オリックスの編成を考える
先日、日本ハムの糸井・八木とオリックスの大引・木佐貫・赤田の交換トレードが話題になっていました。日本ハムの徹底した合理的なやり方は正直、個人的には好きではありませんが、一本筋が通っていて見ていていちいち納得させられます。今回のケースもポスティングで大リーグ移籍を希望し、数年後には確実にいなくなるであろう糸井を放出し、田中賢が抜けた内野の主力クラスと糸井が抜けた外野のバックアップ要員を確実に獲っています。今回のケースは「日本ハムは何やってるんだ?」というように言われていることが多いように感じますが、個人的にはオリックスの方が生え抜きの大引を放出してまで、大リーグ志向の強い糸井を獲る意味があったのかと疑問を感じてしまいます。FA取得まではまだ数年あり、球団が認めなければそれまでは戦力として考えられるという考え方もありますが、ポスティングの有無をめぐって毎年のように契約更改が長期化するようだと球団にとってマイナスになるような気がします。そもそもここ数年のオリックスの補強には正直行き当たりばったりさを感じていました。そこで、今回はオリックスの編成について考えてみます。まずは実際にどのような動きがあったのか、ここ5年の入団選手(ドラフトでの新人を除く)をみてみましょう。【2012-2013年】東野峻[P]・八木智哉[P]・山本和作[In]・原拓也[In]・糸井嘉男[Ou](トレード)平野恵一[In](FA移籍)馬原孝浩[P](FA人的保障)平井正史[P]・松本幸大[P](戦力外より契約)ディクソン[P]・ハモンド[P]・シュルツ[P]・ロッティーノ[Ou](新外国人)【2011-2012年】高橋秀聡[P](トレード)ミンチェ[P](FA移籍)井川慶[P](メジャーより復帰)長峰昌司[P]・高橋信二[In]・中村一生[Ou](戦力外より契約)マエストリ[P]・白嗟承[P]・李大浩[In]・スケールズ[In](新外国人)【2010-2011年】小島心二郎[P]・寺原早人[P]・高宮和也[P]・桑原 謙太朗[P]・齋藤俊雄[C]・野中信吾[In]・竹原直隆[Ou](トレード)小林雅英[P]・梶本勇介[In]・坪井智哉[Ou](戦力外より契約)フィガロ[P]・朴賛浩[P]・マクレーン[P]・マトス[P]・ヘスマン[In]・ベロス[In]・イ・スンヨプ[In]・セギノール[In]・カラバイヨ[Ou](新外国人)【2009-2010年】木佐貫洋[P]・長谷川昌幸[P]・喜田剛[In]・金子圭輔[In]・赤田将吾(Ou)・荒金久雄[Ou](トレード)田口壮[Ou](メジャーより復帰)ボーグルソン[P]・レスター[P]・バイエスタス[P]・バルディリス[In]・バイナム[In]・フェルナンデス[In](新外国人)【2008-2009年】大村直之[Ou](トレード)金沢健人[P]・高波文一[Ou](戦力外より契約)オルティズ[P]・コロンカ[P]・ヤング[P]・カブレラ[In](新外国人)赤字になっている選手はすでに退団している選手です。これを調べてみてまず驚いたのが新外国人の多さと退団率の高さでした。新外国人が多いということはそれだけ外国人が活躍していないということでもあります。ここ数年でまともに活躍した外国人選手はバルディリス・フィガロ・李大浩ぐらいじゃないでしょうか?あともう1つ気になるのは日本球界経験者との契約がやたらと多いこと。上記の5年間でもカブレラ(元西武)・ボーグルソン(元阪神)・バルディリス(元阪神)・フェルナンデス(元ロッテ・西武・楽天)・イ・スンヨプ(元ロッテ・巨人)・スケールズ(元日本ハム)・セギノール(元日本ハム・楽天)・シュルツ(元広島)の7名。それ以前もセラフィニ(元ロッテ)・デイビー(元広島)・ローズ(元近鉄・巨人)・ラロッカ(元広島・ヤクルト)と少し思い返すだけで名前がスラスラとあがっていきます。確かに他球団で日本球界で活躍した選手を連れてくるのは戦略の一つでしょう。我が西武もフェルナンデスやシコースキー、昨年ではオーティズと名前があがります。しかし、これだけ多いのはおそらくオリックスだけでしょう。自球団の海外へのアンテナを放棄しているとしか思えません。実際に他球団経由ではない選手の活躍はほとんど記憶にありません。フィガロぐらいじゃないでしょうか?(李大浩は韓国トップクラスの選手の為、発掘してきたという点では海外スカウトを評価はできないでしょう)ドラフト以外の入団選手の退団率の高さという点では、確かに期待ほど獲得した選手が活躍しなかったということもあるでしょうが、トレードで活躍した1~2年後にまたすぐトレードで放出というケースがおまりにも多い気がします。主力クラスとして活躍していた木佐貫・寺原・赤田ですら数年でトレード放出されるという有様ですから、他球団については調べていませんが、多い方ではないのでしょうか?その結果が上記のような真っ赤な状況です。行き当たりばったりな感じがしてしまうのはおそらくこの辺が大きく影響しているような気がします。そのあげく生え抜きで将来の幹部候補と言われていたらしい大引まで、放出してしまうのは自分としては疑問です。それは渡辺直人・内村賢介を出した楽天や藤田一也を出した横浜にも同じことが言えますが、やはり生え抜きの主力を安易に出すのは球団にとってマイナスの部分も多いのではないかと思います。我らが西武も赤田将吾や小関竜也といった選手が放出された歴史があり、生え抜きの選手が去っていく姿を見るのは非常に胸が痛みます。最後、少々感情論になってしまいましたが、昨今のオリックスの編成についてはその場しのぎの行き当たりばったりなイメージを自分は感じていましたが、今回少々調べてみて、その印象はより強くなってしまいました。