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2019年10月02日
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カテゴリ:牧場
前回の牧場便りで高野さんも書かれていた通り、
9月7、8日にアグリアリーナ(十勝農協連家畜共進会場)で「第17回北海道総合畜産共進会」が行われました。
4年に1度行われる、全道各地の馬が集まる共進会。
昨年行われる予定でしたが、胆振東部地震の影響で今年に延期となりました。
41頭(欠場1頭)が出品されました。
7月の十勝共進会の様子はこちら
1日目は測尺と個体審査、2日目は比較審査という流れは十勝と同じ。審査員を含め、スタッフは多いですね。









農用馬が1歳雄雌、2歳雌、3歳以上雌子付、と分かれているのも同じ。
今回は北海道和種馬とポニーも出品されています。
ポニーの測尺は、枠場に入らないから外。ほのぼのします。



ポニーは審査員の人たちもニコニコ。
実際、ポニーは愛玩用ということで「かわいさ」も審査の重要な条件なのです。



「ドサンコ」といわれる北海道和種馬の特徴は、速歩の時に同じ側の前後肢を同時に前後する「側対歩(そくたいほ)」。
側対歩ができているかどうかも個体審査で確認します。
ここに来る馬はさすがにみんな上手でしたね。
個体審査の時には三角に引かれた線の上を歩きます。
なぜなのか審査員の人に聞いたら、昔からそうなのですが、農用馬の共進会が行われているフランスのパン種馬場が、同じように歩くそうです。それに合わせているのではないかとのこと。


審査のあとは、1頭ずつ写真撮影を行います。
ばん馬や小格馬は、写真を撮る機会はほとんどないので、
全道大会ならではですね。
朝からはじまり、午後5時過ぎまでかかり1日目は終了しました。
2日目。この全道共進会は、隣のアリーナで肉用牛部門も開かれています。
合同の開会式はこの日に行われました。


十勝と同じように線が引かれ、名前を呼ばれた上位馬は前に出ます。


では、一等一席、二席の馬たちを紹介します。
まずは、北海道和種馬とポニーから。講評は、北海道和種馬保存協会の近藤誠司会長からです。
北海道和種馬 静晴(父北の力 母生静)
出品者 函館市・池田茂 繁殖者 新ひだか町・北大静内研究牧場




北海道和種馬は「全体のバランスとボリュームを見る」とのこと。
静晴(しずはれ)はそれが良かった、ということですね。この毛色は「月毛」です。
ポニー さつき(父コータロー(シェットランド・ポニー系) 母リリー(日本ポニー))
出品者 別海町・菅原恵美子 繁殖者 別海町・菊地辰夫




評価の基準は「かわいらしさと力強さ」。
2席の馬も良かったけれど、爪の手入れが劣っていたとのこと。
「子馬がかわいいからではないですよ」と北海道和種馬保存協会の近藤会長も笑いながら話していました。
北海道和種馬とポニーには見事な旗が渡されます!




そして、農用馬部門です。家畜改良センター十勝牧場の廣岡さんが講評しました。
第1部 1歳雌1席 光富士(父カネサテンリュウ 母ヒカルロマン)
出品者 足寄町・村上孝三 繁殖者 足寄町・辻虎男


2席 琴宝(父トカチタカラ 母琴桜)
出品者 網走市・佐藤牧場 繁殖者 池田町・江口勇


光富士は今年のはまなす賞、銀河賞を勝ったキタノユウジロウの全妹となります。
「雄大な馬格で牝馬らしい雰囲気があり、欠点が少ない」とのこと。琴宝はちょっと元気すぎる子でした(笑)。
第2部 1歳雄1席 銀太(父カネサテンリュウ 母富士子)
出品者・繁殖者 足寄町・大野信一


2席 勇栄(父イサムフジ 母あまちゃん)
出品者・繁殖者 標茶町・板鼻要一


4頭のみでしたが、「発育はそんなに差はない」とのこと。
銀太は「骨量と雄らしさ、力強さがある」との講評でした。
第3部 2歳雌1席 イトサン(父カネサテンリュウ 母金姫)
出品者 帯広市・帯広有機 繁殖者 足寄町・後藤有弘


2席 栄華(父カゲツカサ 母栄姫)出品者・繁殖者 白糠町・江崎勝三


こちらも4頭のみでしたが「いい馬ばかり」。
イトサンについては「体重が四肢にバランス良くかかのり、しっかりしている。皮膚も薄く、繁殖に向いている」との講評でした。
「骨量にあった肉をつけなくてはいけない。繁殖の時に留意してほしい」との一言も。
2歳ですが、ここに出る馬は競走馬ではなく、繁殖に向けて審査されているということもあるそう。生産の世界なので、そういった視点なのですね。
さて、ここまで見て気づきましたか?
1歳と2歳の一席は全て、カネサテンリュウ産駒だったんです!
もともと評判は聞いていましたが、キタノユウジロウの重賞連覇や負け無しの2歳馬キョウエイリュウの活躍など、ここ最近結果が出てきていますね。
第4部 3歳以上雌(子付) 
1席 ウィナーサラ(父トカチタカラ 母セブンフラワー 子の父カネサブラック)
出品者 網走市・佐藤牧場 繁殖者 陸別町・七戸光次


2席 サンノハルミ(父ダイヤキンショウ 母サンノエイカ 子の父キタノオーロラ)
出品者・繁殖者 釧路市・三宮久蔵


全てが終了した後、農用馬の一席、馬部門の一席を決めていきます。





トロフィーや肩掛けです
農用馬と馬部門の一席。そして小格馬を含めた審査で、最高位賞にに輝いたのは、4歳牝馬のウィナーサラでした!!






馬格については「雄大で、頸から腰にかけての流れがスムーズ。子馬の発育もいい」とのこと。
そしてなにより「馴致、調教しているのが伺える。爪もしっかりしており、管理も行き届いている。ここに臨む意気込みを感じる」。


佐藤牧場の佐藤裕之社長は「最高位は念願でした。一席は何度もあったが、最高位はなかった」。
今回に向けて、馬を作り上げてきた結果ですね。
先代の佐藤久夫会長は「子どもを育てるように、手いっぱいの愛情をかけて馬を育てて来た。馬に一生をささげてきて、(自分の)馬が認めてもらえた。人生で最高の喜び」と喜んでいました。
共進会とは?と聞くと、「馬の美学」。
その通りの美しい馬でした。
ウィナーサラは競走馬としても活躍していました。昨年の黒ユリ賞は4着でしたが、そのシーズンで引退し、繁殖入り。
「スケールの大きさに繁殖馬としての期待をかけた。そしてカネサブラックの子を取りたかった」ということでの、若くしての引退だったそうです。
佐藤会長は「子どもが次々と競馬場に行って、活躍するような馬を作りたい」とおっしゃっていました。
数年前はばんえいが存続するかどうかわからず、若くして繁殖に上げる馬は多くありませんでした。
早い引退はファンにとって寂しさもありますが、繁殖の将来が見えるようになったことはうれしいことです。
さて、比較審査には楽天競馬の「第2回ばん馬生産牧場見学ツアー」が行われました。
ツアーの様子
共進会や市場など、生産界の行事は一般ファンではなかなか知ることもできず、オープンにしているとはいえ行きにくいものですよね。
私たちメディアでもなかなか知ることができません。
貴重な経験ができたのではないかと思います。
最後に、家畜改良センター十勝牧場の廣岡さんに今回の共進会について話を伺いました。
全体的に「いい発育の馬が多かった」そう。
「みんな『自分の馬が一番』と思っている(笑)が、地域によって育成が上手、繁殖が上手、という違いがある。見比べることで情報交換の場になれば」とのことでした。
今回、農用馬の出品は十勝、釧路、根室地区がほとんどでオホーツク地区が1頭。道東のみということになります。
北海道和種馬は農用馬よりは広い範囲とはいえ、道北、上川、空知地区はいませんでした。
「北海道どこでも見られた馬の景色」の範囲が、狭くなっている影響が現れているのかと思うと切ない気持ちになります。
秋からは生産地別の2歳馬戦も始まりますので、今まで以上に生産地に思いを馳せていただければと思います。
取材/小久保友香、小久保巌義





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最終更新日  2019年10月03日 14時15分04秒



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