーヒー好きの父は、自分で豆を挽き、毎日飲む。豆代もばかにならないから、と父は言う。
「すぐなくなるので、豆はいくらもらってもありがたい。お前の家の近所のコーヒー店、あそこが安いからよろしく頼む。安い豆でいいからな。」
 さて御中元。件のコーヒー店 … [続きを読む >>]





Last updated  2004/06/16 06:21:11 PM
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2004/05/30
カテゴリ:自薦集1
私は生まれたとき、呪いを受けました。
『16歳の誕生日に糸車のつむに指を刺して死ぬ』、と。
良い魔法使いが呪いの効果を変えた。
『死ぬのではなく、百年眠るように』、と。

やがては目覚める。

その時、私の両親も知人も生きてはいないでしょう。
しかし、私は生き返る。
死ぬわけではないのです。

それで、充分ではないですか?

私の両親にとっては充分で … [続きを読む >>]





Last updated  2004/05/30 09:50:35 AM
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