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2019年04月25日
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カテゴリ:牧場
2月、帯広市のばんえい牧場十勝で、種牡馬になる馬たちの検査が行われました。
誰でも登録すれば種牡馬になれるわけではありません。何度も検査を行って認められてはじめて、種牡馬となれるのです。
(農用馬は「種雄馬」と呼ぶことが多いですが、競馬ファンの方には「種牡馬」の方がなじみがあると思いますので、文中も種牡馬と表記します)
この日は引退したばかりのジェイワンの検査が行われました。
楽天ブログが一定の単語を掲載するとアップできないため、言葉を換えています。家畜について詳しい方は違和感があるかもしれませんがご了承ください。



牡馬は、牝馬を見るとすぐに種付けできるものだと思っていましたが、そんなことはないそうです。
実は、前日の検査がうまくいかずにこの日は2日目でした。「3、4日かかる馬いるよ」とのこと。そのまま種牡馬になれない馬もいるそうです。
サラブレッドの方が繊細なのでさらに大変だとか。物音一つでやる気がなくなることもあるそうで、かなり気を遣うそうです。
こんなに大変だったとは…。

誘発するための牝馬のことを「台馬(だいば)」といいます。妊娠していない馬で、できれば発情の来ている馬を選ぶとか。
「牡馬は発情している馬がわかる」といいます。粘液の状態などでわかるそうで、ウンカイは発情が来ていないとわかると種付けを行わなかったとか。無駄な労力は使わないのですね。



さて、牝馬の背中に乗ろうとする(乗駕といいます)ジェイワンですが、周りの人が「まだまだ」とじらして引っ張ります。
体力を消耗しないよう、種付けができる状態になるぎりぎりまで待っているのだとか。


準備が整ったのを見計らい、3人がかりでお尻を押し込みます。野生に戻っている牡馬の後ろに立つ、命懸けの作業ですね。
牝馬の方が背が高かったので、畳を置いて少し高くしていました。採取するには、人工膣と呼ばれる筒状の器具を用意します。



さて、何度か試しますが、なかなかうまくいきません。ギャラリーが多くてごめんね…。
人も疲れてくると、「お前が見本見せてやれ」とかいう冗談も飛び交います(笑)。
「頑張れ!」「もう少しだ!」「そのまま!」 見ている方も力が入り、なんとか成功して欲しいと胸が熱くなります。

やっと液を採取できました。第一関門を突破。すぐに、この時来ていた獣医師が、顕微鏡の元へ走ります。






スライドに液を載せて、運動性を見ます。「いっぱいいますね。元気です」とのこと。良かった!
見せてもらったら、小さな微生物がうようよと元気いっぱいに動いていました。まずは一安心。

今回の検査は結果の一つとしてまとめます。その後、大きな顕微鏡であらためて確認し、量や臭いや色、数、ph値など8つの項目をチェックします。
それから家畜保健所が種畜検査(馬体の確認)をし、伝染病がないことを確認し、検査の表とともに提出して、ようやく種牡馬として認められるそうです。
こんなに長い道のりだったとは…。

さて、この日はもう1頭、他地区で種牡馬入りを予定している馬の検査もありました。
ぶーぶー言いながら牝馬に向かっています。さぞかし興奮しているのかと思いきや、ちょっと離れてうろうろ。
「昨日蹴られたから、怖がっている」とのこと。ちょっとかわいそうですね。頑張れ!
でも結局、うまくはいきませんでした…。

種牡馬も慣れると、すぐに仕事を理解するものですか、と獣医師さんに聞くと「年を取ると好き嫌いが出てくるのがいるよ。若いのがいいとか、栗毛がいいとか」。それも困ったものです(笑)。

この日は2日目、と書きましたが実は1日目ですんなりと検査を終わらせていたのが、今年のばんえい記念で引退したフジダイビクトリーでした。
「種付けの上手な馬」はなんとなく、活躍する子を出しそうなイメージがありますよね。いい子を残してほしいです。





帯広競馬場でも検査は春頃に行われています。帯広は車通りの多い場所で行うことになるから、気が散りますよね。
「旭川ならいいんだけどな~」と牧場の方。周りを森に囲まれた旭川競馬場なら、静かな環境で検査ができていたのでしょう。

ばん馬の生産頭数増加のために、大きな期待を寄せられている種牡馬と繁殖牝馬たち。
みんな長く健康に過ごして、春の繁殖シーズンを乗り越えてほしいです。



取材/小久保友香、小久保巌義





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最終更新日  2019年04月26日 14時32分23秒



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